2016年02月28日
3モデル インプレッション Vol.11/LOOK編 プロローグ
3モデル インプレッション VOL.11 LOOK
◆3モデル インプレッションの定義◆
エアロロード、ノーマル、エンデュランスロードと3つのカテゴリーを有するブランドをセレクトし、この3カテゴリーの代表モデルを各1台、合計3台インプレッションするというもの。ブランドのイメージ、それぞれのカテゴリーに特化したバイクの評価、3モデルを総合した印象と比較など3人のライダーが多角的にレポートします。
第10弾はフランスのルック。2年目を迎えた795エアロライト、795ライトに加え、完成車のラインナップもある765が登場。プレミアムなブランドでありながらもプロユースからの要求にも応えることができる、生粋のレーシングバイク作りが、サイクリストの心を鷲掴みにしている。編集スタッフ2名も現ルックユーザーであるので、評価は偏る? いえいえ、しっかりとテストライドをしてますよ!
795エアロライト(エアロロードモデル)/レーシングカーデザイナーの協力を得て、フランス・マニ・クールサーキット内の風洞実験室で繰り返しテストを行い、10年の歳月を掛けて生み出された究極のエアロロード。価格:749,800円(フレームセット、付属品;HSC8エアロフォーク、フロント/エアロブレーキシステム、リア/シマノDA9010ダイレクトマウントブレーキ、ヘッドフィット3ヘッドパーツ、エアロステム、ZED3クランクセット、BB65カートリッジシールドベアリング、Di2内蔵バッテリー対応E-POST2、税抜)
795ライト(スタンダードモデル)/ホイールを頻繁に交換するシリアスレーサーのために、スタンダードなブレーキシステムを採用したモデル。流行のワイドリム(25mmまで)やワイドタイヤ(25Cまで)装着可能で、あらゆるコンディションに対してスピーディーに対応することができる。価格:649,800円(フレームセット、付属品:HSC8フォーク+ヘッドフィット3ヘッドパーツ、エアロステム、ZED3クランクセット、BB65カートリッジシールドベアリング、Di2内蔵バッテリー対応E-POST2、税抜)
765(エンデュランスモデル)/外装に用いるカーボンを1.5KからUD に変更することによりコストダウンを実現。衝撃吸収性に富み、軽快なライディングフィールはそのままに、よりリーズナブルに。特長となるLOOK社が提唱するX-チェーンステーとシートステーは、抜群の衝撃吸収性と高い横剛性を誇る。価格:380,000円(シマノ・アルテグラ完成車、カラー:プロチーム、税抜)、330,000円(シマノ・アルテグラMIX完成車、カラー:ライム、税抜)、220,000円(フレームセット、税抜)
LOOKのイメージは……
山本:ルックはまあ……、近すぎて良くわからない(笑)。
小高:メディア業界に好きな人が多いってイメージ。なんでこんなに多いんだろうって(笑)
菊地:この3人はルックに乗っていることが一度はあったよね。まあ、実力はあるブランドだと思う。
山本:ブランドの始まりだったペダルもそうですけど、独自路線ですよね。マイノリティからマジョリティになった。
菊地:そういう意味だと治外法権だよね。やわらかいフレームでぶにぶにさせてみたり、高剛性フレームを出してみたり首尾一貫ではなく変幻自在な感じはする。
山本:個人的な感想だとやわらかいフレームのときにプロ選手が多く勝っているイメージはある。
菊地:でもさ、そこってプロモーションの問題もあるじゃん?
山本:若かりし頃の古き良きイメージとして残っているんですよ!
小高:昔から3ケタの数字でモデル名を示していたんですか?
菊地:黎明期は2ケタだったね。
山本:KGっていう合番も付いたこともありましたね。KG96とか。
菊地:で、KG94が出て。……今だと675世代ということになるよね。
山本:確固たる地位は築き上げているけど、今の評価と20年前の評価はちょっと変わってきていると思いますね。
菊地:評価の波もあるよね。ジャラベールが乗っていたころは地に落ちた評価だった。レース成績は良かったけど。80年代のイノーの頃は高級品だった。アルミ絶頂期はカーボンを使った冴えないブランドって感じだったけど、今は超高級ブランドだよね。
山本:レーシングブランドながらも高級品ですよね。
菊地:アスリートっぽい人も乗っているけど、ホビーレーサーにも愛されているし、あとはモデルチェンジを頻繁に行なわないので、買いやすさはあるよね。
小高:ペダルとフレームはどっちに力を入れているんでしょう?
山本:元々スキーのビンディング出身だったからねえ。
菊地:今はスキーとは別会社だよね。自転車部門はルック・サイクルだから全然別に考えたほうがいいかな。
小高:ペダルにフレームと手がけていて、製品は自社工場で制作しているっていう話もあって、やっぱり力のある大きなメーカーだなって感じますね。
菊地:自社工場を持っているブランドって実は少ないので、面白いブランドだよね。チュニジアの工場でちゃんと作っているし。クランクやステムは個性的で、限界性能から個性に変わってきているのかな、って全般論として勝手な解釈では思う。ルックらしさみたいなものが重要なところまで、標準性能のレベルが高くなったよね。795に乗っていてどう?
小高:あまり他のパーツに変えられないので……。まだ色々なブランドのバイクに乗ってみたい気持ちもありますね(笑)。
山本:まあ若輩者なのですが595世代から795まで初期ロットから乗らせていただいていて、その……、不具合が愛らしいんですよね(初期だから?)。それでもぐうの音も出ないような致命的な欠陥ではないし、愛車をメンテする努力でなんとかすることができるので……なんかこう、歪んだ愛情みたいな? とはいうものの運動性能が補い余るカバーになっているからだと言えますね。
菊地:独自の機構はまるでシトロエンだよ……。
山本:ブランド色で遊び尽くすなら、チューンドやカスタムなんて御法度なんですが、そこは運動性能にこだわってですね、いかにチューンする楽しみを見いだすかというところに注力をしてきましたね。
菊地:それも楽しみ方の1つだよね。….さて、ルックがテーマだと脱線しまくって〆を迎えられないので、この辺で。
(写真:和田やずか)
ルックのお問い合わせ先:ユーロスポーツインテグレーション TEL.03-3329-1065
http://www.eurosports.co.jp/
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。