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2015年10月30日

走り・感じ・伝える 「ツール・ド・三陸」を走って思うこと

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10月11日(日)に4回目となる「ツール・ド・三陸~サイクリングチャレンジ2015~inりくぜんたかた・おおふなと」が開催された。今回は過去最高となる1250名が参加し、東日本大震災からの復興が続く陸前高田と大船渡の両市を繋ぐ約50kmのコースを走った。 

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津波により甚大な被害を受けた陸前高田市の市街地はいまだにベルトコンベアや重機を用いて地盤を整備している段階。倒壊を逃れた建物など少しの建設物以外は海岸まで土の盛られた真っ新な大地が続く。少しずつ復興へと歩みを進めてはいるが、そのスピードは東京にいる私が想像していたそれとは全く違った。復興への道のりはまだ始まったばかりなのだろう。

そうした現状をロードバイクで走りながら、自らの目で見させてもらうというのはとても貴重な体験をさせていただいたと感じる。一方で、まだまだ大変な状況が続くなか、大勢のサイクリストが走ることで、地元の人に迷惑がかからないのだろうかという想いも少なからず抱いた。
しかしコースへ走り出すと雨にも関わらず、地元の方々が沿道で笑顔で手を振って、サイクリストを迎えてくれた。その姿を見てで我々はここを走ってもいいのだと思うことができた。

毎年沿道から声援を贈り、イベントの名物おばあちゃんとなった91歳のキクミさんもデコレートした傘をさして参加者に手を振り続ける。毎年参加しているサイクリストも「また来たよ!」とキクミさんに手を振り返しながら、通過していく。1人1 人とは通過するまでの1秒に満たないやり取りではあるが、キクミさんとサイクリストの温かい繋がりを感じる。

「色とりどりのジャージを着た若い人たちが走っている姿を見ると楽しい気持ちになるし、元気をもらえる。1年でいちばんこの日を楽しみにしているんだよ。来年もここで待っているからまたおいで」とキクミさんは話してくれた。

サイクリストとして被災された地域、方々にできることは多くない。ただ、自分の脚と目で見た光景を持ち帰り、まわりに伝えることはできる。そして、地元の方々が歓迎してくれるかぎり、また来年もその翌年も笑顔で会いに行くことも。

(文・写真/編集長コタカ)

ツール・ド・三陸HP

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津波の被害の大きかった場所はまだ建物はほとんど建っていない

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コース上にはあの日のままの姿で残されている建物も

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今中大介さん、片山右京さん、日向涼子さん、別府始さんらゲストもコースを走った

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参加者が見つめる先に、津波の到達水位を示すマークが

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左から3人目がキクミさん。参加者に笑顔で手を振り続けてくれていた

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