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2017年10月04日

【自転車雑誌サイクルスポーツ】名物企画、全日本最速店長選手権2017 主催者インタビュー

レース雑感:メディア目線としてみた全日本最速店長選手権

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最速店長選手権は他媒体からみてもお世辞なく輝かしい企画といえる。店長のセレクション基準などにかんする細かい部分は、ひとまず隅に置いておくが、いろいろな意味で旬を取り入れた采配には大きな不満はないだろう。そしてDo Sportsとして実に健全(ある意味、不健康)で、スポーツ=自転車を生きがいとする潔い姿を具現化し、さらに促進させる。これはある意味イベントとして正しい姿であるといえる。
店長はノミネートされれば、威信をかけてトレーニングに励むはずだ。昨年の自分を超えることができるか。あるいはレースに勝利することができるか。乱暴な言い方をすれば儲けや宣伝に直結するので純粋無垢とは言い難い(もといプロモーションありきというのはスポーツビジネスと同義か)が、それでも純粋に打ち込めるのがトレー二ングで、自転車に乗ってワークアウトをこなしているときは、まさしく心身を鍛えるアスリートそのものだ。
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会場に至っては、千葉は滑河に位置する下総フレンドリーパーク。自転車イベントでもしばしば用いられる会場である。周回は1.5kmと短く、3分弱で集団は戻ってくる。観戦場所を選べば、1周回のうち3〜4回は集団の通過を確認することができる。このコンパクトな会場もレースと観客の距離を近づけてくれた。
厳選した参加店長は44人と7回目にして最多。コースを鑑みてもベテランサイクリストなら、ちょうど良い人数だろう。また店長同士、知った仲ということもあり集団走行はとてもスムーズに行っている。レースは安心して観ることができた。

さきほどのインタビューの中でも「みんな自転車好きですよね」という言葉があった。一年中自転車に囲まれている上に、週末まで自転車で過ごす。これが好きでなくて実行できるのだろうか。まさしく自転車に乗るのが特に好きな人たちが集まった、非常に濃度の高い空間であり、なんともいえぬ居心地のよさを感じながら過ごすことができた。
しかしながら残酷なものでレースにおける勝者はたった1人。43人は負けてしまったのである。では勝った1人が総取りなのか? そうではなく、強さ弱さ関係なくあの店長の“走れる”姿を世に知らしめること、また、たゆまぬ努力を披露する場所なのだろうな、と悟ったわけである。まさに多忙といわれる自転車ショップの方々ながら健脚揃いで恐れ入りました。

写真と文:山本健一

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