2016年05月12日
純粋無垢なシューズメーカー【LAKE】ブランドローンチ
情熱溢れるシューズを日本にも
LAKE(レイク)は1982年創業、35年の歴史を重ねた老舗ブランドだ。シューズ一筋の同社は(専業は片手で数えられるほどしか残っていない)アメリカで産声をあげたが、2000年代に入り、オランダの投資家グループがレイクを所有してたが、4年半前に現在のオーナーであるボブ・マース氏によって買収されオランダのシューズメーカーとして再出発している。シューズデザイナーは1998年からおよそ20年に渡りデザインを担当しているクリス・ハッチェンス氏だ。今のレイクの中でただ1人のデザイナーで彼が設計からすべて手がけている。良いものを作りたいというレイクは中国の工場で生産を行なっているが外注ではなく自社工場で、OEM生産も行なわずレイクのシューズだけを作っている。
デザイナーのクリス・ハッチェンス氏
レイクのラインナップは大きく4つに分けられる。CXはロード用、TXはトライアスロン用、MXはオフロード用、MXZはウインターブーツというラインナップになる。
CX402というのはロード用の中でのフラッグシップモデルとなる。アッパーはカンガルーの本革を使う。ソールは100%カーボンソールでかかとの部分は熱成形することができる。この成型プロセスはオーブン(温度設定ができる家庭用オーブンも使用可)によって熱を加えることで、ユーザーのかかとにフィットしたソールに成型できる。最大5回まで成型が可能だ。このかかとにフィットしたソールに成型することで、ヒールスリップを起こさず、ペダリング効率を最適化することができる。またアッパーは非常に柔軟かつ耐久性に優れているカンガルー革が用いられる。こマイクロファイバーにはないこの柔軟性によって熱成形を行わずとも足にぴったりとフィットし、高いホールド感をもたらす。上位モデルほど薄く柔軟かつ耐久性も高い革素材が用いられる。
このフラッグシップモデルは、現在のラインナップで唯一カラーオーダーが可能なモデルだ。アッパーは13色のバリエーションの中から選ぶことできる。パネルごとにカラーを選ぶことができ、ロゴの色やアウトソールの樹脂パーツの色まで変えることができる。デザインパターンのプリントも可能で、ストライプをいれたり、チームのロゴを入れることも可能だ(アップチャージ)。デフォルトのカラーを組み合わせるパターンと、オリジナルのデザインでカラーオーダーができる。
カラーオーダー可能なCX402。インスタグラムで検索すると様々なカラーパターンを見ることができる。価格は67,800円から(デザインオーダーの場合、初回のみ別途版代がかかる)。
日本で展開しているシューズでここまでカスタマイズできるのはおそらくレイクだけだろう。
ラストの形状にもこだわっているのがレイクの強みといえる。国内ラインアップだけでもラストは6種類を数え、さらにMXZを除くそれぞれにレギュラーとワイドの2パターンを用意している。日本人の多くはワイドタイプのフィット感がよいそうだ。そしてしなやかなアッパーが足との最適な密着感を生み出し、快適なペダリングを提供してくれる。
カーボンハイブリッドのインソールを発表
レイブン熱成形式カーボン製インソールも発表された。これはインソールの土踏まずからかかとにかけて熱成形式カーボンファイバーで構成されている。このインソールはレイクのシューズ以外のほとんどのサイクリングシューズで使用することができる。小売価格は8,000円だが、より多くの人に効果を実感してもらうために、初年度は7,000円で割引販売するとのこと。
熱成形が可能なインソール。今使っているシューズにも使える。
レイクのシューズは本革を用いていることもあり、非常に高価なイメージだ。しかしそのロジックやデザイン、さらにはカスタマイズシステム、展開サイズ、本革のフィット感などを体験すればその価格には納得できるだろう。現在、いまひとつシューズがしっくりとこないサイクリストは、清水の舞台から飛び降りる!? つもりでレイクのシューズを試してみてはいかがだろうか。
(写真:編集部)
問:キルシュベルク http://www.kirschberg.co.jp/
著者プロフィール
山本 健一やまもと けんいち
FUNRiDEスタッフ兼サイクルジャーナリスト。学生時代から自転車にどっぷりとハマり、2016年まで実業団のトップカテゴリーで走った。自身の経験に裏付けされたインプレッション系記事を得意とする。日本体育協会公認自転車競技コーチ資格保有。2022年 全日本マスターズ自転車競技選手権トラック 個人追い抜き 全日本タイトル獲得