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2018年08月30日

【第18回アジア競技大会(2018ジャカルタ・パレンバン)現地レポート】 自転車トラック競技 女子オムニアムで梶原悠未が金メダル! 男子4000m個人パシュートでも近谷涼が銀メダルを獲得!

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インドネシアで開催されている第18回アジア競技大会は自転車トラック競技3日目を迎え女子オムニアムと男子4000m個人パシュートが行われた。

女子オムニアム

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ポイントレース終了後の梶原のウイニングラン

女子オムニアムには梶原悠未(筑波大学)が出場。1レース目のスクラッチを3位で終え、2レース目のテンポレースで1位になり、総合でもトップに立った。続くエリミネイションでも順当に勝利。
最終種目のポイントレースでは、点数が僅差だったライバルの台湾のファン・ティンインと韓国のキム・ユウリに、逆転を許さないクレバーかつパワフルなレース運びで点差を広げた。これによって今大会の自転車競技2つ目となる金メダルを獲得した。

女子オムニアム総合結果
優勝 梶原悠未(筑波大学)
2位 ファン・ティンイン(台湾)
3位 キム・ユウリ(韓国)

リザルト

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女子オムニアム金メダルの梶原悠未(筑波大学)

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エリミネイションレースで梶原と台湾のファン・ティンインの2名となった最後の局面で、ファンのスプリントに反応してトップでフィニッシュした

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最終種目のポイントレースでは、ポイント差を冷静に計算しながら走り、金メダルを手にした

男子4000m個人パシュート

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決勝での近谷の走り

男子4000m個人パシュートには近谷涼(TEAM BRIDGESTONE Cycling)が出場。予選で4分26秒503のタイムで2位となり決勝戦に進出した。近谷の対戦相手となる韓国のパク・サンフンは予選で4分19秒672のアジア記録となるトップタイムをマークした。
決勝戦で近谷はパク相手にハイスピードの戦いを挑むものの、2kmすぎで失速してしまい追い抜かれて2位。銀メダルを獲得した。

男子4000m個人パシュート総合順位
優勝 パク・サンフン(韓国)
2位 近谷涼(TEAM BRIDGESTONE Cycling)
3位 アルチョム・ザハロフ(カザフスタン)

リザルト

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男子4000m個人パシュート銀メダルの近谷涼(TEAM BRIDGESTONE Cycling)

 

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男子4000m個人パシュート表彰式。左より、銀メダルの近谷涼(TEAM BRIDGESTONE Cycling)、金メダルのパク・サンフン(韓国)、銅メダルのアルチョム・ザハロフ(カザフスタン)

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格上の相手に対して、少し重めのギヤでスタートからペースを上げて挑んだ近谷

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男子4000m個人パシュート金メダルのパク・サンフンは、予選で4分19秒672のアジア記録を樹立した

男子スプリント

男子スプリントの予選から準々決勝までも行われ、深谷知広(日本競輪選手会愛知支部)と脇本雄太(日本競輪選手会福井支部)が出場した。予選を脇本が9秒963の4位、深谷が10秒052の6位で通過した。
両者とも1/8決勝を順当に勝ち上がるものの、準々決勝で脇本がマレーシアのアジズル・ハスニ・アウァンに破れた。深谷は中国のシュウ・ユと対戦し、ストレート勝ちで準決勝進出を決めた。

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男子スプリントでは深谷友広(日本競輪選手会愛知支部)が準決勝進出を決めた

 


梶原悠未(筑波大学)のコメント
金メダルを獲得できてすごくうれしかった。ここまでの準備の中で、たくさんの人に応援してもらったし、母も会場で見ていてくれた。日本代表のスタッフが全力で完璧なサポートをしてくれたので、自信をもって走ることができた。まずはたくさんの方々に感謝の気持ちを伝えたい。

