記事ARTICLE

2020年06月30日

【ニューノーマルで変わる自転車活用法】

新型コロナウイルスの影響で、濃厚接触を避けるなどの理由から自転車の活用が推進されています。また適度な有酸素運動で、体力アップも見込めるなども理由として挙げられていますね。
国策として、企業や自転車通勤をしている皆さんにむけて、いろいろな発信提案がありそうです。
“コロナ前の状態には戻らない”と言われていますが、自転車においては大きな変化がありそうです。

「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」において、感染の拡大を防止するため、政府及び地方公共団体は、自転車通勤を含め人との接触を低減する取組を自ら進めるとともに、事業者に対して必要な支援等を行う。(国土交通省ホームページより抜粋)

なんと、「新しい生活様式(ニューノーマル)」において自転車が感染拡大防止に役に立つとは、ゆめゆめ思いませんでした。
手始めに東京23区内等においては「自転車専用通行帯等の整備推進」を今年度約17km整備します。さらにこれに追加して、今秋までに東京23区内を対象として自転車通行空間の整備計画を策定し、概ね3年で整備する予定としています。
「東京23区内等における自転車専用通行帯等の整備推進」と銘打って、このような施策を講じるとのこと、嬉し涙が止まりません。

国土交通省では全国でも同様の整備計画を策定し、整備を推進するとしています。整備が進めばサイクリストは注目を集める存在になるということ。率先してお手本になるようにしっかりとルールとマナーを守って走りたいですね。

「自転車安全利用五則」を守りましょう!

  • 自転車は、車道が原則、歩道は例外
    道路交通法上、自転車は軽車両と位置付けられています。歩道と車道の区別のあるところは車道通行が原則です。
  • 車道は左側を通行
    自転車は、道路の左端に寄って通行しなければなりません。
  • 歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
    歩道では、すぐに停止できる速度で、歩行者の通行を妨げる場合は一時停止しなければなりません。
  • 安全ルールを守る
    飲酒運転は禁止・二人乗りは禁止・並走は禁止・夜間はライトを点灯・信号を守る・交差点での一時停止と安全確認。
  • 子どもはヘルメットを着用
    児童・幼児の保護責任者は、児童・幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるようにしましょう。

自転車は軽車両です。万が一の事故に備えて自転車損害賠償責任保険等に加入しましょう!
自転車損害賠償責任保険等について(自転車活用推進官民連携協議会WEBサイト) (国土交通省ホームページより抜粋)

『自転車通勤推進企業』宣言プロジェクト

こんなプロジェクトも立ち上がっているんですね。
事業者においては、本年4月から新たに自転車通勤を推進する企業・団体向けに、自転車活用推進本部長(国土交通大臣)による認定制度を創設。『自転車通勤推進企業』宣言プロジェクト」募集中です。
「自転車通勤推進企業」宣言プロジェクト(自転車活用推進官民連携協議会WEBサイト) (国土交通省ホームページより抜粋)

自転車通勤制度導入の検討をする際や、すでにある自転車通勤制度の見直しを行う際の参考として「自転車通勤導入に関する手引き」も。
自転車通勤導入に関する手引き(令和元年5月公表)

道路交通法一部改正。自転車の危険運転にも追加項目が

歩行者なの? 車両なの?? 免許がなくても乗れてしまうけど自転車は軽車両です。
自転車の交通事故は年間13万件以上発生しています。
対歩行者事故は10年前に比べて1.3倍に増加。
さらに、自転車運転者の5分の3以上に法令違反が認められるといいます。これには自転車運転者に、体系的な交通安全教育等の機会がないことが理由とされています。
(警視庁:道路交通法の一部を改正する法律(平成25年法律第43号)より)。
「たしかに小学校で受けた安全教室以来、まともな自転車に関する交通安全指導のようなものが受動的であっても体験する機会はありませんでした(40代男性)」。という意見も納得の現状です。
現在はコロナ禍によって自転車利用が急増していますから、ここでしっかりとした法整備を行なっておくのは是とします。
普通自動車免許を持っていれば、法規に関する知識はあってしかるべきですし、自転車の交通ルールに関しても知っていて当然ではあります。しかし無免許の未成年や、自動車免許を持っていない人は、道路交通法の知識を自分で獲得しなければならないというのもリアルな現状。「自転車にも免許制度の導入を」という声も聞きます。それほど飛躍した意見でもない気もしていますが、皆さんはいかがお考えでしょうか?

さて、2020年6月30日から道路交通法が一部改正され、おもに妨害運転に対する罰則の創設がありました。これは自動車だけでなく、自転車の危険行為とされる項目に追加適用されます 。内容は妨害運転(交通の危険のおそれ、著しい交通の危険)【道交法第117条の2の2第11号、第117条の2第6号】
まず、自転車の危険行為とされる14項目を振り返りましょう。

●信号無視【道交法第7条】
●通行禁止違反【道交法第8条第1項】
●歩行者用道路における車両の義務違反(徐行違反)【道交法第9条】
●通行区分違反【道交法第17条第1項、第4項又は第6項】
●路側帯通行時の歩行者の通行妨害【道交法第17条の2第2項】
●遮断踏切立入り【道交法第33条第2項】
●交差点安全進行義務違反等【道交法第36条】
●交差点優先車妨害等【道交法第37条】
●環状交差点安全進行義務違反等【道交法第37条の2】
●指定場所一時不停止等【道交法第43条】
●歩道通行時の通行方法違反【道交法第63条の4第2項】
●制動装置(ブレーキ)不良自転車運転【道交法63条の9第1項】
●酒酔い運転【道交法第65条第1項】
●安全運転義務違反【道交法第70条】
▷2020年6月30日追加
妨害運転(交通の危険のおそれ、著しい交通の危険)【道交法第117条の2の2第11号、第117条の2第6号】

改定により妨害運転(交通の危険のおそれ、著しい交通の危険)【道交法第117条の2の2第11号、第117条の2第6号】が追加され、15項目となります。

自転車で想定される妨害運転は以下の通りで……
「逆走して進路をふさぐ」「幅寄せ」「進路変更」「不必要な急ブレーキ」「ベルを執拗に鳴らす」「車間距離の不保持」「追い越し違反」の7つの項目が想定されています。

以上15項目は、14歳以上の場合、3年間に2回の摘発で安全講習(3時間/6000円。平成27年6月1日から制度開始)を受ける義務があり、受講しないと5万円以下の罰金が定められています。

先に述べている「自転車安全利用五則」が重要です。もう一度確認しておきましょう。
自転車は、車道が原則、歩道は例外
・車道は左側を通行
歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
安全ルールを守る(飲酒運転止、二人乗り、並走の禁止・夜間ライト点灯、信号を守る・交差点での一時停止と安全確認)。
子どもはヘルメットを着用
このルールをしっかりと守ることはもちろん、周囲の皆さんにも伝えて、皆が安全に気持ちよくペダルを回したいですね。

関連URL:https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/kotsu/jikoboshi/bicycle/koshu.html

記事の文字サイズを変更する

記事をシェアする