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2015年12月26日

3モデル インプレッション VOL.6/SPECIALIZED編 S-WORKS VENGE VIAS(エアロロードモデル)

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SPECIALIZED / S-WORKS VENGE VIAS IMPRESSION

世界最速のバイクを作り出すという目標を掲げて開発されたのが、このヴェンジ バイアスである。自社の風洞実験施設を作ることから始まり、1000時間以上ものテストが重ねられたという。エアロバイク然としたフレーム形状はもちろんのこと、ステムやハンドル回り、ブレーキ位置までもが、常識を逸脱した新世代のエロロードバイクといえる。

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S-WORKS ヴェンジ バイアス■フレーム:FACT 11r carbon, Rider-First Engineered™, Win Tunnel Engineered, internal cable routing, carbon OSBB■フォーク:FACT carbon, full monocoque■試乗車のコンポーネント:シマノ・デュラエースDi2■クランク:S-Works FACT carbon, 52/36T■ホイール:Roval CLX 64, tubeless ready■完成車実測重量:7.7kg(ペダルなし)■カラー:Shown in Satin Carbon/Rkt Red/Lt Blue/White■サイズ:49、52、54、56、58、61(取扱サイズは最寄のスペシャライズドディーラーに要問い合わせ)■価格:1,340,000円(シマノ・デュラエースDi2、税抜)、590,000円(フレーム、専用ハンドル、ステム、ブレーキ、シートポストセット・税抜)

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バイクに合わせて作られオリジナルブレーキは、空気抵抗とホイールのたわみが最小になる位置に設置される。

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ハンドルバーからステムにかけてシフトとブレーキケーブルが内蔵される。トラック用バイクのようなシンプルさ。

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リアブレーキもホイールがたわみにくく、空気抵抗が少ない場所に設置される。BB下に設置するよりもメンテナンス性はよさそうにみえる。

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BBは他のラインナップ同様にOSBBを採用。シールドベアリングはセラミックスピード社製のセラミックベアリングが標準装備される。

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S-Works FACT carbonにはクォーク製パワーメーターが標準装備される。

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シートポストとフレームのジョイント部分はエアロ効果を考慮してシンプルな構造に。

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エアロブームの立役者●菊地武洋

現在のエアロブームの立役者といえば、スペシャライズド・ヴェンジをおいて他にないだろう。旧型は空気抵抗の低減がもたらす効果を数値で示したり、F1で有名なマクラーレンと共同開発するなど、徹底的に性能向上にこだわるという開発の道を拓いた。ダースベイダーみたいな仰々しいスタイリングの新作は、フレームと一体化したブレーキや、ケーブル類を完全に内蔵するなどギミックを満載。1つ1つ説明はしないが、間違いなくもっとも進化したロードバイクの1つと言っていい。なによりも驚くべきは、これだけ特徴的な形をしていても、ほぼ違和感がないことだ。複雑怪奇なケーブルの取り回しは、普通なら操作性が著しく悪くなる。また、フレームメーカーがコンポに手を出しても、専門メーカーの製品と比べる余地もないのが一般的だ。走り出すと剛性が高いのは、だれでもすぐに感じるだろうが、あとは極々普通のロードバイクだ。唯一違うのは、他のバイクではノーブレーキで進入できるコーナーで、ヴェンジ ヴァイアスだけはブレーキングが必要だった。これには大変驚いた。これまで大きな進化には、相応の違和感を伴ってきた。条件に恵まれた面もあるけど、クセのありがちなディープリムでもハンドリングはニュートラルだし、タイヤは転がり抵抗も小さいだけでなく、乗り心地も良好だ。そして違和感はないが、ヴェンジヴァイアスにはしっかりと個性がある。好みやメンテナンス性の問題もあるので万人向けとは言わないが、予算に余裕があればコレクションに加えたい1台である。

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研ぎ澄まされたエアロ性能●小高雄人

同時期に発表されたトレックのニューマドンとついつい比較してしまう。マドンは無機質な一体感を感じたが、対してヴェンジ ヴァイアスは有機物の集合体のような印象を受ける。丸みをおびたハンドルといい、人車一体感を追求したようなデザインだ。ライダーの身体に極限までフィットさせることで、空気抵抗の軽減を狙っているのではないだろうか。
乗ってみると前評判で聞いていたとおりの高剛性フレームだ。脚がなくなってしまったら、全然進まなくなるかもしれない。ただ、そんなことはどうでもいいと思えるぐらい乗っていて楽しい。ダンシングもシッティングも平地でも上りでもぐんぐん加速していく。加えてクイックなところがなく、いつも乗り慣れたバイクのように扱いやすかった。気になっていた専用のブレーキの効きに関してもとくに不満に感じることはなかった。

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極限を狙った潔さ●山本健一

トレックやスペシャライズドなど今、勢いのあるブランドは、コンポーネントも独自規格によって構成し始めている。それが改悪とは決して思わないが、扱いやすさという点では、ユーザー単位でのコンスタントなメンテナンスはかなり難しいものなる。とはいえ、こういったハイエンドモデルの場合、ほとんどのユーザーがショップにメンテナンスを依頼すると思うので、その点では性能を保つことに心配はない。興味深いのはメカニックのスキルやヴェンジ バイアスをいかに理解しているか、触っているかによってこのバイク性能が左右されるということだ。とくにブレーキ性能に関しては如実に感じられる。というのもローンチ時のできたてホヤホヤのヴェンジ ヴァイアスに試乗させていただいたときよりもずっと印象が良いからである。インプレッションで面白いのはそういった経年的な変化や、メカニックの一手間かけた味付けだ。同一モデルであっても年代が変わるとガラッと性格が違ってしまったりする。閑話休題。このバイクははっきり言ってとても良く走る。見た目の豪快さもあるけれど、じっくり乗ってみるとすごさがわかるはずだ。初見ではその硬さが脚の芯まで届くようなイメージがある。ホイールも非常に空力に優れ剛性もハイレベルだ。スピードを出せば出すほどこのバイクの能力をいかんなく発揮できる。パワフルなライダーほど楽しいバイクのはず。つまりはヴェンジ ヴァイアスに乗りたいなら、バイクに合わせて自分の身体もリビルドする必要があるということである?


(写真:和田やずか)

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