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2018年06月07日

【LAKE】CX301 超軽量シューズのパフォーマンスとは

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数少ないサイクリングシューズ専業メーカーであるLAKE。
主力モデルが約4万円から5万円という高級ブランドで、そのこだわり抜いたそのラインナップは多くのシューズメーカーを渡り歩いたベテランもうならせる。
特徴は2つ、ひとつはカンガルーや牛などの本革を用いたしなやかなアッパー、もうひとつは上位グレードの熱成形可能なカーボンソール(具体的にはヒールカウンター)ですが、投資をしても良いと思わせる要因としてはオーダーメイドのシューズを作るような満足感にあります。
お気に入りになったシューズを手にいれるとなかなか他のシューズを履く気にはならないが、フィティング以外にも惑わす魅力のあるワードがある。
そう、「軽さ」。
シューズに求められるのはカーボンソールと、フィット感さえしっかりとしていればと思っている人が多いはず。軽さは二の次となるが、例えばシューズだけで100g以上も軽量化できるともなると……話は別かも。LAKE CX301は熱成形可能な上位モデルとはまた異なる魅力のあるモデルでしょう。
サイズ42でわずか160g(インソール抜き)、対して競合の上級モデルはおおよそ250g前後なので、90gほどの軽量化、左右なら180gも軽くできる。パーツで200g弱軽量化をしようと思ったらそこそこの投資が必要ですね。CX301は39800円(税込)と、ハイエンドなシューズの値段を考えると、むしろお手頃感すら感じられちゃいます。

軽いアッパーとサイズ感

なによりシューズはショップなどで試着ができる。高かろうが安かろうがフィット感を試すことができるのはどのショップでも同じだろう。そういう意味ではまずフィットするかどうか試してから使うアイテムだ。筆者は横幅の広いワイドタイプをチョイス。サイズは44.5なので、アジア人としてはそこそこ大きめだが。シュッとした細身のシューズだと、幅を優先して45以上を履いていたので、CX301では長さ、幅ともにサイズの最適化ができた模様。余談ですが、すべてのLAKEシューズのつま先の芯材は熱可塑性の素材を使用しており、ドライヤーで簡単に成形ができる。つま先の一部だけ僅かに当たるといったような時に、サイズアップせず成形で対処できるかもしれない、ということは豆知識です。
このCX301は、軽量化の工夫がアッパー部分に見られます。ボアシステムも1つで、靴紐締めのようなので違和感はありませんが、走りながらボアシステムを微調整するとなじみを出しやすい。アッパー素材は柔軟で、伸びちゃうんじゃないの? と心配になりましたが、思った以上に引っ張りに対して強力で、激しくペダルをプッシュしても十分に使えそう。いずれ訪れる経年劣化というものはあるだろうけど、初期性能でこれだけしっかりとしていれば及第点はクリアしているでしょう。

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CX301のカーボンソールもろもろ雑感

剛性係数12のカーボンソールはいたって普遍的な構造にみえるが、実は内部にもう一枚のカーボンプレートが仕込まれた中空2層式となっており、踏み込んだ時にプレートがごくわずかにたわむことで足裏への負担を軽減するという凝ったつくりになっている。レーススペックのシューズにありがちな全くしならないソールというのは筆者的に拷問に近いものがあるので、CX301のソールの絶妙な感触は好印象。木底の靴がイイ感じな感じに近いかも。単に軽さを追求しただけではなく、快適性というお題にも向きあったことが感じ取れるシューズに仕上がっている。

無謀とも思えるテストとして、強豪ぞろいの仲間たちとの週末練習にこのシューズで駆ってみた。初めて使うのに。150kmのトレーニングライドは、普段履いている熱成形タイプのシューズと遜色ない「疲れ」を伴って終了。劇的な差が生まれたらちょっと考えますが、想定内でこれは使えるねという判断です。とはいうものの従来使っているインソールのソールスターを入れているので、その影響がほとんどとも言えるが、日常を保った上で軽量化が促進されているのなら、プラス思考に考えて性能アップだ! と言い放ってもよかろう。
たった一つのBoaダイアルは、シーンに応じてホールド感を微調整して走った。普段よりシューズに手を伸ばす回数が増えたが、気分転換にもなるのでこれもプラスに考えたい。
で、一言でいうならCX301のソールは硬すぎず、柔らかすぎずという印象。LOOK ケオカーボンを使っている上ではクリート位置調整位置も標準的で、あっさりと決まる。
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ナイロンソールとカーボンソールの仁義なきオブジェクション

