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2017年08月04日

【それいけ!FUNRiDEカレー部】Vol.6 カレーを求めて青森へ(前編)

今回のカレー部の舞台は本州最北端の青森県。日ごろ関東周辺で活動しているカレー部としては、大遠征だ。なぜ青森かというと、事の始まりはファンライドが主催している「CLIMB JAPAN SERIES」(http://climbjapan.funride.jp/)の加盟大会のひとつ、岩木山チャレンジヒルクライムの撮影を頼まれたことがきっかけ。本職のカメラマンとしてのオファーから始まり、せっかくなら部活動もしちゃいましょうと、カレー部と大会取材の二段構えとなったのだ。
一泊二日でカレー屋を巡り、観光もして、もちろん大会取材もするという、盛りだくさんな一泊二日。食べ過ぎ注意なカレー部がスタート!

この旅の目的は大きく3つ、1には未だ見ぬカレーをしっかり食す。2に津軽富士と呼ばれる岩木山で開催されるヒルクライムの魅力を撮る。3にねぶた祭りの情報収集。

1、2はともかく3は完全にプライベートな趣味、部費の私的利用だと小高部員から突っ込まれそうなので3は裏目的で。東北3大祭りの1つである、ねぶた祭りへは、いつか行こうと思っていたので、来るべき日に向けてしっかり情報収集と下見をしなければ。

今回のスタート地点は昨年の北海道新幹線開通でも話題になった新青森駅。なんと東京駅から最短で2時間59分、だいたい小高部員がフジヒルを2本上っている間に着いてしまうこの近さ。……たとえがイマイチだが、想像していたよりも青森県はずっと身近だ。

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輪行であっという間に新青森駅に到着!

この時期東京は梅雨の真っ只中、梅雨が無いのは北海道とよく言うが、青森も梅雨らしい梅雨はないのだそうだ。電車から降りると、カラッと晴れた広い空。なんだかいい予感。

今回お目当てのお店は弘前市内にあり、カレーを頼むと手相を見てくれるという変わり種。

弘前までは国道7号線を南下すればすぐだが、まずは明日の岩木山ヒルクライムの必勝祈願とお腹を空かせるために、岩木山をご神体とする津軽一宮、岩木山神社を参拝。神社からほど近い県道3号沿いには、オオヤマザクラを中心に約6500本の桜が20kmにわたり植えられている。
岩木山をぐるっと一周し、まるでネックレスようなところからオオヤマザクラネックレスロードと呼ばれ、世界一長いの桜並木だそうだ。

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御神水で明日のレースへの活力を
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鳥居をくぐるとまっすぐに伸びた参道が出迎えてくれる

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春には桜のトンネルが20km続く、オオヤマザクラネックレスロード

弘前からはどんどん遠ざかっている気もするが……。鯵ヶ沢街道から204号線に入り西目屋村へも足を延ばす。青森で取れたブナの木を有効活用するために開発された「ブナコ」を体験できるブナコ西目屋工場へ。ブナの木を1mmの厚さでテープ状にスライスし、それを巻き重ねていき、押し出すことで形作る。カットしたり、削り出したりしないので無駄がなく、とてもエコである。個人的には「発明」と言ったほうがしっくり来る伝統工芸の工場見学ができる。

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移転により空いた小学校を使った工場は作業工程ごとに教室が使われている。なんだか懐かしい気分に浸れる
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テープ状のブナの木を巻いたものを押し出してお皿の形を作る。切れ端や削りくずが出ないのでとてもエコだ
ONO_4961併設されたカフェではスイーツを。ブナコ製品を実際に使用しているのでじっくり見れる

 

ここから先は明日の岩木山ヒルクライムに参加するという、JAL自転車部が我々同様に弘前周辺をサイクリングしているとのことで、ちょっと合流することに。待ち合わせ場所は弘南鉄道大鰐線、大鰐駅。
この路線、サイクルトレインをはじめ、様々なイベント列車が運行していて、この夏は納涼ビール列車が運行するそう。気になる方はこちらをチェック。http://konantetsudo.jp/2017/05/18/beer-train201707/
サイクルトレインは4月~11月のお祭りの時期など混雑時期を除いて、いつでも利用可能! ただ平日の通勤通学の時間帯は自転車の持ち込みはできないので注意が必要。

大鰐線の終点である中央弘前駅からは、りんご公園までサイクリング。ここには65種1,300本の林檎の木があり、もぎとり等のりんご生産体験が出来る。また公園内では、林檎にこだわった商品が約1,200種も販売されていているので、気にいるお土産もきっと見つかるはず。JALチームとは明日の健闘を約束してここで解散。

 

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大鰐駅前の足湯でしばし休憩。しっかり熱いのが嬉しい!巨大なワニがお出迎え
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大鰐駅の駅舎はノスタルジックな雰囲気
DSC_7059JAL自転車部のみなさんとサイクルトレイン内で。
個人でなら予約不要で切符一枚につき一台までは無料というのも嬉しい
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JAL自転車部のみなさんとりんご公園までサイクリング
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青森県内には至るところにバイクラックが。サイクリストウェルカムな県だ

