2018年01月10日
【FUNRiDEトレーニングキャンプ VOL.14 レポート】最新サイクルトレーナーをチェック&テスト
昨年末の12月26日、FUNRiDEトレーニングキャンプ VOL.14と銘打ってペダリングの中級講座を実施しました。
講師はおなじみ、ハムスタースピン代表の福田昌弘さん。
この回は中級編ということで、ペダリングの動きについて理解のある参加者に絞っています。
その参加資格の内容とは、
・スクワットができる方
・中級者レベル以上のサイクリスト
・過去に実施された初心者のためのペダリング講座に参加した方
ン、スクワット?? 普通できるやん…..そう思われますが、それが果たしてペダリングにとってよいスクワットなのかというのはイマイチわかりませんよね? もとい、本来のスクワットもできているのか? もしわからないなら第三者からの指示をあおぐのはもちろん、自分自身での評価と実際の動きをすり合わせることによって理想形に近づいていきます。他者を評価する「目」を養うことで自分を評価することができますよね。
スクワットの動きを評価できる目をもって、さらにペダリングに最適なスクワットを自転車の上で行うことができるか、というのが中級編の主な内容です。ム、難しそうですが、このペダリングの原理原則を理解するだけでも大収穫といえます。
ここから先は講習会の内容となりますので、ちょっとだけ。
パワー(Watts)を上げるためには、ケイデンスとトルクが非常に重要になります。高ケイデンスは比較的早く限界を迎えますが、トルクに関しては多くの人に高められる余地が残されているはず。トルクを上げることができれば、すなわちパワーも上がります。ローラー台を用いてトルクを出すためのワークアウトを行ないました。
前置きが長くなりましたが、このトルクを高めるワークアウトを指南するためにはサイクルトレーナーが最適ということで、今回はTacxを扱う日直商会、GT-Rollerを制作するグロータックの2社にご協力いただき、サイクルトレーナーを用いたペダリング・トレーニング講座を行いました。
今回の講座ではトレーニングだけではなく、最新のトレーナーを紹介するプレゼンテーションも実施。最新トレーナーを興味深く観察し、試している様子が見られました。
とくに目を引いたのは、インタラクティブ・トレーナーと呼ぶTacx NEO Smart。こちらはいわゆるオンラインゲーム感覚でサイクリングを楽しめるソフトと連動していたり、オリジナルのソフトでは海外の名だたる有名なコースや峠を走行するバーチャル リアリティ ライドを楽しめるのであります。
一方、グロータックも下町ロケットよろしく、熱意ある日本人エンジニアかつサイクリストによって生み出される「作品」は、自らの経験を具現化しつつ練磨したもの。実走により近づけるためのロジックは多くの支持を集めています。
2017年の秋にお目見えした最新モデルのGT-Roller M1.1は、世界最小クラスの折りたたみサイズを実現し、加えてオプションユニットを使えばスマートトレーナーとしても活用できます。とくに目を引くのはフロントフォークを接続するカーボンモーションコントローラー。このカーボンチューブはあのグラファイトデザイン製。グッときますね。販売は18年の春となりますが、試乗モデルをお持ち込みいただき実際に試すことができるという、なんともプレミアムな機会となりました。
今回の講座で使用したトレーナーはこちら↓
Tacx
http://nichinao.jp/archives/category/tacx
クラシックトレーナー・BOOSTER
Tacx定番の固定型トレーナー。使わない時は折りたたんでバッグ(専用オプション)に入れればスマートに収納できます。専用バッグを使わずとも、フロントホイールの台座とトレーナーをセットにすることで台座が持ち手になり、レース会場などへの持ち運びにも便利です。
http://nichinao.jp/archives/37
価格:¥28,500-(本体価格)
強力なマグネティックブレーキを採用し低速でも強い負荷を掛けられます。組立は簡単で、フライホイールに直接手を触れることがないため、トレーニング終了時の折りたたみも安全に行えます。プロ選手のトレーニングやウォーミングアップにも使われている固定型トレーナーです。
・駆動方式:タイヤドライブ
・スピンドル:30mm 金属+樹脂ローラー採用
・電源:不要
・負荷装置:フライホイール + 永久磁石ブレーキ
・最大トルク:17Nm
・最大ブレーキ力:50N
・最大出力:1050ワット
・フライホイール:1.65kg・フライホイール効果:9lg
・サイズ:380mm×660mm×700mm
・重量:9.6kg
・付属品:スカイライナー、クイックレリース
インタラクティブトレーナー・NEO Smart
Tacx Cycling app(※.1)で作動し、タブレットやスマートフォンの画面上でトレーニング状況を確認したり、アプリ連動で実際のコースの再現走行などが出来るトレーナーです。ANT+/Bluetooth Smart規格の電波により、ZWIFT等の外部アプリケーションや周辺機器への接続、同期も可能。
※.1:Tacx社製オリジナルソフトウェアのTacx Desktop app(windows10, mac OS 近日公開予定), Tacx Cycling app(Androidタブレット, ipad), Tacx Training app(Android スマートフォン、iphone)と連動して作動し、すべてのデータはTacx Cloud上で一元管理されます。Desktop appとNEO Smartを使用するとペダリング解析も可能となります。
