2019年07月16日
【CANNONDALE】2020年モデル CAAD13 インプレッション
大抵のカーボンフレームよりも速く走れる……。そんなフレコミでリリースされた最新アルミフレーム、CAAD13。早速CAAD13 Disc Force eTAP AXS(¥590,000+税)のインプレッションをお届けしよう。
IMPRESSION—
さらに軽く、さらにエアロ、その上、乗り心地を追及したという刷新されたフォルム。
気になるフレーム重量は1158g。CAAD12と比較するとプラス60gとなる。しかし空気抵抗は30%も軽減し、快適性も向上。わずかな増量など、もはや気にするべき点ではないだろう。シートポストをはじめとした付属品の軽さで十分に相殺できる。
そのフォルムは最新のスーパーシックスEVOと見間違えるほど似ている。現場では目に馴染むまで溶接部分のフィレットをみて“ああ、CAAD13だな”と確認をしていたくらいだ。そのフォルムからライド前は軽快な走りを想像してしまう。
タイヤは28Cで、かつ空気圧は7気圧。キャノンデールらしいエアボリュームのセッティングで試乗を行なった。
ワイドタイヤに比較的ハイボリューム・ハイプレッシャーというこのセッティングが、やはり感触が良いそうだ。一般的に考えるとたしかに軽い走りにはなるが、硬さが上乗せされて、挙動がせわしなくなりやすいだろう。
ただこのホイールの仕様とCAAD13に関してはもちろん相性抜群でトータルバランスとして考えても乗り心地が良い。ライダーの体重70kgを考慮するとベストに近いセッティングだったかもしれない。その確信はダウンヒルで確固たるものとなった。
乗車して、最初のひと踏みめから踏力を阻害しないスムースな加速性能。登坂でも軽量フレームながらコシがある。並みいるカーボンフレームを駆逐するライドフィーリングを楽しめるだろう。
特筆は下りの安定性だ。30mm幅のワイドタイヤを許容するロードクリアランスが実現した28Cタイヤの恩恵もあり、高速ダウンヒルがこの上なく心地よい。安心して身をまかせることができ、余裕を持って次のアクションへ繋げられる。下りでのコーナーの処理がスムーズにこなせるのは、リニューアルしたフロントフォークのおかげ。心地よい走りを提供してくれる。
振動吸収性=快適性という意味でも、たしかにカーボンフレームの自転車と大差を感じないレベルであった。この感触を強く感じさせたのはやはり下りでのコーナリングや、路面が悪い下りだった。平地をまったり走るよりも、下りで攻めているほうが、高性能さを感じとれる瞬間があるだろう。
空力の良さ、それこそがこのバイク設計最大の魅力だ。
ホワイトペーパーにある空力をテストした時速48kmといった速度を何秒キープできるのか。実際に平地でそのスピードを保とうとしてもなかなか難しいはずだ。だが普段の走行スピードであっても、この恩恵を感じられる場面は多いにある。風の抜けの良いバイクは、どんなスピードで走っていても総じて気分がよいのは確か。この乗り手をその気にさせるという点は最大の付加価値ともいえるのではないか。
Detail – CAAD13 Disc Force eTAP AXS
大幅なデザイン変更を印象づけるドロップステー。フロントフォークと肩の高さと同じになることで、空気抵抗を大幅に削減している
内蔵シートクランプ。内蔵することで快適性がとてつもなく向上するという。この部分だけ鍛造整形をしており、強度を確保。切削加工をしてシートクランプを内蔵する。シートクランプは内蔵式となる。鍛造削りで非常に手の込んだ作り。20gほど重くなるが快適性は高まる
ヘッドチューブは上下異径で上側はOS(1-1/8インチ)下側は1-1/4インチ、と大口径サイズとなる
タイヤサイズは28Cを採用。キャノンデールは接地面を広く取るワイドタイヤを推奨。
ホログラム 45KNOTカーボン。スーパーシックスに採用されているホログラムSL45KNOT(ワイドリム)を用いてないので同じ接地面を狙うために28Cを採用している
ホログラム SAVEカーボンハンドルバー。400mm、420mmから選べる
話題となったガーミンと共作のホイールセンサーも標準装備
マルチポジションボトル。シングルボトルの時とダブルボトルの時に、ボトルの設置場所を空力面において、最適な場所に設置することができる。シートチューブの裏側にもフェンダーマウントを搭載している。海外での評価が高いという。
スイッチプレート。コンポーネントを変えても対応できる。Di2の場合は、ここにジャンクションが設置できる。
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。