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2016年06月03日

【Mt.富士ヒルクライムに向けて】宮澤崇史の富士ヒルクライム直前 テクニック&バイクチェック (後編)

バイクチェックで、運動パフォーマンスを最大限に発揮する

バイクはキレイなほうが良いに決まっている。汚れていると機械抵抗も増えるし、なにより見た目にも悪く、それだけでパフォーマンスは低下してしまいそうだ。プロとしてレースの最前線で戦ってきた宮澤崇史さん。現在はプレイングマネージャーとしてリオモベルマーレ・レーシングチームを牽引するが、日常的にバイクと触れてきた経験から、機材はどうあるべきか、話を聞いてみた。

編集部(以下、編):さて、宮澤さんから見て、まずチェックする箇所はどこですか?

宮澤さん:まずはチェーンですね。なぜかというと、チェーンがキレイだとバイクもキレイに見える。汚いとかっこ悪いですよね。そしてチェーンがないと自転車は走れない。ギア変速は少々調子が悪くてもとりあえずは走れますけど、チェーンが切れると走れない。チェーンは普段からこまめなチェックが必要ですね。

編:駆動系では重要なパーツですよね。

宮澤さん:チェーンのピンが外れかけていたりする人がレース会場でもたまにいます。プロはメカニックがついていてやってくれますけど、一般の方はそうではない。自分自身である程度はメカをいじることができるといいですよね。そこで洗車をすることで、そういったトラブルの発見にもなるし、愛情もわく。

編:ほかにはどうですか?

宮澤さん:リア、フロントディレイラーの周りは綺麗にしておきましょう。そしてブレーキ。ブレーキシューが減っていないか、ブレーキシューの間にゴミが入っていないか。これは制動力も悪くなる原因になります。

編:プロの自転車はいつもピカピカで美しいですよね? 綺麗であることに越したことはない。もっと深い意味もありますか?

宮澤さん:レース前にはぜったいに綺麗にします。私のチームは、汚いバイクでレースに出たら5,000円の罰金です。自転車屋さんでもそれくらいの料金で掃除をしてくれますから、だいたい同じくらいの値段かなと。自転車は綺麗にしておいたほうがいいですよ。汚れていると走ってくれないし、かっこ悪いし。

編:プロモーションも立派な理由ですね。かっこ悪いと宣伝にならない。

宮澤さん:プロが乗っている自転車って、いろいろな人たちが憧れの眼差しを向けてくれています。自転車というスポーツ自体がかっこよく見えるためにも、絶対に綺麗しておかないといけない。こういうロードバイクに乗ってかっこ良く走りたいと思う人をもっと増やさないと。そういった意味でも選手はかっこ良くないといけないですから。心がけですね。

プロでなくてもバイクは綺麗にできる。そして機材の性能はライダーのパフォーマンスを最大限に発揮しなければならない。機材はいかに運動パフォーマンスを引き出すか。そういう意味ではバイクを綺麗に保ち、完璧な変速、ブレーキングを実現することはもっとも重要なことではないか。そこで宮澤さんやレーシングチーム選手たちが普段から愛用するKUREの自転車専用メンテナンスケミカル”Made For Speed”シリーズを用いて、宮澤流バイクのセルフケアを紹介しよう。

美しいバイクはよく走る。走行トラブルを未然に防ぐセルフチェックを

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宮澤さんに聞いた、特にキレイにしたい箇所は?

チェーン/カセットスプロケット……チェーントラブルは致命的になる!そしてカセットスプロケットは汚れが溜まりやすい部位だ
変速機(フロント/リア)……正確な変速のためにもしっかりケアしたい。
ブレーキキャリパー……シューの汚れはリムを傷つけることもあるので要チェック。
フレーム……美しいフレームでかっこよく走りたい!

1.チェーンの汚れは専用クリーナーで落とす

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Made For Speedシリーズのクリーナー2品は自転車のチェーンまわりの汚れを落とすのに最適なクリーナーに仕上がっています。『チェーンクリーナー ジェット』は状況にもよりますが、およそ10分ほどで乾燥します。『パーツクリーナー マルチ』は逆に早く、5分くらいで揮発します。チェーンクリーナーについてはチェーンの奥の汚れまで落とすために、浸透する時間を考慮されています。また防錆剤も配合しているのも特長。変速の調子が悪いと良いタイムが望めるワケがない。上りならさらに影響は大きいはず。

「チェーンオイルは汚いというイメージがありますが、実際はそこにホコリなどが付着することで汚くなってしまう。コンスタントに洗浄しオイルを塗布すると綺麗に使えますね」と宮澤さん。

160520_2D_7838ss汚れが『チェーンクリーナー ジェット』のジェット噴射と有効成分によって気持ちよいくらい落ちているのが写真からもわかる。

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噴霧するだけでも相当の汚れが落ちる。飛沫が気になる場合は、ウエスなどで養生しよう。

