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2016年05月12日

モールトン大集合!【モールトン展~素晴らしき小径車の世界~開催中】

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5月3日(火・祝)から5月31日(火)までの28日間、東京都港区北青山にある伊藤忠アートスクエアにて、モールトン展 ~素晴らしき小径車の世界~ が開催されている。

今回本展を監修し、世界的なモールトンコレクターでもある青木高弘さん(モールトン・オーナーズ・クラブ・ジャパン会長)にお話を伺った。

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編集部(以下 編):まずは青木さんがモールトンをコレクションするようになったきっかけを教えていただければと思います。

青木さん:子どものころは自転車ばかり乗っていたのですが、一時期自転車からは離れ、クルマやオートバイを楽しんでいました。運動不足解消のために再び自転車に乗りはじめた際にモールトンに出会いました。

私自身、商業デザイナーなのですが、まずそのデザインの美しさに見とれてしまいました。さらにモールトン博士は小径自転車でスピードを追い求めてもいたことも知って、さらに惹かれていきました。モールトンに触れていると、自分の仕事でデザインを考えるうえで、すごく刺激されるんです。世の中には「優れたデザイン」と言われるものがありますが、その多くは長い時間見ていると飽きてしまったりするんです。しかし、モールトンはずっと飽きることがありません。それこそ、デザインとして優れている証だと思っています。

モールトンとは長いお付き合いができています。世界で数台しかないモデルも偶然にも手に入れることができました。そういったところにも運命的なものを感じています。持ってしまった以上、貴重な文化財なので、多くの方に見てもらったり、大切に保管しなければという想いはあります。

:実際にモールトン博士にお会いしたこともあるのですか?

青木さん:博士のお城に行ったこともありますし、日本に来日した際には、訪ねて来てもらったこともあります。一緒にスイスを旅行したことも良い思い出です。本当にパワフルな方で、つねに新しいアイデアを考えていらっしゃいました。発売しているモデルに関しても、マイナーチェンジで進化させることをいつも考えていましたね。そして、そのアイデアをきっちり試作車として形にして、実際に乗って性能を確かめるということを信条にしている方でした。なので、とんでもない数の試作品のパーツが倉庫にはありましたね。

博士に「一番お気に入りのモデルは何ですか?」というと必ず「もちろん最新のバイクだよ」と答えていました。つねに最新で最高のバイクを作ろうという博士の想いが感じれる答えですよね。

:本当に魅力的な方だったんですね。そんなモールトン博士の叡智を結集させたバイクが並ぶ、本展の見どころを教えてください。

青木さん:本展では22台のモールトンを展示しています。私の80台のコレクションから厳選しているのですが、今回はモールトン博士とモールトン自転車の歩みを全体的に掴んでいただこうというのが趣旨です。6年前には60台を並べた展示会を行なったので、今回はなるべく貴重なバイクをピックアップしてきました。展示してある22台を見ればモールトンの歴史がわかるようになっています。文化財のような貴重なバイクもいくつかありますので、ぜひみなさんに見ていただきたいと思っています。

DSC_8381世界に1台しか現存しない、モールトン・マラソン。コリン・マーチンによるイギリス(ロンドン)からオーストラリアまでの冒険旅行に実際に使われた自転車。モールトンは低重心なので、大きな荷物を運ぶことにも適している

 

DSC_8354空気抵抗を低減が目指された、最高速度チャレンジ用のモデル

 

:モールトンと言えば、サスペンションとトラス構造のフレームが思い浮かびます。

青木さん:そうですね。モールトン博士はサスペンション構造の権威です。マウンテンバイクのような大きい衝撃を吸収するためのものではなく、小さい凹凸やぺダリングのロスをなくしてバランスをとるためのサスペンションを考案し、小径車に取りつけました。なぜ、小径車だったかというと、博士は将来多くの自転車は700Cではなく、博士の考える小径車のサイズになっていくと予想していたのだと思います。

63年に発売した、スピードモデルは小径車も700Cの自転車と走行性能は何ら変わりがないと証明した自転車です。小径車というとどうしても、折りたたみ自転車や街乗り用という印象を持たれがちですが、博士の目指すべきところは違いました。

モールトン独自のトラス構造はスペースフレームと呼ばれ、83年に登場しました。スペースフレームは、普通のフレームではありえないほど剛性を確保しています。なおかつ細いパイプで軽量に仕上げています。とても硬いフレームなので、サスペンションの精度がそのまま走行性能として現れます。サスペンション性能をフルに引き出すために博士が辿りついたフレーム形状です。ぺダリングなどのロスを計算して、ぺダリングパワーをすべて前への推進力へ変換できるように計算されています。

DSC_8398モールトン自転車のテクノロジーの要であるサスペンション機能

 

DSC_8394スペースフレームのトラス機構もモールトンの代名詞。高剛性と軽量性を両立させている

 

DSC_8424ロードバイクに混じって、都市間レース(長距離レース)に出場するモールトン・スピード。勝利を収めることもあった

 

:会場に展示されているパネルに書いてあるエピソードを読むと、モールトンのバイクがさらに魅力的に感じられます。本展で初めてモールトンを見る方もいると思います。貴重な自転車が並んでいますが、どのような点が注目したらいいでしょうか。

青木:普段はロードバイクに乗られている方が多いと思うので、最初見たときに違和感を感じるかもしれません。でも、じっくり時間をかけて眺めているとだんだんとモールトンのカッコよさと魅力が分かってくると思います。ぜひ、モールトンの歩んで来た歴史とその美しさを本展で楽しんでください。

:本日はありがとうございました!


モールトン展~素晴らしき小径車の世界~

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主催:青山商店会連合会、特定非営利活動法人 アップタウン青山コンシェルジェ

監修:青木高弘(モールトン・オーナーズ・クラブ・ジャパン会長)

会期:2016年5月3日(火・祝)~5月31日(火)

開催時間:11:00~19:00 会期中無休

会場:伊藤忠青山アートスクエア(東京都港区北青山2丁目3-1シーアイプラザB1F)

入場料:無料

イベントHP:http://www.itochu-artsquare.jp/exhibition/2016/bicycle.html

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