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2023年03月29日

2023年4月より自転車乗車時はヘルメットが着用「努力」義務に。これからなにが変わっていくのか?

道交法改訂が2022年12月20日に閣議決定されました。自転車事故の急増を受けて、2023年4月より、年齢を問わず自転車乗車時においてはヘルメットをできるだけかぶりましょう、という着用努力義務が政令されます。

これは我々にとって良いことなんでしょう、か?

努力義務は、法律の条文において「~するよう努めなければならない」「~努めるものとする」などと規定される内容を指す言葉で、このような規定を努力義務規定といいます。

よって、自発的にヘルメットを被って身を守りましょうという行為・意識を高めることが狙いではあります。実際にヘルメットを被らないメリットよりも、被っているメリットの方が大きいというのは、とりわけ都市部を走行していると痛感しますよね。

調査結果では自転車事故に遭ってもっとも死亡率が高いのは頭部損傷が圧倒的な割合をしめています。

それでもヘルメットを被らない??

努力義務に法的拘束力はないため、ヘルメットを被っていなかったとしても刑事罰や過料等の法的制裁を受けません。しかし…

例えば、ある生命保険会社による見解をまとめると努力義務に反した結果、それを理由に損害賠償を請求されるヘルメット不着用を自転車側の過失として評価していく可能性も想定されるということです。一例として保険に加入していても、過失割合が変わってしまうなども想定されます。自転車=軽車両を運転する身としては、まずは自身の安全性を保つのも優先するべきではないでしょうか。

ある人は言いました。「ジテツウで無人駐輪場へ自転車を預けるような人はヘルメットを片手に会社へ向かうのか? 」実際、 ヘルメットを駐輪場でも預かってもらえるような準備が進んでいる空気はあまり感じられませんが、この辺りのズレも気にならないといっては嘘です。そういった社会の基礎概念(主に日本の)との隔たりも摘み取っていかないと、漠然とした違和感を拭い去ることはできないといえます。
とはいえ、安全基準を満たしたフォルタブルなヘルメットの開発が進むなどの順応はみられそうですが、現状はそういった感情面での要求に追いついていないといえます。

交通インフラがややこしい

論点が多少ずれていますが、交通インフラの整備によって事故が起こりにくい構造作りがもっとも重要であると考えます。緩やかながら歩車共存への改善に向けて行政も動き出していますが、それを待つべきではないでしょう。今が大きく変われないのでしたら、自分自身を変えるしかありません。

サイクリストの読者のみなさんへ、ヘルメットの重要性を説くのは釈迦に説法ですが、なにができるかというと、周囲の方への口伝えが大きな意味を持っているでしょう。大切な人をまもるためにも、ぜひ知識を広げる一助をお願いします。

関連URL:https://www.ogkkabuto.co.jp/about/topics/2022/12/LP-public.html

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