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2016年01月28日

美ら島オキナワセンチュリーラン2016を走ってみた!

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今年で7回目。沖縄の美しい景色をめぐり走るイベント「美ら島オキナワセンチュリーラン2016」が1月17日に開催。例年1月に行われ、タイミングがよければ日本一早い桜も見られることもよく知られている。私自身、第1~3回目までは参加したことがあり、久しぶりに参加したイベントで感じた進化具合も含めてリポートを行う。


「沖縄の1月はそれほど天気が良くない」と、うちなんちゅ(沖縄の人)は言うが、最高気温9度の東京から降り立った側からすると、重たいコートを脱ぎ身軽に過ごせる沖縄の気候は、同じ日本にいながらひと足早く春を感じられて贅沢な気分。ホントに素晴らしい。

那覇空港に降り立ち、クルマで約60分。メイン会場の恩納村コミュニティセンターは、アクセスも良い。イベント前日、土曜日の出展ブースの数も以前とは比べるまでもなく多くなり、出展ブランドの最新車種に試乗もできる。また、あらかじめ申し込めば、イベント当日最新バイクで走行ができる、レンタルバイクも充実しており、バイクを持っていない初心者の参加もOK。もちろん自分のバイクを持っているライダーであってもレンタルできるので、長い距離をじっくり乗って次の愛車を探す、そんな使い方も可能だ。

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ガノー、キャノンデール、コルナゴ、ジャイアントなど、多くのバイクランドのブースが並ぶ。沖縄なら会場近くを試乗車で走るだけで楽しい。

 

また、招待ライダーと一緒に走れる企画も準備されていて、近頃インドアバイク・インストラクターとして人気の平野由香里さんと走る企画もあり、ひとつのイベントでいろいろな楽しみ方ができるようになっている。

景色もよし、ホスピタリティもよし!

明日走る100kmのコースを思い浮かべながら、変わらず愛されるイベントの理由を感じながら、夕焼け空を眺めていた。

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「美ら島センチュリーコース」のスタートシーン。このほか100㎞を走る「美ら島シーサイドコース」、一番距離の短い50kmを走る「美ら島めんそーれコース」とコースは3種類。

 

さて、いよいよイベント当日。もっとも距離の長い160kmを走る「美ら島センチュリーコース」からスタートする。スタート時間の7時はちょうど真っ赤な朝焼けの時間。気温は約18℃と自転車に乗るにはベストな気温のなか、赤く照らされながら多くのサイクリストが少しだけ不安げな表情で走り出していく。「不安げ」なのは朝の時点での天気がよくても、昼前からの天気予報がほぼ雨、となっていたから。彼らは確実に雨に降られるのである。沖縄の舗装道路には、珊瑚が混じっていて、雨になると非常に滑りやすくパンクしやすい。これも不安を掻き立てることになっていたかもしれない。

雨の160kmに挑戦するライダーを見送っているうちに100kmを走る「美ら島シーサイドコース」のスタート時間。自分は平野由香里さんと一緒に走るチーム(以下チーム平野)に帯同。初心者数名と一緒に走ることに。半袖ジャージにアームウォーマーというスタイルで走り出すと、次第に暖まってくる身体に当たる風が気持ちいい。このあたりは絶好のサイクル日和だった……。

スタートから約20km地点、最初のエイドステーションは名護市役所。バナナやかりんとうまんじゅうをほおばっていると、次第に怪しい雲行きに。休憩を早めに切り上げてエイドステーションを後にすると、ついに降り始めました、雨。しかも1時間に約13mmの大雨。それに10メートル超の風もプラスされ、なかなかタフなコンディションに。

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20㎞地点、最初のエイドステーション名護市役所では、まだまだ元気だった「チーム平野」。

 

約20kmごとのエイドステーションで休憩するたびに、周囲の参加者から聞こえてくるのは「もう、リタイヤしようかな」「回収車はいつ来るんだろ?」だが、そう言う割にはだれもリタイヤせずに走り続ける。何だかんだで雨を楽しみはじめているようだ。一緒に走っている平野チームの初めて100kmを走る参加者も、つらそうな顔を見せるものの、しぶとく走る。天気がよければ、最高に景色が良い古宇利大橋の眺めも。この日は空はダークグレー、海はくすんだブルーと鮮やかさに乏しい。

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屋我地島に渡る橋の上。記念撮影ポイントだが、強風が吹きこの日はみんな素通り。

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コースのハイライト古宇利島大橋。走ってよし、眺めてよし。雨の中でもその迫力は絵になる。

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古宇利島のエイドステーションでは、中身汁とジューシーおにぎりが。雨で冷えた身体に力みなぎる一杯。

ただ視覚からの情報が少ない(雨風で景色が目に入らない)せいか走りには集中できる。雨は強くなるばかりで、アイウエアと顔の隙間から雨が入ってくるほど。でも「イベントじゃなきゃ走らない天気」に走っていることが次第に楽しくなってくるから不思議だ。

ペダリングするたびに「グショグショ」音を立てるシューズ。ホイールとブレーキシューの間から聞こえる水切り音。レアな体験ができていることがなんだかうれしい気持ち。

ようやく走り終えた時には身体は冷えて、「すぐに身体を暖めたい」そんな気分だったが、いつもの100㎞よりも達成感が高い。ゴール付近には震える参加者が集まっていたが雨の中走った「同士」がたくさん集っているようで、会話を交わさなくても仲間意識が生まれた気がした。

(写真・文/今 雄飛)

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