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2019年11月01日

【LOOK】適切なペダルキャッチのために生まれた“KEO SPACER”。その効果とは

男女関係のようにシューズとペダルの相性があるというまことしやかな話し….と思っていたが、どうやら本当のようだ。筆者の使用する歴代のシューズにおいては上りでトルクをかけているときに、いわゆる歯ぎしりのようなきしむ音を鳴らすことがあったのはそのせいだろうか。
シューズメーカーも増えたことも一因と考えるべきだろう。各メーカーはそれぞれのポリシーをもっていて一見同じようなフォルムでも履いてみたら全く別物。ユーザー側にとっては、選択できる楽しみという悩ましくも嬉しい状況が続いている。

ペダルに気を遣うならシューズにも。あるいはその逆かもしれない。シューズにこだわるからこそ、ペダルをしっかりと捉えたい。

そこでLOOKが満を持してリリースしたのが、“ケオ スペーサー”だ。「FOR FLAT SOLE」という記述どおり、いわゆるペダリング矯正で用いるためのシムではなく、フラットなアウトソールに対してクリートとソールの隙間を埋めて、適切にペダルをキャッチするためのクリート矯正用のスペーサーである。
ケオクリートにぴったり収まる形状で、およそ1.5mmの厚みがある。

 

ルックの日本総代理店を務めるユーロスポーツインテグレーションの岡部さんによると
「クリートが適切に装着できてないと、しっかりとペダルをキャッチすることができません。これはペダルのビンディング部分が常にテンションがかかった状態になっているということで、この状態で使い続けるとカーボンブレード(一般的なペダルでは、いわゆるスプリング)が傷んでしまい、へんなクセがついてしまいます。しっかりとキャッチできていないということは、パワーロスにもつながっているはずです」
これを是正するためのスペーサーが、今回紹介するケオスペーサーである。

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ケオ スペーサー 価格:1,300円(税抜)。 工具は別売となる

このスペーサーを用いるかどうかは、アウトソールの反りを計測する必要がある。
この赤い工具は別売りとなるが、ルックペダル取り扱いショップでアウトソールの計測ができるように今後配置されていく予定。
アウトソールを一度計測してしまえば購入する必要はないので、個人で所有する必要性は低いだろう。

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R(反り)の形状は工具の4面にそれぞれ異なったカーブを描き、R155・R170・R185・R200と構成され、数字が大きくなるにつれアウトソールの反りが小さい(フラットである)ことを示している。
ケオスペーサーが必要になるはR185とR200の2種類のみで、R155とR170と診断したらスペーサーを使う必要がない。

keo©️LOOK

シューズのサイズに依存しておらずソールの形状が理由となる、とのこと

 

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工具の突起をルックの3つ穴の中央前方に挿入し、アウトソールに沿って工具を当ててアウトソールとの隙間ができるかどうか確認する。

 

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筆者のシューズも計測。汚いシューズで恐縮だが見るべきところはそこではなく、工具とアウトソールの隙間に注目。R200では工具に隙間ができているので、ケオスペーサー採用決定となる。

 

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左がスペーサー挿入後。クリートの高さは1.5mmアップする。したがってスタックハイトが上がってしまうが、その恩恵はポジションが微妙に変わってしまうデメリットを補い余るものとなるはずだ。
このケオスペーサーはルック・ケオペダル専用となるので、他のペダルをご利用の場合は対応できないので注意しよう。

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1.5mmカサ増しされてしまうので従来の固定ボルトでは短い。付属のこのロングボルトに交換しよう。

これでケオの性能を100%発揮できるなら、なんとも簡単な手順だ。

まさに、すきまパーツだがその効果は価格以上あることは間違いない。
実際に使ってみた印象としてはペダルをキャッチしたときに、バインダーの戻りの反発が穏やかになったというのが率直な違いだ。これまではアウトソールにも反動のインパクトが伝わってきたし、「パチン」というキャッチ音もそれなりにした。だが、ケオスペーサー使用後はどうだろう。静寂になったとまではいかないが、キャッチ音も穏やかになりクリートをしっかりと固定しているという印象は強くなった。
誤解を招かないようにしたいが100kmほどのライドでは、それほどキャッチ&リリースを頻繁に繰り返すわけではない。したがって小さな発見が今後見つかる可能性は高い。ロングターム時の耐久性も気になるところだ。こちらについては機会があればレポートをお届けしたい。
全てのシューズに必要なパーツではないことを付け加えたい。専用工具によって診断をしてから採用していただきたい。

PICK UP
しれっとアップグレード!? KEOブレードカーボン セラミック

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最高峰モデルがKEOブレードカーボンセラミックとしてマイナーチェンジ。かつて紹介した、TDFリミテッドエディションのクロモリシャフト、同スペックのチタンシャフトの2タイプを市販化している。
さらにセラミックベアリングを採用し、前作と比べ18%もの回転抵抗を軽減している。クリートを受けとめるプラットフォーム部分がマイナーチェンジされ、よりフィット感が向上しているのだ。カーボンプレートは9N/m、12N/mの2タイプを付属しており、専用工具も付属し任意で交換が可能(トルクスレンチが別途必要になる)。


チタンアクスル本体価格:39,000円(税抜)
■テンション:16Nm(12Nmスペア付属) ■スピンドル:チタン ■ベアリング:セラミック ■重量:95g(片側)■プラットフォーム面積:700㎟ ■プラットフォーム幅:67㎜ ■スタックハイト:14.8㎜ 

クロモリアクスル本体価格:25,000円(税抜)
テンション:12Nm(16Nmスペア付属)■スピンドル:クロモリ ■ベアリング:セラミック ■重量:110g(片側)■プラットフォーム面積:700㎟ ■プラットフォーム幅:67㎜ ■スタックハイト:14.8㎜ 

 

 

関連URL:ユーロスポーツインテグレーション https://www.eurosports.co.jp/

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