2018年10月25日
【CERVELO】S5DISC 徹底チェック&インプレッション
ディスクブレーキ仕様へフルモデルチェンジを果たしたS5
サーヴェロのロードバイクはグランツールを制したオールラウンドなRシリーズ、グラベルやエンデュランスに特化したCシリーズ、そしてこのエアロダイナミクスに注力したSシリーズの3本柱だ。昨今のエアロブームでライバルメーカーの追随も激しいが、2019年はいよいよS5のフルモデルチェンジ発表となり、主力メーカー最新世代のエアロロードバイクが出揃ったイメージがある。
このS5DISCももちろんディスクブレーキ搭載となり、大幅なデザイン変更となった。これまでのバイクは、フルモデルチェンジといっても“ブラッシュアップ”というイメージがあったが、ディスクブレーキによる設計自由度の拡大によって、次世代へのフルモデルチェンジとなった、といっても過言ではない。以後のコンテンツで新旧比較を行うが、その違いを感じてほしい。
S5DISCテクノロジー
サーヴェロが得意とするのはPシリーズに由来するエアロダイナミクスだが、それを引き立てる数々の機構にも名称が設けられている。
またそれらはこのS5DISCのライドクオリティ・スティフネス・ユーザービリティに反映されている。
ライドクオリティ
LONGER TRAIL=高い安定性の実現。
UNIFIED TRAIL=すべてのフレームサイズで同じハンドリング特性の実現。
LOWER BB=ライダーの重心を下げ、安定性を高めた。
スティフネス
25%IMPROVEMENT=前作のS5と比べて、ボトムブラケットの剛性25%アップ。
13%STIFFER=前作のS5と比べて、ヘッドチューブのねじり剛性13%アップ。新しいS5は、フレーム重量を増加させることなく、ボトムブラケットとヘッドチューブの剛性を大幅に向上させた。
ユーザービリティ
新しいS5のハンドル・フロントフォークまわりは、ステムの新しい空力概念を中心に大胆に再設計された。
エアロダイナミクス
42GRAMSFASTER=空気抵抗の軽減
ハンドルにはすべてのケーブル(ブレーキホースとシフトケーブルもしくは電動ケーブル)を内蔵することができ、また体格・好みに合わせたポジション設定も行える。ステムの高さは5mm単位で、30mmまで延長できる。ハンドルバーの高さはステムとは別に2.5mm高くすることができます。ハンドルバーの角度は0度〜2.5度〜5度の3段階で調節が可能。スタンダードバーとノーマルステムを使用したい場合は、変換アダプターを用いる。
ハンドルバーの裏側には、サイクルコンピュータのマウントが配置されている。ハンドルの前方に設置することができ、空力の妨げとなる突起物を作りださない配慮が見られる。
シェイプス・フォー・ボトルズ
ボトルの数によって空気抵抗を最適化する機構。ボトルケージ台座が3箇所用意され、ボトルを1本だけ持つときは、もっとも空気抵抗が低く抑えられる下側へ、2本の時は上側にボトルケージを装着できるようにしている。
オリジナルシートポストには、調整機能が付加され、より扱いやすくなった
シートチューブカットアウト
シートチューブをできるだけリアホイールに近づけるために、ホイールに沿って大きく弧を描ぎカットしたような形状に。大幅なエアロダイナミクスの改善が見込める
固定側がカギのような仕組みの独自のスルーアクスルで、着脱がスムーズに行える
BBライト
左右非対称形状によって、チェーンステー側の剛性を高め、フレーム重量を軽量化できるサーヴェロオリジナルの規格
著者プロフィール
山本 健一やまもと けんいち
FUNRiDEスタッフ兼サイクルジャーナリスト。学生時代から自転車にどっぷりとハマり、2016年まで実業団のトップカテゴリーで走った。自身の経験に裏付けされたインプレッション系記事を得意とする。日本体育協会公認自転車競技コーチ資格保有。2022年 全日本マスターズ自転車競技選手権トラック 個人追い抜き 全日本タイトル獲得