我々カレー部は市街地に戻り、ここで本日のメインイベント、手相も見てくれるという「カレー芳柳」さんへ。
弘前駅前の好アクセスな店構えは昔ながらの喫茶店のよう、看板にはSINCE1968の文字。さっそく店内に入り、貼り出されたメニューからビーフカレーと、本日のおすすめを注文。占い希望の方はこのタイミングでリクエスト。カレーを注文した人に限り混雑していなければ、占ってもらえる。ビーフカレーはサフランライスと、サラダがワンプレートに収まって700円のお財布に優しいお値段。
まずは一口。口に入れた瞬間は甘い、野菜の甘さというよりは、まるでジャムのようなフルーツの甘さ。そして間髪入れすに来るスパイスの辛味。
一口の間にメリハリが効いた甘さと、辛さ。二口食べるとまた甘さと、辛さ。甘さと辛さが交互にやってきて、食べすすめていくとその間隔がだんだん狭まり濃厚で少しクリーミーな味わいに落ち着く。これはクセになる。辛さの調節もしてくれるのも嬉しいサービス。

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ルーと、サフランライス、サラダがきれいに盛り付けれたビーフカレー。見た目も食欲をそそる

お次に本日のおすすめカレー。この日は白モツと夏野菜のスタミナカレー、店長いわくおすすめカレーは季節感を大事にし、その時期に合った具材を入れるそう。2日~3日の間隔でメニューを変えていくのでレパートリーは膨大。この日のカレーは具材が多く、たまねぎ、生姜、豚白もつ、エリンギ、インゲン、パプリカ、にんにく、ズッキーニ。こちらのルーはデミグラスソースとブイヨンがベースになっていて、これだけの具材が入っていても味はブレずに統一感がある。飲み物がセットになって800円とこちらもリーズナブル。

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こちらが本日のおすすめカレー。具だくさん!
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記念すべき青森初カレーのカレー部

美味しくカレーをいただいたところで、いよいよ占ってもらうことに。ここは部を代表して悩み多き小高部員が。プライベートなことなので詳細は伏せるが、手相と表情をじっと見て、しっかり時間をかけて話を聞いて、アドバイスをくれる。店長は2代目でお父さんに当たる先代も占いをしていたそうで、親子二代で手相占いをしてくれるカレー屋はおそらく日本中でここだけだろう。

「占ってもらうというよりは、自分の悩みと性格をすぐに見抜いて、優しくカウンセリングしてくれているようでした。お店のカレー同様、アドバイスも甘さと辛さのバランスが絶妙!」とは、少し乙女のようになりながらも、うまいこと言おうとした小高部員の感想。ちょっとどころかだいぶ気持ち悪いし、あまりうまく言えていない……。

店長いわく「この占いは未来を当てたりするものではなく、前向きに考えてもらうきっかけになってくれれば」とのことで、人生の節目節目で店長に会いに来る常連さんも多い。

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さっと見ただけで、小高部員の性格を言い当てる店長

身も心も満たされたところでこの日は終了。明日のヒルクライム向けてひとまずおつカレー!と思ったが、せっかく青森まで来たので、もう一軒カレー屋さんを訪問することに。

明日のヒルクライムに参加する小高部員からは白い目で見られたが、なんてったって、私は撮影班。ちょっとの体重増はまったく問題なし!

おかわりカレーで訪れたのは、「カレー&コーヒーかわしま」さん。
40年以上も続く弘前市民から愛される老舗。メニューは色々バリエーションがあるが、初めての方はシンプルにカレーライスがおすすめ。まず目に入ってくるのはお皿の中央にのった大ぶりな豚肉。一口食べれば、かけた手間と時間が伝わってくる柔らかさ。かなりのボリュームだが、しっかりと煮込まれているので余分な脂が落ちていて、あっという間に完食してしまう。

カレーは香辛料の“香”の部分を大切に作られていて、辛さよりもコクと深みが伝わってくる。店長さんのこだわりは凄まじく、食材の収穫した時期によって調理法を変えていて一番美味しい状態で提供することを心がけているとのこと。濃厚な味わいなのにサラッとしているルーには硬めに炊かれたライスが良く合う。店名にも入っているコーヒーもこだわりのサイフォンコーヒー。カレーとセットで是非頼んで欲しい。こだわりはなんですか?と聞くと、「自分が美味しいと思うものを作る」と一言。本当これに尽きる。カレーに対する真摯な姿勢にすっかりファンになってしまった。

(後編につづく)

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豚肉がドンっとのった特製カレー
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サイフォンコーヒーもカレーによく合う

 



カレー芳柳

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〒036-8004 青森県弘前市大町2丁目1-2

営業時間:11:00~15:00 17:30~21:00、日11:00~20:00

定休日:不定休 0172-33-2189



カレー&コーヒー かわしま

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〒036-8182 青森県弘前市土手町136

営業時間:11:00~18:30

定休日:木曜日 0172-34-8800


★立ち寄りスポット★
ブナコ西目屋工場
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ブナコとは→ http://www.bunaco.co.jp/

ブナコ西目屋工場について → http://www.bunaco.co.jp/bunaco_workshop/workshop.html

ブナコカフェ → https://www.facebook.com/BUNACOcafe/

(文・写真/小野口健太)

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