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見出しに深い意味はありません。ナイロンソールがいい、という人も少なくないですね。その扱いやすさは筆者も認めるところ。素材としてはなんだか似たり寄ったりでカーボンソールといってもほとんどが樹脂なのでカーボン繊維強化プラスチック(CFRP)といったほうがいいだろうか。で、カーボン繊維強化プラスチックソールは…やっぱりカーボンソールにします。とはいえこのカーボンソールは表層は樹脂で化粧されているけどれ、いわずもがな硬質で、傷が付きやすく目立ちやすい。ちょっと歩き回っただけで傷だらけになることもあるので、非常にセンシティブである。
そういった意味ではナイロンソールは、あまり傷が目立たない。かといって歩き回るものでもないが、気分的ながっかり指数が違う。
ナイロンソールのいいところといえば、それなりに手頃な価格かつ軽いモデルもときどきあること。重量変化の大部分はアッパーによるもので、それなりに気を使っている(あいまいだが)モデルはナイロンソールでも軽かったりするので、お財布を軽量化したくないけど軽いシューズが欲しい人は探してみるとといいかもしれない。閑話休題。
踏み心地はナイロンソールの方がしなりやすいのは否めない。これは確かでCFRPのほうが一般的には剛性は高い。一概にすべてのメーカーの全てのカーボンソールが同じ剛性とはいえないけれど、ダイレクトなペダリング感を得たいならやはりカーボンソールの方をオススメしたい。で、快適性はどうだろうか。カーボン素材は振動吸収性が高いというが悪路を走ると時々ビリビリとした感覚がある(ありますよね?)。「いやいや、ナイロンシューズだと中世ヨーロッパの拷問器具にかけられているみたいですよ!」なんていう話は聞いたことがないし、むしろそこに大した違いはないはず。考察としてはカーボンソールに振動減衰特性を求めているわけではないのだろう。で、いろいろ突き詰めていくとシューズに求めるのは快適性というよりも痛みが出なければいい、という意味合いが強いだろうから、この辺りはあまり気にしなくても良さそう。そういう意味ではインソールによって、いい意味でごまかせるので、シューズってのはつくづく確固たる選択基準が重要だなあと思ったりする。だったら軽量なシューズを履いて冒険にでかけても面白いかもしれない。話がだいぶずれた気がします。

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赤いLAKEはCX176。ガラス繊維とナイロンの複合素材による『Lakeコンペティション』アウトソールを採用。剛性係数は7.0と足に優しく、エントリーユーザーのツーリングから中級者のレース参加まで幅広くカバー。ルック3つ穴とSPDタイプのクリートが使用可能。価格:21,800円(税込)

ともあれ“軽量なシューズ” で、“カーボンソール“で、“そこそこのネームバリュー”で、という条件を課すとかなり絞り込まれるけど、CX301はそんな熾烈な取捨選択をしても間違いなく入りますね。このCX301の興味深さは、あくまで中堅グレードということ。これに足を通してみて、えっ、LAKEってもっといいシューズがあるってこと!? 試したい….。というポジティブな思考ができると、いっぱしのサイクリストといえそう。


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Boaダイアル装備ながら片足重量160g(サイズ42、インソール抜き)を実現した超軽量モデル。アッパーは人工皮革『クラリーノ』で、まるでソックスのようにしなやかな履き心地。第14回Mt.富士ヒルヒルクライム(2017)を制した兼松大和選手をはじめ、主要ヒルクライムレースの有力選手らが愛用しているほか、軽さとダイアル1個の設計がペダルのベルトと干渉しないことから競輪界でもS級の選手らが使用しはじめるなど話題となっている。
価格:39800円(税込)
サイズ:36~50(ハーフサイズは37.5~46.5。ワイド、エクストラワイドモデルあり)
アッパー: クラリーノ
ソール: 100%カーボン
カラー: ホワイト、ブラック、フルオ・イエロー

写真:小野口健太、編集部

関連URL:http://shop.kirschberg.co.jp/

 

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