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2015年11月10日

パリ・ブレスト・パリ ランドヌール2015 VOL.5 三船雅彦×矢野大介&ファンライド 鼎談

なにせ初めての経験。

しかしながら大役をやってのけた矢野氏もまた素晴らしい。

ルールに翻弄される場面も

編:情報収集はSNSなどですか?

矢野:もちろんSNSもやっているだろうし、テレビカメラも入っていたので、いろいろなところからの情報もありますよね。でも先頭が来てから数日間はエンドレスに走っている人がいるわけだから…。その後の対応はどのように行なわれているか、というのが逆にわからないまま帰ってきていますけどね。

三船:ゴール2日後、帰りの飛行機に乗ってウラル山脈上空あたりを通過したとき、今頃最終走者がゴールしたのかなって…。

矢野:ゴールの翌日、三船さんを送ったあとにまた会場に戻ったら日本の人もゴールして宿に移ってきていたんですが、よく聞いたのが、夜にゴールするのが嫌だから、最終のポイントで仮眠して日中にゴールに着くようにしたと。

三船:みんなが見ているときゴールしたいのか。ナルシストやなあ(笑)。前回ゴールしたのは夜で、幻覚を2回見た。もう速くゴールしたい、三度目の夜でもう幻覚は見たくないという思いもあったしね(笑)。矢野君はサポート中に日本人から話しかけられたことあった?

矢野:あまりなかったですね。先頭のサポート勢にまぎれていたこともあって、すれ違った感じもなかったです。サポート中は一度だけトラブルがあって、復路のルディアックのチェックポイントですが、バイクを停めるところにサポートは立ち入り禁止だったんです。それを知らないで三船さんのバイクに近づいたら、いきなり腕を掴まれて。驚きましたね。で、周りを見ると他のサポートはそのエリアの外でボトル交換などの作業をしていて、みんなはそれを知ってたんですよね。

三船:復路のルディアックは混雑するんですよね。ドロップバックといって参加者の荷物を運び入れるところ。そこで荷物を受け取ったり着替えたりする。コース上では残り400km地点なのですごく使い勝手が良いから。そこのセルフサービスのブッフェはすごく混雑していて、前回はここで補給したんだけどまさに戦場。お金を払うだけで10分以上かかって(笑)。

矢野:そういうところでサポートの重要性が試されますね。

編:矢野さんは1人で回ったんですか?

矢野:ラファで撮影を担当しているアメリカ人のブライアンと一緒。運転は2時間だけやってもらって。ほとんど運転しましたね。ウェブサイトにGoogleマップにでているポイントを見ながら、カーナビに入れようと思ったんですが、フランス語のナビの使い方がわからなくて。でもそれは想定していたのでスマートフォンでナビを使うことにしていたんですが、なにせスマホが日本語なので(笑)、運転していてもわからないということで、自分がほとんど運転することに。英語に変換することも出来たと思うんですが、それも面倒で。寝落ちしそうだから2時間だけお願いと(笑)。睡眠としては2時間も寝ていないですね。待ち時間で結構寝られると期待していたんですが、チェックポイント間の距離が絶妙で70〜90kmなんですよね。3時間くらいで入ってくるし、移動は1時間くらいかかるので、サポート準備を含めると30分休めるかどうか。緊張した状態で30分だと睡眠は取れないですよね。僕は車を運転しているとすぐ眠くなってしまうんですが、予想以上に睡魔はこなかったですね。ブライアンはスチールと動画も撮影していて編集をしていますが、走っているところは撮れていないので、どうしようかって(笑)。でも後半は面白いんですよ。三船さんがいろいろ無意識にしゃべり出したので。

(つづく)


(写真/三船雅彦 取材/編集部)

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