2019年10月01日
ホビーレーサー必読!「ロードレースのAtoZ」その3 レースまでに何をすべきか?
イベントやレースに出ようと思ったきっかけはなんですか?
“力試しをしたい” “イベントの雰囲気が好き”など人によっていろいろな理由があると思いますが、出るとなったら準備万端で当日を迎えたいですね。
参加理由に関係なく平等に時間は用意されています。なにを行うか、準備するかでイベントやレースでの満足度が変わってくるはずです。
用意するモノ 実行するコト
・スケジュールの確認
・適切な機材
・トレーニングの原理原則を知る
・トレーニングをする時間
・エントリーの再確認
・スケジュールの確認
エントリー期間は大会によって様々です。およそ半年から2週間くらい前までと幅広く、人気大会は“エントリー峠”といわれ、参加するための一つの関門という意味で使われています。そういった大会は参加人数にかかわらず1日足らずで定員を迎えてしまいます。
まずは出たい大会をピックアップして、エントリー開始期間を把握しておきましょう。スマホアプリのカレンダーなどを駆使すれば、リマインド機能なども付いていますので、うっかりエントリー忘れなどを予防できます。
大きなスケジュールを決めたら、次は予行練習的なイベントにも目を向けて、ターゲットにしているレースのための準備に向いているかどうか、などで参加するかどうか判断できるはずです。
まるでレースに絞っているような話ですが、ロングライドイベントなどでも参加回数を重ねることで経験値を積み重ねることができます。そこで失敗をしたら、修正をして次に臨みます。
PDCAサイクルと考え方としてはまったく同様だと思います。
年間のスケジュールも決めてしまうと、週末の使い方を考えるようになります。3ヶ月なら週末は およそ12回。…ということは、まる1日フルに走れてもビッグライドは週1で12回しかできないな、など、考えを巡らせることができます。
・適切な機材
イベントであっても普段使っている機材で走ることが理想です。それはフィーリングが変化してしまい、普段できている動きやライディングができなくなってしまう場合があります。
しかし決戦用と呼ぶ高級ホイールだったり、レース用タイヤを日常的に使える環境にある人は限られています。少なくとも1週間前には大会当日と同じ機材で走り、感覚を取り戻しておきましょう。
前日に機材をいじらない。調子が悪いなら仕方がないですが、もっと性能を高めようと大きなエフェクトを狙っていくと失敗をしてしまうことがあります。
また直前になって飛び道具を購入したくなる気持ちは実によくわかります。しかし大きなリターンを求めるとリスクを伴います。
これもせっかく使うなら事前にじっくりと試す時間があってこそ、効果を最大限に発揮することができます。
・トレーニングを知る
トレーニングは自転車を漕ぐ=運動だけではありません。専門的な内容はここでは割愛しますが、大切なことは3つあります。
1.運動
2.食事
3.休息
1.運動
パフォーマンスを上げるために最も重要なことです。いわゆるトレーニング。その原理・原則は……
身体には負荷がかかると、損傷=疲労しますが、休んで栄養を補給することで修復され負荷に耐えるために強化されます。その繰り返しです(過負荷)。またトレーニングは獲得をしたい能力に応じた適切なトレーニングが必要(特異性)。トレーニングをしていないと効果は消失してしまいます(可逆性)。
過負荷の原理
特異性の原理
可逆性の原理
意識性の原則=トレーニングの目的を正しく理解する
個別性の原則=同じ内容のトレーニングでも人によって効果が異なる
全面性の原則=偏りなくバランスよく行う
反復性の原則=実施、継続を計画的に行う必要がある
斬新性の原則=段階的に運動強度・技術内容を増加させる必要がある
あらゆるスポーツや運動に当てはまりますが、目的をはっきりしないと漫然としてしまうのが自転車。根本的に乗るだけでも楽しいから! しかし記録や成績にフォーカスすると、より世界も広がります。
2.食事
しっかりと栄養をとらないと、トレーニングによって疲労した身体を修復する素材が足りなくなってしまいます。
ここでは摂取するカロリーや栄養素などエビデンスが日々目まぐるしく変わる傾向にあるので割愛しますが、偏りなくバランスよく食事をとるということは、大原則であると考えています。
ダイエットについても適切な運動を定期的に行っていれば、1日に必要な食事量を無理に減らさずに体重を落とすことができるでしょう。
サイクリストは特段、運動時間が長いので食事がとても美味しく摂れますね!
3.休息
トレーニング量に応じて休息時間が必要です。
軽度な運動なら毎日行うことができますが、高負荷の運動を長時間行なった場合は、回復まで数日かかる場合もあります。
筋肉痛やなんともいえない筋のだるさ、むくみなど、体の変化でなんとなく疲労していることを感じ取れると思いますが、起床時などに心拍数を記録しておくと、疲労を数字で把握することができます。疲れていると平常時よりも心拍数は高くなるので、指標となるでしょう。またGARMINの活動量計やサイクルコンピュータでもリカバリーまでの目安を算出することができますので便利です。
よくわからないメカニズムの疲労が抜けてこそ超回復が行われた証拠。トレーニングを再開しましょう。これこそが反復性です。
このようにトレーニングは地道にコツコツと行なっていくもの。これこそがソリューションというわけです。
地味なトレーニングを楽しめるよう、バーチャルトレーニングやTATTAといったトレーニングアプリなどもありますので、活用して楽しみながら走りましょう。
©︎ELITE
・トレーニングをする時間を作ろう
自転車競技は乗っただけ効果がある、と有識者にいわしめるほどのエンデュランススポーツです。トレーニング期は月間3000kmから4000km乗り込むプロサイクリストは圧倒的なトレーニング量です。これも斬新性や反復性の原則に基づいると思われますが、トップレベルのパフォーマンスを維持するためには必要なのでしょう。
ホビーレーサーといえども、ある程度まとまったトレーニング時間を設けることでパフォーマンスアップが可能です。そしてパフォーマンスが高まるほど前述のように、トレーニング時間が長くなっていきます。
QOLのバランスを加味してトレーニング時間を決定することが大切です。もといライドすることでQOLが維持・向上するという意見もありますが時間は有限ですので、内外の相対効果を加味した上で、決めていきましょう。
・エントリーの再確認
本大会のエントリーがされているか、チェックを忘れずに。トレーニングすることがメインテーマと差し代わってしまいエントリーを忘れた……というケースは幾度なく耳にします。目的を忘れずに日々過ごしましょう。
また、いろいろなタスクが重複すると、“アレ? 申し込みは済ませたかな…..”と心配になることもあります。メールで確認できる場合は、専用のメールボックスを作成しておくと見つけやすいでしょう。
また大会直前に送られてくる参加案内証は最新の情報にアップデートしていることもありますので、必ず目を通すようにしましょう。
次回は、今回のテーマでも触れたトレーニングにフォーカスしてみたいと思います。
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。