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ウエスでチェーンを拭き上げ、汚れを根こそぎ落とそう。『チェーンクリーナー ジェット』はすぐには揮発しないので、丹念な作業が行なえる。

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汚れが溜まりやすいスプロケットには、『パーツクリーナー マルチ』がおすすめ。ジェット噴射ですっきり洗い流すことができる。

【TIPS】特長に合わせてノズルの太さを変えている

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勢いがほしいクリーナー系(チェーンクリーナージェット、パーツクリーナーマルチ)のノズルは太く(右)、正確に噴射したいチェーンルブ(チェーンルブセミウェット)はノズルを細く(左)されている。用途に応じてノズルも最適化されているというこだわりだ。

2.フロントディレイラーとリアディレイラーの清掃

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『パー ツクリーナー マルチ』を用いてディレイラー周りの汚れを一気に落とす。ディレイラー周りは樹脂パーツが使用されているので、一般的なパーツ洗浄剤だとそれらのパーツを傷める可能性がある。『パーツクリーナー マルチ』は特殊溶剤を用いているので樹脂を傷める心配もない。電動コンポーネントにも安心して使えるのだ。
「とくにリアディレイラーのプーリーまわりには頑固な泥汚れが付着しやすいですね。『パーツクリーナー マルチ』のジェット噴射と有効成分によって汚れはすっきりと落とせます」と宮澤さんは言う。

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汚れをしっかりと落としたら、チェーンルブを塗布する。KUREは『チェーンルブ ドライ』、『チェーンルブ セミウェット』の2モデルを用意している。

【TIPS】ドライとセミウェットの使い分けは?

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『チェーンルブ ドライ』と『チェーンルブ セミウェット』。宮澤さんはこのように使いわけている。「ドライは摩擦抵抗を極限まで抑えた作りになっています。引き脚の軽さを高めつつ、油膜切れを起こさないような処方設計になっているので、レースやどこまでも突き詰めたいというときのためのオイルですね。『セミウェット』は、その名前どおり、少し粘度は高いですが注油して時間がたつとサラサラとした被膜を形成してくれます。潤滑力を長時間キープするので雨が予想されたり、ロングライドにも対応。日常の通勤やトレーニングにも最適ですね」

3.ブレーキキャリパーの汚れもマルチクリーナーで

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確実な制動力はスピードに繋がる。『パーツクリーナー マルチ』で汚れを落とし、ブレーキシューにゴミなどが引っかかっていないかチェックしよう。宮澤さんはこう述べる。「シューに引っかかったゴミや金属の小さな破片はリムをキズ付け、制動力にも影響を及ぼすこともあります」。フィニッシュ後、富士スバルラインの下りでブレーキが効きにくかったらとても危険だ。

4.フレームの汚れは心の汚れ!?

フレームを洗浄するためのクリーナーは2種類用意している。水を使わずに、汚れ落としやつや出し、そして保護ができる『クリーナー&ポリッシュ』、そして水溶性の強力なシャンプーの『パーフェクト バイクウォッシュ』だ。どちらも汚れを落とし、塗装の美しさを際立てるクリーナーではあるが、『クリーナー&ポリッシュ』はフレーム専用、『パーフェクト バイクウォッシュ』はバイク全体に使える。「クリーナー&ポリッシュは手軽だし、すごくキレイになる。僕の周りでも評判が良いですね」と宮澤さんはいう。

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『クリーナー&ポリッシュ』には専用のマイクロファイバークロスが付属する。

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ムース状の洗浄剤とクロスでフレームを拭き上げるだけで、オイルや泥汚れを一網打尽に。

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クロスは非常にきめ細かく汚れを残さず拭き取れる。水洗い不要なので、マンション住まいなどで水を流せないようなサイクリストにはウレシイ。
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泡立てた『パーフェクト バイクウォッシュ』でフレームの汚れはスッキリと落とせる。リムやホイールも同時に洗うことができ、フレームだけでなくバイク全体の汚れを落とすことができる。

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汚れを落とし、水で流した後は乾燥したウエスで拭き、終了だ。

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宮澤崇史さんをはじめリオモ・ベルマーレレーシングチームが使うのはKUREの自転車専用メンテナンスケミカル”Made For Speed”シリーズだ。

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KUREの自転車専用メンテナンスケミカル”Made For Speed”

チェーンルブ ドライ/価格(税抜):1,238円
チェーンルブ セミウェット/価格(税抜):1,524円
クリーナー&ポリッシュ/価格(税抜):1,524円
パーツクリーナー マルチ/価格(税抜):1,524円
チェーンクリーナー ジェット/価格(税抜):1,524円
パーフェクト バイクウォッシュ/価格(税抜):1,524円
(左から)


(写真/和田やずか)

問:呉工業株式会社 http://www.kure.com/ お問い合わせフォームより

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