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2016年09月07日

3モデル インプレッション Vol.19/CERVELO C3 (エンデュランスモデル)

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 CERVELO / C3

C3/快適性、剛性、軽さとエンデュランスバイクに求められる性能をサーヴェロの優れたエンジニアリングで具現化。グランフォンドライダー、グラベルグラ インダー注目の1台といえる。ディスクブレーキ専用設計フレームで、ジオメトリーも既存のサーヴェロラインナップとは一線を画す。上位モデルにC5が鎮座しており、このC3はミドルグレードに位置するモデル。誤解を恐れずに言えば、超高額なC5。そのDNAを受け継ぎ、お求めやすく設定したのがC3だ。価格は抑えたがそこはサーヴェロだけに性能に妥協はできなかった。つまりはC3はバリュープライスということだ。

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■フレーム:カーボン■フォーク:サーヴェロ・オールカーボン テーパードC3フォークforディスク■試乗車のコンポーネント:シマノ・アルテグラ(クランク:ローター・3D30)■ホイール:HED・アルデニスプラスGP■カラー:グレー×ホワイト×レッド■サイズ:48、51、54、56■価格:790,000円(シマノ・アルテグラDi2完成車・税抜)、 590,000円(シマノ・アルテグラ完成車、税抜)、610,000円(スラム・フォース完成車、税抜)、320,000円(フレームセット、税抜)

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フラットマウント規格を採用したディスクブレーキ。12mmスルーアクスルを用い、高い精度を実現した。

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セットバックしたバックステー。他のどのチューブよりも細身だ。

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サーヴェロの独自規格であるBBライトを採用する。パワー伝達性能を最適化する優れた機構だ。

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フューチャー プルーフ ケーブル マネジメント。油圧ブレーキケーブルはもちろん、機械式から電動コンポへの交換も可能な幅広い互換性をもつフレーム内蔵機構。

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ブレーキケーブルはフォークにも内蔵できる。

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Cシリーズのスクオーバルチューブはやや横扁平した角断面チューブとなる。

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シートポストは27.2mmを採用。クラシックなサイズだが、この口径がもっともよいライディングフィールが得られるという。

IMPRESSION

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次世代規格の全部盛り◎菊地武洋

ディスクブレーキ時代に向けた実験か、それともマーケティング主導のニューモデルなのか。端から見ていると、SとRシリーズの2トップ態勢で完成されたシステムを組むサーヴェロにエンデュランス用のCシリーズは不要に見える。しかし、より多くの人をターゲットにするにはスタックの大きな(ハンドル位置が高い)なフレームが必要なのだろう。また、グラベルグラインダーやシクロクロス的な使い方にも対応できるモデルとして、従来の顧客とは別の市場に参入する思惑も見え隠れしている。
スタイリングはRシリーズっぽいものの、実際にはチューブのボリューム感にメリハリがあって従来のサーヴェロとまったく異なる。スルーアクスルにディスクブレーキ、ワイドなリム&タイヤの組み合わせは、次世代の規格の全部盛りだ。走行感も従来とは似て非なる。湧き出すような強い直進性に、グッと腰の位置が低い安定感。初心者から上級者まで、用途やライディングスタイルはいろいろあるが、C3の安定感を嫌う人は少ないだろう。ホイールの外周部が重いので、軽快にスピードが伸びていくとは言えないけど、ジャイロ効果は大きいから、信号の少ない郊外をイーブンペースで走るには申し分ない。よりレーシーに仕立てたいなら、タイヤの選択を軽く&細いタイヤにすればいい。フレームのねじれ剛性は高いので、ハンドリングはライダーの意のまま。Rがライトウェイトスポーツなら、Cは力強い高級スポーツカーのようだ。欲しいモノは、欲しいだけ与えられる。Cシリーズのようなレースをしない高級車は、サーヴェロに限らず、この先の大きな課題の1つだ。もっとツーリング的な要素を打ち出したら、もっと魅力的になるのではないだろうか。

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雲上竜変、驚きの性能■芦田昌太郎

このC3というディスクロードには驚きを隠せない。見た目の印象は少々ボテっとしているのだが、走りの軽さはまったく正反対。漕ぎ出しの軽さはリム外周部を軽く出来たことによるものとは想像しやすいが、ひと踏み目から良く加速してくれるのだ。そしてしっかりと力を受け止めてくれるフレームも私は好みだ。スルーアクスルになって、横方向への剛性は格段に上がった印象だ。綺麗に推進力へと変換してくれるし、スピードの伸びも良い。操作性においてはディスクブレーキもまったく違和感がない。むしろ効きも良く、細やかなタッチにも対応する。ウェットでも怖くないだろう。ただ、ディスクの見た目が少し怖いかなというのが本音だ。それも慣れてしまえば何と言うことはないのだろうが、銀の円盤がシュルシュル回っているのは気になってしまった。これはC3だけではなくディスクロード全部に言えることなのだが。あとは、この手の新種がどこまで普及するのか…手持ちのホイールを考えると正直迷うところだ。言い換えれば、迷う程に素晴らしいということなのだ。

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斬新なジオメトリーと機構はサーヴェロだからこそ■山本健一
Cシリーズのフォルムはクラシックなロードバイクを好む方にとっては、理解し難いものだろう。新しいものを生み出すときには、少しばかりの痛みを伴う。Cシリーズにしたら、クラシックなバイクをこよなく愛する愛好家たちからの視線がそれにあたるだろう。かくいう筆者も初見は驚きを隠せなかった。コンペティティブなサーヴェロから、エンデュランスバイクがこのような形でリリースされようとは思ってもいなかったからだ。かつてはRシリーズにRSというアップライトなジオメトリーのモデルがあった。これはプロも用いる秀作であったが、ほどなくしてラインナップから姿を消した。このときに「サーヴェロはエンデュランスには目もくれず、最前線を突き進むのだ」と納得したものだ。
Cシリーズの登場によってサーヴェロはより多角的に見ることができるようになった。それはブランドとしてはよいことだと個人的には思う。
実際のライディングフィールは、想像以上にロードバイクだ、ということ。細身のバックステーが優しさを想像させるが、一切の弱みは感じさせない。ホイールやタイヤによってコンフォート性能を演出しているが、フレームそのものの剛性感はたいしたレベルだろう。それ以上にジオメトリーがくせ者だ。直進安定性を重視したヘッドアングル、低床設計よろしく路面をしっかりと捉えて進む安定性。加速性能こそ標準的なロードバイクに一歩譲るが、巡航性能は遜色はないし、コントロール性はむしろ面白い。乗って感じたのは新鮮さだ。標準的なロードバイクとこのCシリーズを所有すると相互補完を実現し、より幅広い遊び方ができそうだ。そう考察すると史上最高レベルのセカンドバイクといえる。C3は実に贅沢なバイクだ。

(写真:和田やずか)

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