2016年03月10日
3モデル インプレッション VOL.11/LOOK編 総論
3モデル インプレッション VOL.11 LOOK 総論
小高:本当は乗るのが恐れ多かったですね。
山本/菊地:なぜ?
小高:雑誌の頃に僕が編集部に入った時の編集長が乗っていたブランドなので。
菊地:そういうのあるんだ。
山本:意外だなあ。もっともっと乗ってあげてください(笑)。さておき、同じ795ながらも違いがわかりやすかった。よそのブランドでグレード違いでもわかりにくいモデルがあるのに。
小高:方向性の違いも感じましたね。フラッグシップモデルのコンセプトがアメリカンブランドとは違っていて、すごく乗りやすくどっしりした感じがしました。自分の795がそんな感じで、他とは違うなーって思うんですけど。
山本:フレンチブランドの中でもアバンギャルドだからね。そういう意味でもいろいろと”持っている”ブランド。今季はバイクでもメジャー勝利を獲ってほしい!
小高:795ライトのほうがレースには向いていそうな感じはしますね。
菊地:ルックってブランド総論で評価してみると、どう?
小高:795シリーズと765では全然違った種類のバイクでしたね。そういう意味ではいろいろと手を尽くせるブランドかも。
山本:ブランドとしてルックというだけですでに認めてしまうような、有無も言わさないような格式がありますよね。
菊地:でもね、ちょっと枯れてきたというか落ち着きがでた感じがイイなって改めて思った。695のときのほうがイケイケだった気がする。795になって値段も上ってクラスメントが変わってしまった。ユーザー側からしてみたら、高くて買えないと思う人も少なくない。だから、売り上げのピークは過ぎただろうけど、エンスー的には今のほうが良い。
山本:そういう意味での落ち着きですね。買うにはなにかを諦めないといけない値段になりましたからね……。
菊地:実力があって、それをみんなも認めている。でも、ちょっと買えなくなったこのタイミングがいい。流行モノって、それに乗っていうかっこ悪さもあるでしょ。
山本:出たときはギョッとしましたけど795は目がようやく慣れてきて、ウワッて思わなくなりましたね。そういう意味で見れば見るほど味わい深すぎるバイクです。
菊地:笑
山本:でもこれに乗るならぜったいモンドリアンカラーにしたかったなあ。5万円のアップチャージもこれなら許せる。まあ年齢的な許容もあるけど、795に乗るなら全部乗せにしたい。機材として乗るバイクなら1年で換えるけど、何年も乗ってもいいかなあ。
菊地:機材感が抜けてきたよね。それがさっき言ったような落ち着いた魅力だと思う。あとシルエットでルックってわかるよね。このデザインを後追いするブランドが出てきているけど、人がコピーするようになって一流ブランドだなあと。レースでアタックしても無視されるのか、行ったらヤバいんじゃないの? って思われるかっていうのと同じで、後追いされるという意味でルックはすごく力をつけたなあって。
山本:走りに関しても改めてやっぱり良いなあって。でも整備性が厳しいので、ぶっちゃけて言うとメカニックの手腕も問われる。ひょっとしたら買った場所で乗り味が変わるかもしれない。アッセンブルするコンポーネントでも個体差が出てしまう可能性がある。やっぱり難しいバイクだけに、メンテとアッセンブルはしっかりやりたい。
菊地:これはランボルギーニだよね。ちゃんとメンテナンスしていればすごくいいのだろうけど、この構造だとブレーキとかすぐに効かなくなるだろうし。ユーザーの手入れ次第で経年的にも個体差を生み出しそうだよね。だからちゃんと整備されている795は憧れの的になるだろうな。
山本:僕の795はもうレースで落車もしているし、2回倒してしまっているし。……ドーンとこいって感じですね。でも幸せですね。こんな機材でレースに出られるなんて。
菊地:いまさら795を追いかけるのは悔しいから乗らないけど、次世代モデルは乗ることに決めているよ。走りの全体のレベルはすごいよね。
山本:何に乗るかっていう、モノ選びは大事。思い入れがあって乗るバイク、機材として使うバイクと大きく分かれると思うけど、どちらも使命があるから良いとも悪いともないね。そういう意味だと個人的にルックは前者に入るけど、機材としても(大いに)優れている点がある。そういうブランドは多くはないですね。
(写真:和田やずか)
ルックのお問い合わせ先:ユーロスポーツインテグレーション TEL.03-3329-1065
http://www.eurosports.co.jp/
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。