記事ARTICLE
  • 記事
  • 機材・インプレッション

2015年12月01日

3モデル インプレッション VOL.4/LAPIERRE編 AIRCODE SL 600(エアロロードモデル)

LAPIERRE / AIRCODE SL 600 FDJ MCP IMPRESSION

“エアーコード”はタイムトライアル用モデルのエアロストームの空力特性と、ゼリウスEFIの運動性能を融合した、エアロロードバイク。各チューブは空力を高めるために翼状断面を用いており、ダウンチューブとシートチューブは横風によるパワーロスを軽減するカムテールデザインを採用している。さらに2016年モデルは約90gの軽量化に成功している(エアーコードSLアルチメイト)。名称も新たにエアーコードSLとなった。

151019_7D_9763

AIRCODE SL 600 FDJ MCP■フレーム:エアーコードSLカーボン■フォーク:エアーコードSLフルカーボン(ダイレクトマウントブレーキ専用)■試乗車のコンポーネント:シマノ・アルテグラ■ホイー ル:ゼンティス・スクアッド4.2ブラックマット■完成車実測重量:7.4kg(ペダルなし)■カラー:FDJレプリカカラー■サイズ:46、49、52、55cm■価格:519,000円(シマノ・アルテグラ完成車、税抜)

※試乗車と販売モデルとはスペックが異なります。

 151019_7D_9665

シートクランプはシートチューブに内蔵しカバーを被せる。斜ウスを引き上げて固定する構造だ。

151019_7D_9669

バックステーやブリッジまでも空力を高めた形状だ。

151019_7D_9675

汎用性の高い前作ゼリウスEFIと、空力を高めたTTバイクのエアロストームから受け継いだデザインのセミインテグレーテッドステム。

151019_7D_9680

ダイレクトマウントブレーキを採用したエアロフロントフォーク。シンプルで機能的なデザイン。

151019_7D_9684

ボトムブラケットはプレスフィットを採用した。

]151019_7D_9687 

ダウンチューブの形状は風洞実験から生み出されたエアロ形状を採用する。突端が平らなのは、横風も考慮したためだ。

151028_1D_6006

不満がないエアロロード★菊地武洋

仰々しいエアロフレームが増えたおかげで、エアコードSLはそれ単独で見ると格別エアロを意識させない。スタイリングの良し悪しは好みの問題だが、あまりコテコテにしないほうエアコードのようなタイプが好みの人も多いだろう。エアロが強調されすぎるとホイールもディープリム以外は似合わなくなるし、ボリュームのある冬用ウエアなんかも相性がよろしくない。メインバイクで使うなら、スタイリングは控えめなぐらいな方が利便性が高い。エアロフレームらしさはシートチューブの後端が後輪に合わせて弧を描いており、それらしい雰囲気も十分にある。しかし、これはリヤセンターを詰めるための方策ではない。シートステー長は408㎜とキチッと確保しているので、チェーンジャムなどのトラブルも少ないだろう。ブレーキはフロントがダイレクト、リアにノーマルタイプを選択している。機能性やメンテナンス性を考えたら、この組み合わせが最良である。ダイレクトマウントブレーキは同じグレードでも、フォークの出来次第でブレーキのグレードが1クラス上に感じる。奢られているフォークの剛性は必要にして十分あり、ブレーキング性能も高い。コーナリング中に後輪のグリップしている位置がつかみやすいのと相まって、タイトコーナーから高速コーナーまで苦手がなく下りの楽しいバイクだ。ペダリングも軽いので、「不満がない」というのが正直な感想だ。

151028_1D_5996

自分好みにカスタマイズ可能★小高雄人

フレームのフロント三角とリア三角のバランスが取れていて、どのようなシチュエーションにも対応することができるフィーリング。富士スピードウェイを用いた富士チャレンジ200をはじめとした、アップダウンで構成したサーキットコースとの相性はとくに良さそうだ。フロントフォークの剛性も高めで、ダンシングでのバイクの振りも軽く感じる。ちょっとした上りであれば、スピードを落とさずにダンシングでこなしていけそう。エアロ効果のほどはそこまで体感できなかったが、フロントブレーキがダイレクトマウントである以外は、シートチューブも丸チューブで、オーソドックスなシートポストを採用しているなど、汎用性を重視したパーツ構成なので、自分の好みにカスタマイズしていくことができる点も魅力的。一見してシンプルだが細かく見ていくと、チューブの加工も手が込んでいて、乗るほどに愛着が湧きそうだ。

151028_1D_6000

実用的エアロロード★山本健一

2015年にデビューした当モデルは、エアーコードSLとしてブラッシュアップが施された。エアロロード唯一の弱点ともいえる重量増に真っ向から挑戦している。外観に変化を及ぼすことなく約90gの軽量化と、フレーム単体重量のうち10%に迫る成果を上げており、同時にその数値には懐疑的なまなざしも向けてしまう。しかしながら、ペダリングにたいする反応の良さはトップクラスといえるほど。エアロロードながらも控えめな(マドンやヴェンジ・バイアスに比べたら)フォルムながらもオールラウンドなパフォーマンスを獲得しているのがエアーコードSLの魅力といえよう。クリテリウムや短い距離の高強度なレースを主戦場としているなら、このエアーコードSLはパートナーに最適なモデルだ。奇抜な機構を用いることなく、シンプルかつエアロに特化したフレーム形状は使いやすく親しみやすいだろう。エアロロードとして、機能をスポイルする致命的要因をもたないバイクなのである。今回はプロスペックではないが、同じ剛性レベルながらもさらに軽量であるという。リーズナブルな価格からも好奇心を強く刺激される、魅力的かつ実用的なエアロロードなのである。


(写真/和田やずか)

エアーコードSLのお問い合わせ先:東商会 http://www.eastwood.co.jp/

お問い合わせフォーム 

関連記事

記事の文字サイズを変更する

記事をシェアする