http://nichinao.jp/archives/26
価格:¥190,000(本体価格)
・使用時の作動音はトレーナーの常識を覆す静かさです
・最大2200Wの負荷で25%の登坂を再現可能で、5%の下り坂まで再現可能
・ペダリングロスの無いリアルな走行フィーリング
・スマートフォン、タブレットPC、PCと双方向通信を行うことができます
・PCなどと連動することにより、自動的に負荷が変化します
・トレーナーにより計測された出力、ケイデンス、速度をPCなどと通信することができます
・Tacxの各種トレーニングソフトウェア類だけでなく、ZWIFT、kinomap、TrainerRoad、BKOOLなどサードパーティー製ソフトウェアを利用可能
・1秒間に1000回の負荷計算により、ソフトウェアからのインプットを遅延なく再現することが可能
・Tacxが採用するモーターブレーキは、他方式と異なり「低速時の負荷再現力」に優れているため、山岳ステージの再現などに強みを持ちます
・NEO Smartはフライホイールやフライホイールとスプロケットを結ぶベルト類を使用していないため、他社のダイレクトドライブと比較しても唯一無二の静音性を誇ります
・トレーナー自体が柔軟性を持つ構造のため、ダンシングをしてもフレームへの負荷を軽減することが可能
・駆動方式:ダイレクトドライブ・電源:必要(自家発電も可)
・負荷装置:ブラシレスモーター・キャリブレーション:不要
・最大トルク:85Nm
・最大ブレーキ力:250N
・最大出力:2200ワット
・再現斜度:25%
・フライホイール:仮想
・フライホイール効果:125kgまで可変(1000回/秒の頻度で計算)
・サイズ:575mm×750mm×550mm
・重量:21.5kg
・通信規格:ANT+ FE-C / Bluetooth Smart open
・パワー計測精度:2%未満の誤差
・付属品:スカイライナー、クイックレリース ※スプロケットは付属しません。
・Shimano 10s/11s、SRAM 10s/11s、Campagnolo 10s/11s(一部モデルを除く)対応。
GROWTAC
GT-Roller F3.2
http://www.growtac.com/
価格:¥69,800-(税抜)
GT-Roller F3.2は「自転車との一体感」「安全・安心」をコンセプトにした、今までにないタイプのトレーナです。自転車が倒れないようにバランスを取るのは誰でも出来ます。前へ進む為のバランスは練習が必要です。
自転車との一体感/バランスをとりながらペダリングをする。全身を使ったペダリング。野外と同等の実走感。多彩な練習方法への対応。
安全・安心/振動が少なく、静か。軽量カーボンフレームにも安心。落車しない。多彩な収納方法、簡単準備。
サイズ:H435mm×W900mm(展開時)164mm(折りたたみ時)×L1055~1155mm Weight:約9.5kg
NEW GT-Roller M1.1
価格:未定
実走感の高いカーボンモーションコントローラー採用。グラファイトデザイン社と共同開発しているカーボンモーションコントローラーが、高い実定感を実現します。
前後左右360度、自由に揺れるため、自分で重心バランスを取り身体中の運動神経を刺激し、より効率よく自然な状態でウォーミングアップが可能。
GT-Roller M 1. 1 のカーボンモーションコントローラーは、レース会場や様々なシチュエーションでの乗車を想定し、柔らかすぎず適度な硬さを持たせ、安定感を感じられるように調整されています。
独自の折りたたみ機能を備えており工具不要で簡単に折りたたむことができます。
ホイールベースの調整幅が大きく、多様な自転車に対応します。ロードバイク、シクロクロス、マウンテンバイクなど、車種を選びません。
別売のオプションユニット(コントロールユニット、電子負荷ユニット)を接続すると、走行負荷を電子的に制御したり、ZWIFTなどのバーチャルライドも可能になります。負荷ユニットは、手動負荷〜電子負荷を工具無しで切り替えることができます。
サイズ:H440mm×W835mm×L1120~1480mm(使用時) H175mm×W180mm×L600mm(収納時)Weight:約6.5kg ※製品版の仕様は変更される可能性があります。
2018年 春発売予定
〜といった、トレーニング機器を用いたセミナーや講習会も今後も実施していく予定です。FacebookやTWITTERといったSNSでもイベント情報を告知しますのでチェックしてくださいね。
(写真と文:山本健一)
お知らせ
■初心者向けペダリング講座情報■
好評なペダリング初級者編を2月6日~13日(火曜日)に実施します。
ペダリング中級へ進むために必要な内容です。講師はハムスタースピン・福田昌弘さん。
詳しい情報はこちら↓
https://moshicom.com/13704/
著者プロフィール
山本 健一やまもと けんいち
FUNRiDEスタッフ兼サイクルジャーナリスト。学生時代から自転車にどっぷりとハマり、2016年まで実業団のトップカテゴリーで走った。自身の経験に裏付けされたインプレッション系記事を得意とする。日本体育協会公認自転車競技コーチ資格保有。2022年 全日本マスターズ自転車競技選手権トラック 個人追い抜き 全日本タイトル獲得