2016年03月14日
CERVELO C5 [インプレッション]
CERVELO C5 インプレッション
100本以上の試作モデルを経て完成したエンデュランスモデル、Cシリーズの最上級モデルであるC5のテストライドレポートをお届けしよう。すでに海外メディアを筆頭に多くの報道がなされたC5であるが、先日発表されたC3との比較レポートも参考にしてほしい。C5は6つの特長をあげている。コンフォート(快適性)、ローウエイト(軽さ)、コンフィデント ハンドリング(高い安定性)、バーサタイル フィット(ポジションの多様性)、デザインド フォー ディスク(ディスクブレーキ専用設計)、プロジェクト カリフォルニア フォーク(サーヴェロの特別設計部門)。
専用設計のジオメトリー、追随を許さないフレームチュービング、そしてフレーム各所に設けられたギミックはホスピタリティに溢れる。フレームは最新のR5に施されたDシェイプのスクオーバルチューブではなく、むしろ旧Rシリーズのスクオーバル2チューブに近く、より横扁平を強化したものを採用している。これはより高い振動吸収性をもたらすべく追求した形となる。ジオメトリーは紹介したC3と同様だ。ヘッドアングル、BB下がり、長めのチェーンステイと、ロングライドを強く意識したものとなる。フォークはプロジェクト カリフォルニアで製作しているRcaのカーボンフォークと同様のスペックを誇り、その製造方法は門外不出で独自のカーボンレイアップ技術が用いられている。C3フォークよりも約70g軽い、およそ350gという重量にも関わらず横剛性は同等レベルだが縦方向への柔軟性に優れているという。
フレームに用いられるカーボンは従来のシリーズなどで用いられるものよりも高弾性のカーボンを採用した。これは使用用途を考慮したときに最適と判断したためだ。C5に関しては今考えられるすべてを投入したという。ライディングの感覚としては両モデルの違いは大きいというがフレーム単体としては剛性を意識して設計を施した。簡単にいうと万人向けを目指したライディングフィールだという。フレーム単体では850gという軽さだ。
C5◆フレーム:サーヴェロ・C5◆フォーク:サーヴェロ・オールカーボン テーパードC5ディスク◆試乗車のコンポーネント:シマノ・デュラエース◆ホイール:HED・アルデニス プラスLTディスク◆タイヤ:コンチネンタル グランプリ700×28C◆ハンドル:FSA・Kフォース コンパクト◆ステム:FSA/OS-99CSI◆サドル:フィジーク・アンタレスVS◆重量:850g(フレーム、サイズ56)◆サイズ:48、51、54、56◆価格:1,100,000円(シマノ・デュラエース完成車)、1,400,000円(シマノ・デュラエースDi2完成車)、680,000円(フレームセット)
カーボンフォークはサーヴェロの特殊製作機関のプロジェクト カリフォルニアで製作され、Rシリーズの最高峰Rcaのカーボンフォークの製作方法を踏襲した。
ニューモデルのC3とは異なるフォークだ。標準装備で25mm幅のワイドリム、700×28Cのタイヤがアッセンブルされる。最大32Cまで対応できる。
オリジナルのリアフェンダーを装着するためのパーツ小物が見える。
左右非対称のリアトライアングル。左チェーンステイは大きく湾曲する。
ディスクブレーキ台座を配置した関係でリアトライアングルは左右非対称のデザインとなる。
フォークを貫くブレーキホース。
フォークブレード内側からケーブルが出ている。排出口の処理がなまなましい。
フロントリアともにスルーアクスルを採用している。
リアエンドにはダボが配置されていて、リアフェンダーを装着できる拡張性がある。
シートポストはΦ27.2mm径を採用。シートバンドはかなりシンプルな作り。
IMPRESSION
非常に優れた反応、かつコンフォート◆山本健一
ミドルクラスのC3の次にライドしたC5だが、比べるとまったく異なるライディングフィールであることがわかる。ホイールの影響もありそうだが、レスポンスの良さはC5のほうがさらに鋭く感じる。BBハイトが低いために安定感が強く、ペダリングも踏み込んだペダリングもしやすい。ハイケイデンスも良好で、向かい風のときなど一定以上のトルクが必要な場面ではスムーズにペダルが回る。SシリーズやPシリーズなどのバイクに乗った後では、その快適性の高さをまっさきに感じるだろう。とはいえフレームからは弱さ、か弱さを感じさせない。高弾性のカーボンチューブが、細身のチューブながらもしっかりと剛性を発揮してくれる。C3同様に悪路でこそこのバイクの真価が発揮されそうだ。スタビリティの高さ故、悪路でのスピードのロスが少ない気がする。より軽快で高い運動性能までも備えたエンデュランスバイク。サーヴェロ社の今をすべて投入したというスペックは嘘ではないだろう。ただハンドリングだけは慣れが必要だろう。それを克服すれば最高の相棒になることは間違いない。
(写真/編集部)
サーヴェロのお問い合わせ先 東商会 TEL.048-250-5213
http://www.eastwood.co.jp/
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。