記事ARTICLE
  • 記事
  • 機材・インプレッション

2016年02月02日

3モデル インプレッション Vol.8/GIANT編 総論

GIANT ☆ 総論

山本:ジャイアントが行なっていることを確認するだけで、トレンドの方向性などを再認識することができますね。

菊地:そうだね。プロペルはトレックとスペシャライズドの2台のおかげで少し後手に回ってしまった感はあるけど、つねに見ていること、行なっていることは新しい。

山本:開発期間もちょっと長いかもしれない。というのもジャイアントというブランドとして完璧なモノをリリースする必要があるし。とはいえリリースした時点で次の一手もあるんでしょうけど。

菊地:ジャイアントは独自規格もあるけど、汎用性ということをちゃんと考えている。組みやすいし、色々なところに気が利いている。構造にしても、うっかりするようなところをしっかり作り込んである。でも……。

山本:新しいTCRアドバンスドはなかなかどうして。

小高:良いですよね!

菊地:いいね。

山本:なぜ多くのメーカーが手を引くISPをなぜ辞めないのか、そういう理由もこれに乗ると些細なことなんじゃないか、って思えてしまう。

菊地:俺たちはジャイアントに対する偏見はないから、素直に乗れるけどね。ブランドで決めつけちゃう人は多いけど、ブラインドテストだったらTCRアドバンスドSLは大絶賛でしょう。もう乗った瞬間から高級車独特の感触が伝わってくる。ペダリングは軽いし、フロントフォークもへこたれないし。

小高:僕もすごく良いバイクだと思うんですが、いざ買おうかなって考えると……。

菊地:厳しい? 俺はここ数年、いつ買ってもおかしくないかな。

小高:去年はカラーリングが尖っていて、良いなと思ったんですけどね。

菊地:今回のラインナップでもアドバンスドSL0ってすごいカッコいいよね。

山本:配色がブランドイメージを引き出しつつ、スタイリッシュ。

菊地:TCRアドバンスドSL1のキャンディカラーも流行っているよね。

山本:ベーシックなグラフィックから流行色までソツなく抑えている。パーツアッセンブルも絶妙だし。そういえばオリジナルホイールも良かったですね。

小高:ホイールも自社製でしたよね。

山本:むしろトータル コーディネイトでこそ性能を発揮できるという。

菊地:あとヘッドやBBの精度が高いと思う。精度がよければ、フリクションロスが少ないことで得られる軽さがある。精度が低いものに比べて、明らかにクランクの回転も軽いし。

山本:そう、プロペルのブレーキもずっと良くなっていましたね。

菊地:初めて見たときはどうかな?と思っていたけど、今回の試乗でかなり良くなっていたことがわかった。

小高:エアロロードでこのスタイルはあまり浸透しませんでしたね。

菊地:確かにそうだね。大ブレイクはしなかったね。

山本:ディファイはこのクラスでも十分遊べました。

菊地:写真よりも実車のほうがいいし、乗りやすくておすすめ。我々はどうしてもスポーツに振りすぎてしまうきらいがある。ランニングから移行してきたり、フィットネスで始めたりする人にはこういうバイクだよね。

山本:これならすんなり行きます。

小高:ディファイシリーズはエントリーモデルの4機種はノーマルブレーキが残されていますが、上位機種はディスクブレーキになりましたね。上級モデルにもノーマルブレーキタイプを残してほしかったかも。

菊地:そうなったね。でもTCRでカバーって感じだろうね。ジャイアントのラインナップは、小規模メーカーがニッチマーケットを狙うのを許さないほど細かい。グラベルから新しいところはタフロードというカテゴリーまで、しっかり抑えている。

小高:作っていないジャンルはもはや無いですね。

菊地:サイクルサッカーくらいじゃない?(笑)

山本:ジャイアントがいないところを攻めるならサイクルサッカーしかないのか……。

小高:ツーリング車からタイムトライアルバイクまで。しかも初級者から上級者まで満たすラインナップを用意していますし。

菊地:……今回の3シリーズって初心者からエリートライダーまで誰に対してもおすすめできるよね。昔は必ず値段の話が出てきたけど、今回はこうして話していても値段の話が出てこないもん。もうそんな話をしなくても良いようになったよね。
山本:ジャイアント=低価格というのは古い考えかもしれない。

菊地:今回用意したバイクって、目とつぶっていてもはっきりと用途がわかってしまうほど、コンセプトどおりの3機種の味付けがきっちりとしていたかな。そこに対比するなら、ラピエールのバイクで、3機種がちょっとずつ似ていた。でもジャイアントははっきりと違いがわかるように作っているな、と。

山本:かえって迷いが生じずに買いやすい。

菊地:オリジナルパーツもステムでもなんでもフォローをしっかりとしてくれる。ちゃんと責任をもって作っているブランドって、実は少ないからね。


(写真:和田やずか)

ジャイアントのお問い合わせ先:ジャイアント TEL:044-738-2200

http://www.giant.co.jp/giant16/

関連記事

記事の文字サイズを変更する

記事をシェアする