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2017年08月07日

バラ❤︎サイ VOL.8 唐見実世子さん「復帰させてもらえる、という環境を作ってもらえたことに感謝」

ちゅなどん:弱虫ペダルサイクリングチームはどんなチームですか?

唐見さん:このチーム、とても良いチームなんです。みんなで支えられるし、GMも色々教えてくれるし。ここは育成チームなので、今のままじゃプロになれない、全日本も取れないっていうのをみんながわかっていて、頂点じゃないだけに「みんなで強くなろうよ」っていう空気。それぞれがライバルでもあり、切磋琢磨している状態です。目指すものがあり、途上にあるからこそ、の空気はとても前向きですね。

ちゅなどん:そんな中、唐見さんの活躍は彼らにとって素晴らしいお手本となっているのではないですか?

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勝ち続けることはプレッシャー?

唐見さん:イヤイヤ、ものすごいプレッシャーだと思いますよ。彼らにね「おばさん勝っててボクたち勝てない……」って実際に言われます。女子は男子に比べたら勝ちやすいんですよ。もちろん簡単ではないですけれど。20何連勝なんて男子カテゴリでは絶対にありえないですからね。彼らがどんなに強かったとしても、個人の強さだけでは勝てないのがロードレースである以上、連勝っていうのは難しい。だけど彼らはそこに言い訳がない、っていうのがいいところですね。そして私はそういうところしか見せてあげられないから……。

ちゅなどん:でもなかなか見ることができない素晴らしいものを見せられているんじゃないですか?

唐見さん:ええ、彼らは私の全部をよく見てますよ。レース前に緊張しちゃったりするところ、レースによっては体調が良くない日もあるし、スタート前にドキドキしてるところも全部知ってます。

ちゅなどん:弱虫ペダルサイクリングチーム、現在、チームの年齢層はどんな感じでしょう?

唐見さん:下は高校3年生から、大学行ってれば大学1年生くらい、大学を出たての子、上は29歳まで。

ちゅなどん:そういう若い彼らからの人生相談などはないですか?

唐見さん:ないんですよー。本当にちゃんと将来を考えているのか心配になりますね(笑)。あと、彼女の話とかも振るんですが、何も言わないんですよ。どうやらみんな彼女もいないらしくて……。

ちゅなどん:えー?(年頃の男子が揃いも揃って?)尻尾を出さないだけじゃなく、本当にいないのかしらね? 由々しき問題ですね。恋せよ男子。彼女の1人もできれば、気持ちの上での張りになって強くなる、ってこともあるかもしれないし。

唐見さん:逆もありますけどね。彼女にうつつを抜かして弱くなるっていうのもよく聞きます。それはそれでアリですけどね(笑)

ちゅなどん:それも人間味があっていいですよね。

唐見さん:ま、それだとうちのチームはクビになるけどね!(笑) 若いみんなにはこの先まだまだ時間はたっぷりあるよ、まだまだこれからだよ、って話してます。自分のタイミングで自転車はいつでもできるから、って。

ちゅなどん:「いつでもできる」という言葉は今がまさに若さの真っ只中である彼らにとっては、まだわからないかもしれないけれど、若い頃に一度どっぷりと自転車の世界に浸り、スッパリとそのステージから退いて、また戻ってきてこの素晴らしい戦績を残している唐見さんだからこそ、そんな言葉にも深みと重みがありますし、彼らもその背中から学ぶことは多いでしょうね。

唐見さん:ただし、そんなにチャンスは多いわけではないから、今のチャンスを大事にするようにやるんだったらちゃんとやろうね、とも話しています。

ちゅなどん:ちゃんとやれてますか? みんな。

唐見さん:うちはみんな頑張ってますね。

ちゅなどん:成果も出てる感じですか?

唐見さん:全員、去年の彼らと比べたら、強くなっています。まだ完璧な、100%のレースはできていないけれど、それにチャレンジして近づこうとしている様子がはっきり見て取れます。彼らがレースを自分たちで作ってるところを見るとすごく嬉しくなるんですね。ロードレースはそういうのが面白いです。

ちゅなどん:自分の手で選手を育てる、という側面でのご苦労はありますか?

唐見さん:話が通じない……。うん、最初は通じないんですよね。数ヶ月とか一年やっているとだんだん通じるようになってきて。

その、通じるようになるまでがイライラしたり、なんでわかんないの、ってなることもありました。でもそれを乗り越えて、彼らと向き合って過ごしていくうちに、理解が深まりました。私が与えてるだけというのとは違って、私ももらってるものがたくさんあります。

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