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2016年01月26日

アジア選手権ロードレース男子エリート 悲喜こもごも

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東京都大島町で開催されたアジア選手権ロードレースの最後の種目、男子エリート。結果はご存知のとおり新城2位、別府3位となった。強豪となりえたカザフスタンチームがキャンセルする中、優勝したチェン・キンロック(香港チャイナ)は個人タイムトライアルと個人ロードの2冠となり、その強さを示すことになった。新城と別府は序盤から積極的に動き、どちらかが逃げ集団に必ず入るという展開だった。それも記録的な低気圧の影響で非常に低温、かつ強風が吹き付けるという悪条件だったからだ。スタートライン直後からの上り、そして海岸線は強い風によってスピードはもちろん乗らず、しかも集団から遅れてしまったら即アウトである。距離も前日に1周の短縮、レース中に悪天候の影響で3周短縮され、119kmという距離に。この短いレースもありタイムトライアルに強い香港チャイナの選手の勝率が高まったとも考えられる。とはいえ完走者11名(完走すること自体に大きな意味は持たないかもしれないが)、平均時速は34.55kmと遅い。コース特性と強風の影響を数字が示している。
大金星2勝のチェンは表彰台で満面の笑みをうかべる。その左右に険しい顔で立つ日本のベテランライダーとは対照的であった。別府はコンディションが明らかに良いものの展開を生み出せない。新城は最終局面ともいえる、チェウの単独アタックに勇気ある単独追走によって数秒まで迫るものの、地の利を活かせず屈してしまった。ゴール時の表情はいつもの新城ではない。
アジアで勝つにはプロツアーで契約を取り続ける別府や新城以上の走りをしないといけないということだ。別府も新城もジュニア、U23から日の丸を背負ってきた選手。そして30歳をこえるこの2人がいまだに日本のトップライダーとして、アジア選で力を見せている。本人たちも競技を続けているうちは負ける気はさらさらないつもりで挑んでいるだろうが、次世代のライダーの予感がそろそろ感じたい時期でもある。
しかしながら、このレース距離の短縮に憤りを隠せないのがプロツアーで走る2名の日本人だ。あと4周あったらまったく違う展開に変わっているはずだ。しかしながらこのチャンスを者にしたチェンの果敢な走りも評価されるだろう。勇気ある追走を行なった新城の走力もまた、迎えるシーズンでの快走を予感させる。別府もまた絶好調だった、と述べるように追走集団を支配しながらもスプリントで頭を取っている。冬の乗り込みをかなり行なっているという言葉から、次戦ではチームの活躍に貢献するはずだ。

大島という離島で開催することにあたって、海外メディアは1国からの参加であった。また悪天候によるジェットフォイルの欠航が、帰国予定をずらせない(ビザの関係で)海外勢からクレームがつくというのも、また船舶と小型飛行機でしか移動手段のない地での、レース開催の危うさを露呈している。しかしながら、当日の日本の気象状況は低気圧によって大荒れで、この大島でなければレースの開催自体できない可能性が高かったという事実もあり、ジレンマを感じた。

また編集部では女子のレースの取材は行なっていないが、そのレース内容については多くの関係者から耳にしている。実際に取材をしていないのでこの場では内容に触れないが、ナショナルチームへ所属することの意味、チャンピオンスポーツの意味をもう一度考えたい。エースとアシスト。勝者にしか日は当たらないが、それでも役割を与えられ、選ばれ、参加するものである。どちらが欠けても勝利はない。同等の価値があるとファンライド編集スタッフは考えている。


【フォトギャラリー】

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(写真:編集部/中林正二郎)

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