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2015年12月07日

3モデル インプレッション VOL.5/PINARELLO編 DOGMA K8-S(エンデュランスモデル)

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PINARELLO / DOGMA K8-S IMPRESSION

2015年4月、クラシックレースのロンド・ファン・フラーンデレンでチームスカイが選んだバイクがこのK8-Sである。開発の主眼は路面追従性、トラクションの抜けを防ぐ方向へ設計されたもの。もちろん乗り心地も良くなってはいるが副次的なものであるという。それは2015年のジロ・デ・イタリアではアイゼルなどアシスト陣が通常ステージでも好んでK8-Sを使用していたことが証明している。
ファウスト氏いわく「ピュアスプリンター以外にとってステージレ-スにはK8-Sがベストな選択になるだろう」ということだ。

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DOGMA K8-S■フレーム:カーボンT1100-1Kナノアロイ™トレカR■フォーク:オンダ™ F8カーボンT1100-1Kナノアロイ™トレカR■試乗車のコンポーネント:シマノ・デュラエースDi2■ホイール:フルクラム・レーシングゼロ■完成車実測重量:7.3kg(ペダルなし)■カラー:672/チームスカイ、689/カーボンレッド(国内在庫カラー)、691/カーボンイエローフルオ、693/BOB(受注発注カラー)■サイズ:44SL、46.5SL、50、51.5、53、54、55、56、57.5、59.5(C-C、サイズ57.5以上は受注発注)■価格:840,000円(フレームセット、レギュラーカラー、税抜)、918,000円(フレームセット、873/イエロー、税抜)、918,000円(フレームセット、MY WAY、税抜)

※試乗車は販売モデルとはスペックが異なる場合があります。

 

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ドグマ・F8と同様のカーボンマテリアルを採用しているが、そのフレーム形状によって、独特のフィーリングを生み出す。フレーム重量は990gと非常に軽く仕上がっている。

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シートポストはF8と同じ固定方法を用いているが、固定ボルトの数は3本に増やされている。

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横方向に扁平したフレキシブルなフラット・カーボン・チェーン・ステー(FLEX STAYS)が搭載される。

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ボトムブラケットはイタリアンBBを採用。これもトラディショナルな規格を用いることで、不要なトラブルを避けるためだ。

 

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エアロ然としたハンドルバーとステム、そしてヘッドパーツ。ヘッドパーツ飲み付属する(Mostエアロステムは別売)。

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ジャガーと共同開発した新しい軽量サスペンション・システム(DSS 1.0, Dogma Suspension system)はわずか95gという軽さ。

[DSS 1.0の動画はこちら]

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いいこと尽くめのエンデュランスバイク♦︎菊地武洋

「サスペンション付きドグマ」は、シンプルなスタイリングで声高にサスペンション付きであることを主張しないのがいい。サスの必要性は賛否あるが、ノーマルに近いスタイリングを嫌いな人はいないだろう。パッと見ではサス付きであることを忘れてしまうほどだ。フロントは素のドグマと比べてフォークオフセットを4㎜ほど追加。フロントセンターを伸ばして直進安定性を高めているが、乗った感じも少し直進安定性が強くなった程度だ。剛性は高く、振動を素早く収めるのは、いかにもレーシーなドグマらしい。路面の情報は手に取るように伝わりつつ、余韻を残さないから快適性はすこぶる高いというわけだ。K8-Sがコンフォートバイクでなく、エンデュランスバイクだというのは、レーシーな演出をしているという意味であり、それも納得できる。そのK8-Sが本領を発揮するのは、やはり路面が荒れているところ。ホイールベースが長いぶんだけ進路を乱されないし、サスペンションによって後輪が跳ねないだけ高いトラクションを得られる。ライディングポジションにしても、より多くの人がターゲットになる。瞬間的な加速性能よりも安定感やラグジュアリーな走りを求めるならK8-Sだろう。とよいこと尽くめなのだが、素のドグマ・F8もいいので、僕はそちらで十分だ。

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狙いはパワーを伝えること♦︎小高雄人

どっしりと安定感のある乗り味ながら軽快感もあり、バランスが良い。シートステイに取りつけられたサスペンションは走行中に見るとしっかりと上下に動いている。加えて、チェーンステイもいかにも振動を吸収しそうな形状をしている。たしかに快適性が高いのだが、ピナレロの狙いとしては、どのような路面でもトラクションがかかり、ライダーのパワーをしっかりと伝えることに主眼を置いているのだろう。そう思えるほど走行性能が高い。長時間のロードレースやエンデューロなどで、脚を残しながらも高速域で走り続けられるバイクだ。余談だが、リアブレーキだけF8にも採用していないダイレクトマウントを採用しているが、その理由は「サスペンションがあり、ノーマルブレーキがつかないから。エアロ性能を考慮したわけではない」とのこと。

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付加価値をもたせただけのことはある♦︎山本健一

95gというサスペンションユニットを搭載した、“エンデュランス系のドグマ”であるが、そのスタイルは、お世辞にもロードバイクのスマートさを感じられない。異物を挟み込んだようでどうにも受け付けないが、走りはハイエンドモデルらしい、といった軽快なライディングフィールであった。サスペンションはライディング中に作動していると感じないのだが路面追従性が高まるためか、スピードのロスが少なく、イーブンペースではドグマ・F8よりもむしろ軽やかに走ってくれる。悪路に差しかかると多少身構えることもあったが、このバイクにかかると路面状況に関係なく、スムーズに軽く走ってくれる。正直いって、乗っていて楽しくなるバイクだ。このところエンデュランスバイクに対してかなり好印象を得ているが、振動を効果的に減衰するということが、パワーをスポイルしない適度な剛性と同じくらいに走りに良い影響があると、はっきりと感じられるとというのが、近代のバイクから感じること。紛れもなくK8−Sもそのバイクに含まれる。ドグマ並みの運動性能に加えてメカメカしいユニットを搭載したこのユニークなバイクはやっぱり好きになれないが、走りはホンモノのレーシングバイクである。


(写真/和田やずか)

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