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2017年09月12日

瀬戸圭祐の 「快適自転車ライフ宣言」 4-8)確実に! 盗難対策と自転車保険

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瀬戸圭祐の 「快適自転車ライフ宣言」 第4章:ジテツウで、毎日をヴィヴィッドに、豊かな楽しみを!

4-8) 確実に! 盗難対策と自転車保険

 

昨今の自転車ブームで高価格のスポーツバイクが増え、それを狙った盗難も残念ながら増えている。スポーツバイクはその価値を知る人間から見れば如何に高価かはすぐに分かり、車体も軽いので、きちんとカギをかけていないと簡単に持って行かれてしまう。基本はどんなに短い時間であろうとも自転車を離れる際には、必ずしっかりとカギをかけることである。今回は大切な愛車を守るための盗難対策と、自転車保険について考察してみたい。

 

<プロが転売目的で高価なバイクを狙う>

警察庁の統計では、平成27年中の⾃転⾞盗難の認知件数は26万件で、全刑法犯に占める⾃転⾞盗の割合は約23.7%となっており、最も多い犯罪のひとつである。また、ひと昔前はちょっとそこまで行くのに拝借しますといった「拝借泥棒」が多かったというが、昨今はロードバイクブームもあって高価な自転車が増え、パーツにバラして転売で儲けようという組織的なプロ犯罪が増えている。スポーツバイクは狙われやすくなっているのである。

どんなに完璧に施錠してもカギを壊したり巨大なカッターでワイヤー錠を切られ、すぐにトラックなどで持ち去られるなど、プロに狙われれば、簡単に持っていかれてしまうリスクが高いのだ。

 

<短時間でもカギをしっかりかける>

ドロボウが狙うのは駐輪して間もない時間帯が多い。時間が経過するほど持ち主が戻ってくる可能性が高まるからだ。コンビニなどに立ち寄ってちょっと1,2分買い物をする場合や、トイレに行く場合につい施錠をしない事があるが、ドロボウはそんなスキを狙っている。

自転車盗難で一番多い原因が施錠していなかったためである。盗難をする人間が悪いのはいうまでもないが、きっちりと施錠対応をしなかった盗まれた側にも責任はあると言える。しっかりとした施錠対応をしていればリスクは小さくできるのだ。ちょっとコンビニで買いものをする時など、店内から見えるところだと安心して、カギをしないまま駐輪する場合もあるかもしれない。しかし店内から自転車が見えるということは、外からもあなたが見えるということである。商品棚の陰になったり、自転車に背を向けて品定めに集中していたりする様子をチェックされていれば、カギをしていない自転車はその一瞬で盗まれる可能性がある。実際、ついうっかりの施錠忘れのスキを突かれることが多く、必ずしっかりカギをしてできるだけ目を離さないようにしたい。

 

<複数のカギをかける>

カギは2つ以上するのが望ましい。2種類以上のカギがしてあるとドロボウも開けるのにも壊すのにも時間がかかるため盗難を諦めてしまうのである。また、スポーツバイクは前後輪が簡単に着脱でき、さらにサドルもクイックリリースでワンタッチで抜くことができるタイプもある。これらも単独の盗難を防ぐためガードレールや標識のポール、柵や欄干などの動かせない構造物にくくりつけておく。しっかり施錠するのは、ひとつのカギだけでは不十分なのである。カギの重量が増えるのを避けて、細いワイヤー錠だけで施錠する人もいるが、細いワイヤーはニッパーなどで簡単に切られてしまう。

ひとつは直径が1cm以上ある太くて頑丈なワイヤー錠を、そしてもうひとつは十分な長さのあるものにしたい。これらで前輪と後輪、サドルとフレームを繋いで動かない構造物にくくりつけておくのだ。スポーツバイクは車輪を簡単に外せるので車輪とフレームをしっかり繋いでおくべきである。かつて前輪だけが道路標識のポールにワイヤー錠で繋がれて、それ以外が盗難に遭い放置されているのを見たことがあるが、そんな事にならないように全てをしっかりと繋いでおこう。

その際に繋ぐのが面倒なのがサドルである。サドルは自分のポジションに合わせて一度高さを決めたらそれを変更することはあまり無い。サドルの高さをいちいち調整するニーズは少ないので、シートピラーをクイックレリースレバーでなく固定ボルトで留めておけば簡単に持っては行かれない。

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仲間とライドしている場合はそれぞれのカギをシェアして、複数個所施錠するのも手だ

 

<地球ロックが基本……>

地球ロックとは、固定された電柱やガードレールなどの動かせない構造物に自転車を繋げておくことである。ただし、建物のフェンスやポールなどといった、私的な所有物への地球ロックはマナー違反なので注意したい。厳密なことを言えば、どんな構造物でも所有者があるのだが、ガチガチに固いことは言わず、それよりもガチガチにしっかり地球ロックしたい。

