2016年04月09日
3モデル インプレッション Vol.14/TIME編 プロローグ
3モデル インプレッション VOL.14 / TIME
◆3モデル インプレッションの定義◆
エアロロード、ノーマル、エン デュランスロードと3つのカテゴリーを有するブランドをセレクトし、この3カテゴリーの代表モデルを各1台、合計3台インプレッションするというもの。ブランドのイメージ、それぞれのカテゴリーに特化したバイクの評価、3モデルを総合した印象と比較など3人のライダーが多角的にレポートします。
第14回はフランスのタイム。1987年にビンディングペダルを製作する企業として設立。のちにフレーム製作を開始し、優れたカーボン技術によって自転車フレームの製造に適したRTM工法を用いている。実にこだわりのあるメーカーで多くのサイクリストから支持を集めるブランドだ。2015年にラインナップのフルモデルチェンジを発表。スカイロン、アイゾン、フルイディティーの3モデルを発表した。さらにライダーに伝わるすべての振動を軽減するアクティブ・フォーク・テクノロジーを発表。アクティブ・フォーク搭載モデルを加えると全6種の構成となる。今回はこのアクティブ・フォークを搭載したスカイロン(エアロロード)、アイゾン(スタンダード)、フルイディティー(エンデュランス)の3機種のテストライドを行なった。
アイゾン アクティブ■アイゾンのパフォーマンスを3つ挙げるとしたら、反応性、多用途型、機敏性となる。山岳、長いつづら折りのダウンヒル、クリテリウムでのコーナーからのアタックなど、あらゆる場面でも優れたパフォーマンスを発揮する理想的なバイクだ。■フレーム:カーボン■フォーク:IZON用AKTIVフォーク、CMTフロントドロップアウト■試乗車のコンポーネント:カンパニョーロ・レコード EPS■ホイール:カンパニョーロ・ボーラウルトラ35■完成車実測重量:6.7kg(ペダルなし)■カラー:グラファイト×グロス、ブラン×グロス、 ルージュ×グロス■サイズ:XXS、XXS、XS、S、M、L、XL■価格(税抜):540,000円(フレームセット、付属品:タイムクイックヘッド セット、専用シートポスト、ボトルケージ2個)、600,000円(フレームセット、オプションカラー 付属品:タイムクイックヘッドセット、専用シート ポスト、ボトルケージ2個)
スカイロン アクティブ■コンセプトは爆発力、パワー、精度。タイム社のもっている優れたカーボン縫製技術によって具現化したエアロロードフレーム。爆発的な加速、リズミカルなペダリングを可能にし風に抗う。■フレーム:カーボン■フォーク:SKYLON用AKTIVフォーク、CMTフロントドロップアウト■試乗車のコンポーネント:カンパニョーロ・レコード EPS■ホイール:カンパニョーロ・ボーラウルトラ35■完成車実測重量: 7.8kg(ペダルなし)■カラー:グラファイト×グロス、チーム×グロス、ブラン×グロス、ルージュ×グロス■サイズ:XXS、XS、S、M、L、 XL■価格(税抜):600,000円(フレームセット、付属品:タイムクイックヘッドセット、専用シートポスト、ボトルケージ2個)、680,000円 (フレームセット、オプションカラー 付属品:タイムクイックヘッドセット、専用シートポスト、ボトルケージ2個)
フルイディティー アクティブ■コンセプトはロングディスタンス、フルード ライド(流れるようなライド)、パフォーマンス。長距離になればなるほどそのパフォーマンスが発揮される。アップライトなジオメトリーと、優れた振動吸収性がライダーの負担を軽減する。■フレーム:カーボン■フォーク:FLUIDITY用AKTIVフォーク■試乗車のコンポーネント:カンパニョーロ・レコード■ホイール:カンパニョーロ・ボーラウルトラ35■完成車実測重量:6.5kg(ペダルなし)■カラー:ルージュ×グロス、ブラン×グロス、グラファイト×グロス■サイ ズ:XXXS、XXS、XS、S、M、L、XL■価格(税抜):490,000円(フレームセット、付属品:タイムクイックヘッドセット、専用シートポス ト、ボトルケージ2個)、550,000円(フレームセット、オプションカラー 付属品:タイムクイックヘッドセット、専用シートポスト、ボトルケージ2個)
タイムのイメージは……
山本:タイムといえばルックと並ぶフランスメーカーの中でもユニークなブランド。この2つの巨塔のアプローチは全然違うけど、こだわりが強いブランドですよね。
小高:ルックはメディアにユーザーが多いけど、タイムは一般の人に多くて、ブログの登場回数が多いイメージですね。しかもレースをガンガンやっている人のほうが多い。レーサー志向の人に多い。
山本:プロのレースから姿を消して久しいけど、多くのサイクリストに支持されていますね。
菊地:タイムは近すぎてね。自分の家みたいなものだから。
山本:自分の家の印象聞かれても困りますよね。
小高:俺んちだし、みたいな(笑)。
菊地:VXシリーズから始まっているモデルにはひとつもかかさず乗っているけど、特別思い入れているつもりではない。でも、キツいライドを行なう日にはいつも乗っているらしくて、知り合いには「いつもこういうときには乗ってくるね」って言われる。そういう意味では信頼しているんだろうね。とはいえ、あまり肩入れしないようにしている。
山本:しかしタイムはいつも気になるモデルを出してくる。今回ようやくアクティブ・フォークにありつけて、しかも3モデルともという贅沢なテストになりましたね。しかしやることがすごい。
菊地:昨年、ラインナップを一気に替えてきたからね。車種構成がほとんどないブランドが、100%、モデルチェンジするなんてほとんど考えられないよね。
山本:スタッフ全員が入れ替わってしまったのではないか!? なんて心配しちゃうっていう。
菊地:そういう極端なことをするのもタイムらしさ。やることが大胆だよね。他のメーカーはまずやらない。
小高:ユーザーベースとしては面白いですよね。スカイロンが出たときには前作に少し似ていると感じましたし、以前のモデルのほうが特徴的でした。でもアクティブ・フォークがリリースされたことでちょっと変化を感じましたね。
山本:フレンチメーカーはこれだから隅におけない。大胆なことをして好奇心を刺激してくれるけど、せっかくだからノーマルフォークとセットにして販売するくらいの勢いがあっても面白い。
(写真/和田やずか)
タイムのお問い合わせ ポディウム http://www.podium.co.jp/contact/
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。