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2018年09月19日

【富士チャレンジ200】レポート:200km、100kmは悪天候で中止 タイムトライアルはチャンピオン決定

9月8日(土)、富士スピードウェイ(静岡県小山町)で行われた「FUNRiDE presents 富士チャレンジ 200」は、残念ながら強い雨と風のためスタート1時間半後に中止に。スタート前に行われた「みんなのタイムトライアルジャパン」はシーズン最終戦で、ついに年間チャンピオンが決定した。


 

東京五輪の舞台、富士スピードウェイに
1800人が集結

 
今年で16回目の開催となった「富士チャレ」。舞台は2020年東京五輪・自転車ロードレースのゴール地点となる国内有数のサーキット「富士スピードウェイ」で、個人・チーム種目合わせて約1800人のエントリーを集めた。

 しかし、前夜から天候は不安定で、この日も朝から雨が降ったりやんだり、時には叩きつけるような大雨となり、さらに風も強く吹いていた。朝から行われたみんなのタイムトライアルジャパン 6th stageとキッズレースは予定通り行われたものの、100km、200kmがスタートする10時15分ごろには、さらに雨が強まった。

 細心の注意を払いながらレースは進められたものの、雨脚は弱まらず。コーナーでタイヤがスリップして落車する参加者も少なくなく、スタートから1時間半後の11時45分をもって大会を中止することがアナウンスされた。

 

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スタートを先導したのはトヨタのニューモデル「COROLLA SPORT」。ハッチバックモデルのスポーティーな外観とドライブ先やトラブルなどの情報が得られる「コネクティッドサービス」などの最新テクノロジーが注目だ

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悪天候でも大会を盛り上げてくれたレジェンドライダーのみなさん。左から三船雅彦さん(マッサエンタープライズ代表)、野口忍さん(THE EARTH BIKES代表)、藤野智一さん(なるしまフレンド神宮店店長)、大石一夫さん(シクロオオイシ ラヴニール代表)、安藤康洋さん(スペシャライズド・ジャパン)、阿部良之さん(スポーツサイクル プロショップ アベノバ代表)、西谷泰治さん(愛三工業レーシングチーム・テクニカルディレクター)、唐見実世子さん(弱虫ペダルサイクリングチーム プレイングコーチ)。みなさんの全日本タイトルやオリンピック出場歴を合計したら、両手両足の指じゃ足りないくらいの豪華な顔ぶれ!

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弱虫ペダルサイクリングチーム(写真)、リオモ ベルマーレレーシングチーム、竹芝サイクルレーシングチーム、MTBプロライダーの布袋田沙織さんがサポートライダーとして参加。目標タイム別にトレインを組んで走行し、雨の中でも安全に集団をけん引した

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イベント初参加の方やサーキット走行に不安のある方を対象に、スマートコーチングの安藤隼人さんによる安全走行講習会をスタート前に実施。多くのサイクリストが参加した

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レース中は一時路面が覆われるほどの雨。参加者からは「雨が滝のようで、顔に当たって痛かった」との声も

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途中終了のため、レースはノーコンテスト。完走記念品タオルはタイムに関係なく、参加者全員にプレゼント

 

「みんなのタイムトライアルジャパン6thステージ」
ついにシーズン最終戦、年間チャンピオンは誰の手に

 

昨年11月にスタートした「みんなのタイムトライアルジャパン」の17~18シーズンも、ついにシーズン最終戦。富士スピードウェイを舞台に、30人のエントリーを集めて行われた。

ノーマルバイクのセミクラシックは1周(約4.5km)、TT機材が使用できるクラシックは2周(約9km)。雨が降ったり、やんだりの難しいコンディションの中、セミクラシック男子は過去2戦連続3位の西川正隼さんがついに初優勝をつかんだ。クラシック男子を制したのは香野祐一さん。試走で落車してしまったものの、今季5戦参加のうちこれが4勝目と強さを見せつけた。

シリーズランキングは、毎戦の平均速度をポイントに換算するルールで争われた。全6戦を終えて年間チャンピオンに輝いたのは、アンディ・ウッドさん。アンディさんは第1戦で優勝、この日は落車が響いて5位となったものの、ランキング2位の山倉幹丈さんをわずか9ポイント差で振り切ってタイトル獲得となった。女子は、セミクラシックで6戦全勝を飾った石井美絵さんがチャンピオンとなった。

今回はモータースポーツで使われるピット上の表彰台に登壇し、入賞したみなさんのテンションもMAX! シリーズ戦を重ねるごとに参加者同士の交流も深まり、和気あいあいとした雰囲気に包まれた。

 

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最終戦にして初のウェットコンディションとなった「みんなのタイムトライアルジャパン」。慎重かつ攻めるところでは攻める走りがポイントとなった

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筧五郎さんも2度目のオープン参加。計測チップをつけていなかったので記録は残らなかったものの、好走を見せた

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イギリス出身で新潟で英語教師をしているアンディ・ウッドさん。毎戦、元気な2人の息子さん、ルークくん、マークくんとともに新潟から参戦し、大会を盛り上げてくれた。「初めて子どもと一緒に真剣にレースを走れて、2カ月ごとの楽しみでした」

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セミクラシック優勝の西川正隼さんのバイク。トーヨーのカーボンとクロモリのハイブリッドフレームにローターのパワーメーター搭載クランク、ビッグプーリーとこだわりがつまったスペシャルな一台だ

