2015年12月10日
JAPAN PRIDE ~メイドインジャパンの気になる逸品~ SHAKES HOOD(ブラケットフード)
日本メーカーが生み出す、注目アイテムを紹介していく、JAPAN PRIDE。第1回は今まで軽視されがちであったブラケットフードに着目し、SHAKES HOODを発売したアウタートップの小林代表にお話しを伺った。
――これまでブラケットフードに関してはあまり重要視しておらず、交換するのはフードの色を変えたい人ぐらいだろうと。なので、SHAKES HOODの発売は目から鱗でした。なぜブラケットフードを発売するに至ったのですか?
小林代表(以下小):私は別の会社で長年ゴルフクラブグリップの製品開発に携わってきました。おそらく日本でいちばんプロゴルファーからのグリップに関する要望を聞いてきたと思います。
私も30年来のサイクリストなので、ゴルフ業界で培った経験を自転車で生かしたいなと考えました。実業団レースなどで走っている仲間に聞くと、「ブラケットフードは一種類しかないから使っているけど、もうちょっと柔らかいものが使いたい」という要望がありました。
ロードバイクのなかで唯一手に触れるところだからこそ、もっと大事に考えていいと思い、開発に至りました。
――ゴルフグリップとブラケットフードは同じ素材だと思いますが、そのあたりも開発に踏み切った理由ですか?
小:そうですね。どちらもエラストマー(高密度樹脂)という素材を使っています。エラストマーの成型には「射出成型」という加工技術を使っていて、これは日本が誇るべき技術なんです。日本の工場が持つ、この技術を用いることで非常に精度の高い製品が作れます。
――SHAKES HOODの特徴を教えてください。
小:まず耐水性を考え、もともと耐水性に優れるエラストマ―の中でも性能の良い素材を選んでいます。あとフードの内側、親指がかかるところにシボと呼ばれる突起加工を施しています。このシボは撥水シボといって、汗などで手が滑りにくい加工です。トップレーサーのフィードバックから一番力のかかる場所を選んで施しています。
――ラインアップにはソフトタイプとハードタイプがありますが、どういう使用感の違いがありますか?
小:ソフトタイプ(硬度50度)は振動吸収性が高まり、乗り心地が快適になります。反対にハードタイプ(高度60度)は剛性が上がるので、シャッキリとしたハンドリングを実現できます。どちらが良いというものではなく、好みが分かれます。ビギナーさんにはソフトタイプがおすすめです。ちなみにですが、シマノのフードはちょうど中間ぐらいの硬度ですね。
さらに柔らかいタイプも現在開発中です。
――ブランド名のSHAKESの由来は何ですか?
小:自転車のメーカーやブランドって「S」からはじまる名前ところが成功しているイメージがありまして、自転車アイテムのブランドと作る際は「S」から始める名前にしようと決めていたんです(笑)。で、どんな名前にしようかと考えていて、ライダーと自転車が“握手”するハンドルまわりに注目していきたいということでSHAKESにしました。今後もバーテープなどのリリースを予定しています。
――最後にサイクリストの皆さんにメッセージをお願いします。
小:ブラケットフードは今まで軽視されていて、ほとんど交換するという人はいなかった。でも本当は1年に1度ぐらいは新しいものに変えた方が、快適に楽しく自転車に乗れます。これからのオーバーホールの時期にでもぜひSHAKESに変えていただき、ブラケットフードの重要性を体感してください!
SHAKES HOOD
※対応モデル SHIMANO ultegra ST-6800、105 ST-5800、tiagra ST-4700
価格:3,000円(税別)
カラー:BLUE、RED、YELLOW、WHITE、SHOCKING GREEN
重量:ペア40g(公差±2g)
タイプ:ハードタイプ(高度60度)、ソフトタイプ(硬度50度)
問:アウタートップ http://www.shakes.tokyo/
内側には滑り防止のシボが施される。
カラーバリエーション豊富でバイクとのコーディネートも楽しめる。現在は5色展開だが、来年には9色展開に増える予定。
現在開発中の製品情報も話してくれた小林代表。今までにない発想で、製品開発に取り組んでおり、今後が楽しみなブランドだ。
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。