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2018年01月07日

アメリカ最大クラスのロードレース ツール・ド・ツーソン参戦記

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アメリカでもっとも規模の大きなロードレース

11月18日、アリゾナ州で行われたEl Tour de Tucson2017に、私、佐藤智也が参加してきました。筆者はコンディショニングトレーナーを生業としているサイクリストです。
Tour de Tucsonはアメリカで一番大きなロードレースとして位置付けられています。今回35回目の開催で歴史ある大会でもありますね。初回は200人ほどの参加者だったそうですが、多いときは1万人のサイクリストが集ったそうです。コースにはいくつかのカテゴリーがあり、筆者が出場したレースは最長距離の106マイル。参加者のほとんどはアメリカ人ですが、かつて優勝経験のあるメキシコ人も参加していました。106マイル(約170km)という私にとって初めての長距離レースは、2回のトイレ、3回両足を攣りながらも、なんとか4時間45分でゴールしプラチナメダルを獲得する事が出来ました。普段の月間走行距離が短い私は、せいぜい30分程のレースで力を出し切るタイプでしたので、とても刺激のあるチャレンジになりました。

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主催者であるリチャード氏、運営の方とスリーショット

ツール・ド・ツーソンに出場するキッカケは、私が所属しているNPO法人が関わるツール・ド・三陸にて、サイクリングリーダーを一昨年から担当させて頂いており、同じメンバーとして参加していたTour de Tucsonの創設者であるリチャード・J・デバーナディス PBAA代表(Perimeter Bicycling Association of America)との出会いでした。今年(2017年大会)もツール・ド・三陸で一年振りに氏と再会。この前日にお台場で開催された東京ビルクライムで優勝した事を伝えると、とても喜んでくれました。

「良かったらアメリカのレースにも来て欲しい」というお誘いがレース参戦のキッカケとなりました。

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レースの舞台となるTucsonはアリゾナ州にあるメキシコ国境付近の都市で、11月でも毎日のように晴天で日中の気温は30℃を越えるなど、屋外スポーツをする人にとっては楽園のような場所です。果てしなく続くように見える広くまっすぐな道路や、人の背丈よりもはるかに大きいサボテンがあちこちに自生している風景は、日本では想像もつかない世界でした。特に驚いたのは、道路上に自転車用のレーンがきちんと整備されていて、車と自転車が互いに干渉することなく快適に走ることができる点です。そんな環境だからなのか、Tucsonではロードバイクに乗っている人をよく見かけ、バスターミナルには無人のレンタサイクルもありました。

レースはダートあり、上りあり

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レース当日、日の出前の街中を走りスタート地点へ。レースは約8000人の人達が一斉にスタート。前年度にプラチナメダルを獲得した選手は前方でスタートする権利が与えられており、私は招待枠として先頭から5列目に並ぶことができました。
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前方には強豪チームの「STONE HOUSE」が陣取っているのが見えます。日が昇りアナウンスが盛り上がりはじめ、スタート数分前にはアメリカ国歌独唱が行われ盛り上がりはピークに。 参加者全員が一斉にスタートするので、老若男女問わず子どもと一緒に参加している家族からタンデムサイクルまで全員がレーススタートを楽しむという雰囲気がありました。 パレード走行はなく、スタートの合図と共にレースが開始。先頭の人達はかなり勢いよくスタートダッシュしていたので序盤からハイペースに、しかしアタックなどはなく、広々とした街道をハイスピードのまま走り続けていきます。

Tucsonはとても小さな街なので、走り出すとすぐに周りの建物が少なくなり、徐々に道が荒れ始め森林地帯へと移り変わります。道幅も狭くなりコーナーも増えて集団は一列棒状に、その先には砂漠とダートの15m程の激坂が待ち構えていました。砂漠の道を乗ったまま行く人もいたが、皆バランスを崩すか倒れてしまっていた。私も乗ったまま突破を試みたがすぐに諦め、降りてランニングに切り替えます。ダートの坂は自転車に乗ってリアにトラクションを掛けながらダンシングで乗り越える。舗装路に戻ると集団は分裂気味、数十人が先行する形になっていて周りにいた5人程の人達と協力して追走開始。数分で追い付いたが、しばらくすると後ろの集団も追い付いてくる。この時に先頭グループは100人ぐらいまで減っていました。それからのハイウェイ区間でアタックをする人がチラホラ居たが、逃げは数分も続かない。そしてジャングルのようなオフロード区間に突入していく。ここでも一列棒状になり、転倒している人を避けながらも先頭と離れないように必死にテクニカル区間を駆け抜ける。ここを抜けたら長めの坂へ。ここで脚が無くなり先頭グループから脱落してしまいました。マイペースで上りきり後続を待って合流。その後は、何度も脚が攣りそうになり第2、第3集団と合流しながらも小さな坂ですぐに千切れてしまうことを繰り返す。そんなふうに1人で走っていても、沿道や家の前や車内からもエールを送ってくれて、諦めずに走り続けることができました。

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大通りでは、幅広い車線の右側1レーンにコーンをずらりと並べコースを作ってくれています。交差点では警察官が交通整備をしてくれて選手が通る時は車がすべて止められていました。アリゾナの広大な道を思いっきり走れるレースはとてもエキサイティング。今回の経験を活かして、来年も地脚を作り再び挑みたいと思います。

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授与されるメダルはタイムによって4種類用意されている。5時間以内でゴールしたのでプラチナをゲットしました

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レース翌日にサイクリングで訪れたレモン山。スペイン人ヒルクライマーのみのプロ選手たちの撮影&練習に遭遇しました

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レース後、主催者宅のホームパーティへ。和やかな時間を過ごしました

関連URL:https://www.facebook.com/ElTourdeTucson/

http://www.perimeterbicycling.com/el-tour-de-tucson/


著者プロフィール
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佐藤智也
コンディショニングトレーナー RIDEDOWNS代表
https://www.ridedowns.com/
ストレッチトレーナー
スポーツインストラクター
TCF普及委員会 自転車学校指導者 
メディカルグローアップアカデミー卒業
実業団チーム「Roppongi Express」トレーナー兼選手
ダイバーシティ東京・ビルクライム2016、2017優勝

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