 

 

表彰式

 

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◆クラシック男子

優勝:香野祐一さん(中央)

2位:山倉幹丈さん(左)

3位:小川修さん(右)

香野さんはウェットコンディションの中、平均43.19km/hと圧倒的なスピードで、シーズン4勝目。第1戦に出場しなかったのでタイトルには手が届かなかったが、毎戦印象的な走りを見せた。「1コーナーが雨で滑りやすかったので安全に行って、逆に上りは全開で行きました。先に走った筧五郎さんのタイムを参考にできたのもよかったです。今後は地元福島のロードレースに出てみたいです。TTも機会があれば、また走りたい」

表彰台常連の山倉さんは、最後は2位フィニッシュでランキングも2位。小川さんは6戦目にしてうれしい初表彰台。みんなで満員のグランドスタンドの声援に応える!?

 

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◆クラシック女子

優勝:森出美樹さん

みんなのタイムトライアルジャパン初参戦の森出さんがクラシック女子優勝。「TTは久しぶりでした。雨で前が見えなくて、コースはこっちかな?って感じでした(笑)。今度、トライアスロンのリレーでバイクパートを担当するので頑張りたいです」

 

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◆セミクラシック男子

優勝:西川正隼さん(中央)

2位:後藤與四也さん(左)

3位:品岡寛さん(右)

西川さんが念願の優勝。「2戦目から出てるんですが第2、3戦は表彰台に上がれず、第4、5戦目は3位で、最後に優勝できました。勝因は転ばなかったこと。コーナーでは後輪が外に滑っていました」。常連の後藤さん、品岡さんが表彰台の両脇を固めた

 

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◆セミクラシック女子

優勝:石井美絵さん

石井さんが開幕6連勝。「富士スピードウェイを走るのは3回目で、7分15秒を目安にしてたんですけど、天候が悪くてタイムは及びませんでしたね」

 

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◆セミクラシックU-18男子

優勝:鶴田匠さん(中央)

2位:ウッド・ルークさん(左)

3位:ウッド・マークさん(右)

山梨県の高校3年生、鶴田さんが初参戦初優勝。「高校2年生で自転車を始めてこれが2回目のレースですが、少ない経験の中で勝ててうれしかったです。自分は短距離系の脚だと思うし、地元からも近いのでこのTTに出てみようと思いました。これからも大きなレースに出れるように頑張りたいです」。

第1戦から参加してるルークくんとマークくん兄弟は、この1年でかなり大きくなったかな?

 

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◆年間チャンピオン

男子:ウッド・アンディさん(右)2554pt

女子:石井美絵さん(左)1863pt

 

第1戦優勝を皮切りに第5戦まで表彰台をキープしたアンディさん。残念ながらこの日は落車の影響で5位に終わったが、ランキングトップを守り切って年間チャンピオンの座を獲得。「今日は試走で1回、レースで2回、落車して残念でしたが、楽しい1年間でした。去年の10月にTTバイクを注文して、インターネットでこのレースを知って、子どもも一緒に出られるので1年間のいいターゲットになりました。香野さん、山倉さんたちいいライバルに出会えたのもよかったです」。

女子のチャンピオンは、石井さん。女子のエントリーは少なかったものの、その中でも男子に引けを取らないスピードを毎戦見せていた。「チャンピオンは皆勤賞みたいなものです(笑)。ケガなく楽しめたのがよかったです。またこういう機会を作ってほしいですね」

 

キッズレース
小さなパワーでホームストレートを駆け抜けろ!

 

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キッズレースは、幸いにも雨が弱まったタイミングでスタート。未就学児の500mと、小学生1~3年の1000mの2レースが、富士スピードウェイのだだっ広いホームストレートで行われた

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大石一夫さんらレジェンドライダーのみなさんも、キッズたちと一緒に走って声援を送り続けた

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ホームストレートを駆け回ってゴールした子どもたちにはお菓子をプレゼント! やったね!

 

ピット内
ブースエリアも大盛況!

 

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富士スピードウェイのある地元・小山町のブースは、焼き立てパンの無料配布サービスで大盛況。名物のおやきパンが人気

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伊藤超短波のブースでは、ヘモグロミン推定値を測定できる「ASTRIM FIT(アストリム フィット)」の無料測定を実施。持久力の指標であるヘモグロミンを採血不要でわずか40秒で測定できるとあって、身体のコンディションには人一倍関心のあるサイクリストが行列を作っていた

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クランノートのブースでは、「みんなのタイムトライアルジャパン」のチャンピオンジャージにも使われたBioracer、ピセイなどのジャージを販売

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スペシャライズドジャパンのブースでは、オリジナルTシャツの販売、デジタルでサイズがわかるRETUL Matchでの計測、カスタムアパレル展示などが行われた

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ライフログでは、カスタムジャージを一着からオーダー可能。価格も上下セットで9800円~とリーズナブルで、パッドなどのカスタマイズもできる

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日本コンピューター・ダイナミクスのブースでは、魚の脂から抽出したスポーツ用サプリの「ニッスイ・スポーツEPA」シリーズ、HDビデオカメラ付きGPSサイクルコンピュータ「Xplova」、骨伝導ヘッドフォン「CODEO」などを会場限定特価で販売した

 

富士チャレンジ200 HP ⇒ http://www.fujichallenge.jp/

 

(写真/小野口健太)

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