ロックはできるだけ高い位置でおこなったほうが良い。ドロボウがカギを切断するには大きな刃物が使われる場合が多く、刃物の取っ手に体重をかけて、てこの原理を使い、大きな力で切断するのである。カギを高い位置でかけることで、体重をかけての切断がしにくくなるのだ。また、駐輪するなら人の目の多いところにすべきである。人通りが多いところであれば不審な行動を取りづらいし、所有者が戻ってきてもわかりにくいため、ドロボウはしにくくなる。ただし、路上駐輪禁止の場所や歩行者の迷惑になる場所への駐輪はNGであり、逆に行政によって撤去されるかもしれないので注意したい。またライトやサイコンなど手で簡単に取れるものは全て外して持ち歩く。ヘルメットを持ち歩くのが面倒ならばワイヤー錠をメットの隙間に通して、自転車と一緒に繋いでしまえばOKだ。

 

<駐輪場は必ずしも安全ではない>

自転車の盗難場所で一番多いのが駐輪場である。多くの自転車が置かれている駐輪場は、ドロボウにすればより取り見取りで品定めができる草刈場でもあるのだ。人が自転車のそばでガチャガチャしていても不思議ではない空間であり、大きな駐輪場では係員の目も届きにくい。係員にはシルバー人材を活用している公共駐輪場も多く、ドロボウはシルバー人材をなめている。何か言われても堂々と「カギをなくした所有者」を演じて誤魔化し、係員がそれ以上ドロボウ扱いをして追求することはしないと自信を持っているようだ。

監視カメラもあったほうが良いが、ドロボウはカメラを意識して顔を映らないように隠していることが多く、仮に顔が見えて警察に届けても、警察は多忙であり人命にかかわるような案件でなければ、本格的な捜査は期待できない。一台ずつに設置されたロックをかけられる駐輪場で、複数のカギで地球ロックをしておくことをお勧めする。最新の地下収納式駐輪場など、人が保管場所に立ち入ることができない駐輪場ならば、盗難のリスクはかなり小さくなる。

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専用カードで自転車を出し入れする完全自動の駐輪場ならば、人が中に入れないので盗難のリスクは小さい

 

<自宅や路上でも盗難は多い>

盗難場所のワースト2は実は自宅である。屋内保管なら安心だが、そんなスペースや奥さんや家族の同意が十分に得られないケースも多いだろう。屋外でも自宅なら大丈夫と意外に油断しがちで、施錠しない場合も多いようだ。とくに道路に面した場所などはドロボウが目をつけている可能性が高く、気を抜かずにしっかり施錠しておきたい。

次いで多いのが路上駐輪での盗難である。ジテツウで職場や学校、その近くに駐輪場が無い場合には路上駐輪している人もいるだろう。その場合毎日同じような場所に駐めておくケースがほとんどだろう。同じ場所で、同じ時間に駐めていれば、その行動パターンがドロボウに読まれて、狙われる確率が高くなってしまう。職場などにどうしても駐輪できなければ、安全度の高い駐輪場かサイクルステーションなどを探したほうが無難だ。路上駐輪が避けられないならば、場所を固定せずに頻繁に変更し、重くても堅牢な複数のカギでしっかり施錠し、確実な地球ロックをなるべく高い場所で行おう。

 

<防犯登録は必ずする>

万が一に備えて防犯登録をしておくことをお勧めする。防犯登録は自転車を購入したショップで行うことができる。仮に現在していなくても今からショップにお願いすれば事後対応も可能だ。通販で自転車を買った場合でも購入の証明になるものを持っていけば、自転車ショップで登録することができる。

フレーム本体にある車体番号が警察に登録される事になるので、不幸にも盗難にあった場合は警察に届け出れば探してくれる。あたりまえだが防犯登録をしていないよりもはるかに見つかる可能性は高くなる。さらに防犯登録のステッカーが貼ってあること自体が盗難の抑制にも繋がるのである。

また、引っ越しなどで防犯登録を行った住所から別の都道府県に変わった場合、古い登録を解除して新たに再登録する必要がある。解除や再登録には防犯登録カードと身分証明書、場合によっては自転車本体も必要となるが、面倒でもきっちりやっておきたい。

 

<自転車保険は必需品>

自転車は道路交通法上れっきとした車両であるが、クルマやオートバイと違って自賠責保険のような強制保険はない。しかし自転車事故で加害者になれば、場合によっては高額の賠償金が科せられる。運悪く相手を死亡させてしまえば数千万円以上の賠償金になることもあるのだ。そんな場合に保険に入っていなければ、人生真っ暗闇に陥ってしまうリスクがあることを意識しておきたい。自転車保険には必ず加入し、つねにルールとマナーを守って危険を予測したライディングを心がけたい。

 

