2024年06月08日
篠さんの日本縦断ギネス世界記録挑戦記 <機材編>
どうも、篠です。
先日日本縦断ギネス世界記録に挑戦して、無事完走しました。
5月21日7:00に佐多岬から出発し、5月27日11:48に宗谷岬に到着。記録は148時間48分(6日4時間48分)※睡眠休憩込みのグロス計測
総距離2536km、獲得標高15641m
現在WUCAにギネス世界記録申請中で、無事認定されれば女子記録更新になります。
前回の記事ではチャレンジまでの準備を書きましたが、この記事では使用した機材&ウェアを紹介したいと思います。
バイク2台体制で挑んだ日本縦断ギネス世界記録チャレンジ
現行ルールより、サポートカーおよびオフィシャル資格持ちの記録員の全行程帯同が必須条件となった為、サポートカーを最大限に活用することがよりよい記録に繋がります。
自転車の長距離チャレンジで一番危惧してるのはやはり機材トラブルだと思うので、今回はトラブルが起きてもすぐバイクを替えて走り出せるように2台体制で臨みました。
予備ホイールもディスク、リム1組ずつ用意し、立て続けのパンクにもすぐ対応できるように準備を整えました。
使用バイク
ORBEA ORCA OMX(縦断仕様7.2kg)
・コンポーネント SHIMANO Di2 R9200-P(パワーメーター内蔵)
・フロントチェーンリング 52-36T
・リアスプロケット 11-34T
・ホイール ARise Performance guarneri D-Four (GD4CS)
・ハンドル OnebyESU ジェイカーボン グランモンロー SL 360mm
・マウント ブリケット(NAO製)
・サドル S-WORKS PHENOM MIRROR
・ペダル SHIMANO DURA-ACE R9100
・タイヤ Continental GRAND PRIX 5000S TR
・エアロバー PROFILE DESIGN SONIC ERGO 39A
・アームレスト PROFILE DESIGN ERGO+ARMREST KIT
・パッド PROFILE DESIGN ERGO+RACE+ULTRA PAD(15-10mm)
LAPIERRE XELIUS SL ULTIMATE(縦断仕様6.8kg)
・コンポーネント/SHIMANO Di2 R9150(パワーメーター内蔵)
・フロントチェーンリング/50-34T
・リアスプロケット/11-30T
・ ホイール/ARise Performance guarneri R-Four (GR4SL)
・ ハンドル/OnebyESU ジェイカーボン ネクストVDS 360mm
・バーテープ/自作布バーテープ
・マウント/RECMOUNTS
・ブラケットカバー/SHAKES
・サドル /S-WORKS ROMIN EVO CARBON SADDLE
・ペダル/SHIMANO DURA-ACE R9100
・タイヤ/Continental GRAND PRIX 5000S TR
エアロバーを装着したORBEA ORCAは主に交通量の少ない高速巡航区間を担当。
通常装備のLAPIERRE XELIUSは停止することが多い市街地区間やアップダウンの多い山岳区間で運用しました。
バイク単体の性能や空力でいえば最新モデルのORCAは抜きん出たものがあります。ただエアロバーを装着することでハンドル周りの重量は増加し、この重さによってダンシングをしたときにわずかにストレスを感じました。短時間なら誤魔化せますが、この長時間におよぶ走行だと体への負担はバカにできません。
一番長く乗ってきたXELIUSは手足のように扱えるのもあり、リムバイクの軽快さを活かせるように、今回エアロバーはORCAだけつけました。
…というのは建前で、
恐らく一度しかないであろう日本縦断ギネス世界記録チャレンジ、新車のORCAも、長らく共にしてきた相棒のXELIUSも、両方乗りたかったんです(笑)。
使い分けた2台の走行距離は以下のとおり。
- 1日目 ORCA 203km、XELIUS 237km
- 2日目 ORCA 205km、XELIUS 170km
- 3日目 ORCA 350km、XELIUS 44km
- 4日目 ORCA 382km
- 5日目 ORCA 223km、XELIUS 149km
- 6日目 ORCA 110km、XELIUS 464km
トータルでORCA 1473km 、XELIUS 1064kmと2台ともフル活用したチャレンジ本番でした。
巡航区間、市街地、山岳区間で乗り換えるほか、同じフォームで乗り続けると疲労が集中してしまうので、気分転換も兼ねて、ポジションが僅かに異なるもう1台のバイクに乗り換えることで、違う筋肉が使えて、身体をほぐすことができました。
ORCAにエアロバーを装着したおかげで肘や肩で振動吸収できた区間も長く、XELIUSのブラケットポジションと入れ替えて乗れたからこそ、最終日まで手の平や腕は不調なく走り切れました。
敢えて2台を違うセッティングで臨んでよかったです。
国道2号線沿いは路肩に釘やガラスの破片が散乱していた区間も複数あったり、北陸以降は悪路が増えていき神経を使う場面も多かったですが、メカトラやパンクは一度もなく全行程走り終えられました。
タイヤを28cチューブレスにして大正解でしたし、日頃の悪路経験が活きたと思います(笑)。
次回、チャレンジ本番走行編に続きます。
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写真:Nobuhiro Toya 文:篠
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。