最初のスクラッチでは1ラップする逃げを1名許してしまってゴールスプリントでも2着だった。
しかし、残り3種目あったので次から落ち着いて走ることができた。2種目のテンポレースが自分のなかでもっとも得意とするレースで、強い気持ちで走ることができた。そこから自分が一番強いという手応えをつかむことができた。毎周ポイントの付くテンポレースは、誰かがつねに全力でもがいているレース展開になる。脚を消耗したなかでのスプリント力に自信があるため、自分の特性に合っていると思う。韓国と台湾の選手が前半から集団を抜け出したところで、乗り遅れた形になったが、落ち着いて集団の中でチャンスを見極めて、いけると思ったタイミングから全開で勝負した。
自分はレースの駆け引きについて世界でも経験の少ない方だが、そのぶん毎戦ごとにしっかり反省して、同じ失敗を繰り返さないようにしている。
アジア選手権を2連覇しているので金メダルを狙って走った。ただ1種目目と2種目目を走ってみて、普段のアジア選手権とは違う展開で、各国がこの大会にピークをもってきていることを感じた。
最後のポイントレースは点差をつねに計算しながら、アタックを許してはいけない選手を見極めながら冷静に走ることができた。
3種目終了時点での台湾の選手との差は2点で、簡単に逆転されてしまうものだった。先手先手でしっかり1着の5点を積み重ねていくのが重要だった。スプリントで自分の方が強いという意識を相手に与えることも意識して走った。

 


近谷涼(TEAM BRIDGESTONE Cycling)のコメント
アジア選手権で優勝して、偶然にもその年が4年に一度のアジア大会だったので、どうしても獲りたい金メダルだった。しかし自分のベストを尽くせたので満足しているし悔いはない。正直、チームパシュートもだが自分の調子は満足いくものではなかった。そのなかでも粘り強く予選を2位で通過できたので、いまできることを精一杯できた。メダルがあるのとないのとは雲泥の差で、出た種目のすべてで(チームパシュートと4000m個人パシュート)メダルを獲れたことについて満足している。
パク選手は同じ種目で戦ったことがあるが一度も勝てたことのない選手。アジア選手権も違う選手が出ていて、今日は決勝という舞台で会えたので勝ちたかったが、パク選手は一枚も二枚も上手で完全に力負けしてしまった。
決勝は普通に戦っても勝てないと判断して、少しギヤを重くして、前半からスピードを上げていけるところまでいこうというプランで臨んだ。しかし約2000m、半分を超えたくらいで失速してしまった。
パク選手の強さには大変刺激を受けた。僕たちトラック中距離ナショナルチームの目標は東京オリンピックでメダルを獲得すること。アジアではつねにトップでいないと、それは不可能なことで身近に強い選手がいることは目標になる。
次は負けたくないという思いを強くした。

 


イアン・メルヴィン(JCFトラック中距離ヘッドコーチ)のコメント
女子オムニアム金メダルの梶原について、この1年でいろいろなことを学び、自分で考えられるようになっている。今日は彼女のやるべきことをしっかりとこなした。それが金メダルという結果につながっている。本当にアスリートとしてプロフェッショナルとして活動していくのに強くなっているし成長している。
梶原の強さは、ひとつひとつのことに集中し、気を使ってこなしているところ。メンタルの部分がほかの選手に比べて強い。自分の目標に向けて自分のやるべきことをこなしていける選手は非常に少ない。
今回はエントリー数も少なく普段のレースの半分ほどだった。台湾や韓国の選手のポイントが僅差で、短いスプリントの繰り返しになるため、すごく余裕のあるレースではなかった。最初のスクラッチ3位からはじまったが、それぞれの結果については重要視しておらず、最終的に勝てることが大事だった。

男子4000m個人パシュート銀メダルの近谷について、(前日のチームパシュートだけでなく)個人の種目にも積極的で、挑戦できるチャンスがあったことは非常にいいことだったと思う。
決勝に進出することも想定していた。近谷も頑張ってできることをやったが、韓国のパク選手は非常に強くすべてのエンデュランス系種目で金メダルを狙っている格上の存在だった。彼はこのアジア大会にピークを合わせてきた。

 


深谷友広(日本競輪選手会愛知支部)のコメント
予選で失敗もあって、タイムが悪く6番手スタートだったが、力的には差はないと思ってしっかり自信をもって走れて準決勝進出という結果につながった。
明日しっかり頑張りたい。

 

写真と文:猪俣健一
関連URL:https://www.joc.or.jp/games/asia/
JCFホームページ  http://jcf.or.jp 

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