<商品も保障内容も選択肢が増えている>

保険には自転車総合保険のほか、自動車保険や生命保険などに追加する特約保険などがある。昨今自転車の保険商品が増え、加入者が大きく増えている。○○海上火災保険といった損害保険会社の自転車保険商品はもちろん、セブンイレブン・ドコモ・auといった企業も自転車保険商品を販売しており、コンビニやケータイなどで手軽に自転車保険に加入することが可能である。

カバーされるのは主に自転車搭乗中の保障で、賠償責任、死亡・後遺障害補償、傷害補償、示談代行サービスなどがあり補償額も保険金も様々である。ロードバイクのような高価格の自転車に乗るなら、車両保険や自転車盗難保険もある。家族の有無や、利用頻度、経済的な理由なども含め。カバーすべき補償も人それぞれであり、良く検討したい。

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自転車保険にはさまざまな選択肢が用意されている。自分に合った保険を選びたい

 

<他の保険に付随する特約保険を確認する>

自動車の任意保険に入っている場合、その特約の中に「日常生活賠償責任特約」や「人身傷害補償特約」といった追加補償の保険があるが、それを契約すれば補償金額に応じて掛け金は上がるものの、比較的リーズナブルな料金で自転車乗車時の保険としても使える。

「日常生活賠償責任特約」は通常の生活の中で他者に対しての賠償責任を補償するもので、自転車搭乗時以外でも他者に怪我をさせたり、物を壊したりした場合に使える。

「人身傷害補償特約」は交通事故で自らが怪我をして治療や入院が必要な場合の費用がカバーされ、こちらも自転車搭乗時以外の怪我でも補償される。いずれにせよ保険の約款を注意深く読んでおこう。

それ以外の保険に入っていても特約などで自転車事故がカバーされる場合がある。例えば生命保険では医療特約といった日常生活における怪我での治療や入院費用が発生した場合を補償するものがある。ただし生命保険では相手や物に対する補償はされない。火災保険や傷害積立保険などにも自転車事故もカバーする特約や補償があるので、自分の入っている保険約款をよく読み保険会社に相談してみよう。

 

<自転車ショップは味方になってくれる>

自転車総合保険に入るには、自転車保険を扱っているバイクショップで入るのも一案だ。自転車安全整備士のいるショップで点検整備を受けた場合、その証明となるTSマークを車体に貼ってもらえるが、その際保険料を払えば事故の際に補償が受けられる。

それはショップが保険会社と団体契約を結んでいて、個人で入るよりも安くなる場合がある。それに有事の際もショップは保険会社よりも自転車ユーザー側の立場に立ってくれる。

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<自活研の団体保険がお勧め>

NPO法⼈⾃転⾞活⽤推進研究会のメンバーになると⾃動的に「⾃転⾞活⽤推進研究会会員付帯保険」が付帯され、⾃転⾞搭乗中等の事故の場合補償が受けられる。

・⼊院⼀時⾦4万円(3⽇以上の⼊院で)

・個⼈賠償責任補償最⼤1億円 ※⽇常⽣活全般の賠償事故を補償

また、⾃転⾞がパンクした場合など、⾃転⾞が⾃⾛できなくなった場合のサービスとして「⾃転⾞ロードサービス」が利⽤できる。更に⽰談代⾏サービス(賠償事故解決特約)付きを選べば、有事の場合に、被保険者からのお申出により、引受保険会社が被保険者のために折衝、⽰談または調停もしくは訴訟の⼿続きを⾏ってくれる。自活研が保険会社と交渉し、団体契約での割引もあるので、個人で入るよりも低価格である。コスト増になる余計な保障は省き、サイクリストが本当に必要な内容に絞ったリーズナブルな保険である。

もちろん自活研の会員としての資格や、様々な自転車関連情報配信、より良い自転車社会に向けた研究会やイベントへの参加などのメリットがあるので(こちらが主目的!!!)、検討してみてはいかがだろうか。

https://www.cyclists.jp/join/join.html

自転車盗難はいつどこで起こっても不思議ではなく、一つ一つの対策は完璧に盗難を防止できるわけではないが、積み重ねてできるだけ隙をつくらないようにするのが大切だ。しっかり自己防衛していきたい。

 

(瀬戸圭祐さんの「快適自転車ライフ宣言」は隔週火曜日掲載です。次回は9月26日(火)に公開予定です。お楽しみに!)

(写真/本人)


第4章:ジテツウで、毎日をヴィヴィッドに、豊かな楽しみを!

1)自転車が毎日をイキイキさせる!

2)探究心に火が付く?ルート開拓

3)遠くてもあきらめない、ジテツウは楽しめる!

4)ジテツウ用バイクと必須アイテム

5)安全第一!市街地、幹線道路の走行テクニック

6)ミニマイズ!事故を事前に回避する

7)迅速に!交通事故での対応

8)確実に!盗難対策と自転車保険

9)自転車は社会を、未来を、地球を救う!

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