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2016年04月06日

3モデル インプレッション Vol.13/NEILPRYDE ZEPHYR(エンデュランスモデル)

NEILPRYDE /  ZEPHYR

長距離レースやロングライドに適したジオメトリーを採用したゼファー。競技指向の人にもスポーツサイクルを楽しむ人にも楽しめるバイクだ。フロントトライアングルにはナザレやビューラSLで実証されたカーボン技術が用いられている。また剛性を犠牲にすることなく振動吸収性を高めるために、一体成型したチューブをシートステイとフォークに用いることで快適性を高めているという。とくにフォークの独特な形状は快適性を生み出しつつも剛性を保つものだ。

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ZEPHYR■フレーム:C6.7 TORAY UD■フォーク:C6.7 TORAY UD■ 試乗車のコンポーネント:シマノ・105(クランク/FSA・ゴッサマー)■ホイール:ニールプライド・カーボンホイール■完成車実測重量: 7.6kg(ペダルなし)■カラー:ブラック×グリーン×グレイマット、ブルー×ホワイト×ブラックグロス■サイズ:XS、S、M、L、XL■価格(税別):419,800円(シマノ・アルテグラ完成車)、309,800円(シマノ・105完成車)、234,800円(フレームセット)

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BBはプレスフィット30規格を採用した。

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リアセクションは28mmサイズのタイヤに適合するようデザインされた。

 

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形状もさることながら、可変性のカーボンファイバーの厚みより、チューブの効果的なたわみを支える。

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ヘッドチューブアングルを緩くしつつも、ホイールベースを保つために、爪の先を手前に曲げたデザイン。

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後ろに飛び出したリアエンドが縦方向への快適性を担う。

 

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シートステイとシートチューブを一体化することで、よりしなりを生み出し、縦方向への衝撃吸収性を高める。

 

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27.2mmサイズのシートポストを採用している。

 


IMPRESSION

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ラインナップ中のベストチョイス■菊地武洋

レース用よりも手頃な価格、前傾姿勢の浅いポジション&ロングホイールベース。エンデュランスバイクに求められるスペックは、選手と同じモノが欲しい人には物足らないかもしれない。しかし、安定感の高いジオメトリーは上級者からビギナーライダーまで満足させ、ゼファーは多くの人にとってニールプライドのラインナップ中のベストチョイスだろう。柔軟性のあるシートステーは路面の凹凸を和らげ、フロントフォークの剛性もコントロールしやすいように、ほどよく調整されている。フレームのクリアランスは28Cのタイヤに対応するらしいが、これだけ快適な方向に設計が振ってあるなら25Cもいらない。23Cで十分だ。25Cで空気圧を高めにしてタイヤの変形量を抑えるセッティングも悪くはないが、ゼファーの魅力を引き出すなら外周部は軽いに越したことはない。ハンドル&ステム、サドルの選択も然りだ。通常、エンデュランスモデルは過保護なほど振動を嫌い、重さを厭わない。乗るたびに体力の限界まで追い込むなら、それも1つの方策だろう。しかし、ゼファーのように構造的に動かすフレームをほどよい距離、適度な強度で走るなら、レーシーな部品選択がいい。そういう意味でゼファーの完成車には、まだ余力を残している。加速のキレで勝負するタイプではないから、確かに競技向けではない。しかし、それと性能の高低は無関係だ。それが分からない人には、このバイクの魅力も分からないだろう。

 

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加速性に優れる美ロード■小高雄人

長めのヘッドチューブやホイールベースを有し、まさしくコンフォートバイクという佇まいを見せる。路面からの振動をフレームが吸収するというよりも振動を減衰させながら進んでいく印象。剛性は非常に高いとは言えないが、ゼロスタートなど低速からの加速性能は優れている。コーナリングではアップライトに乗るためのジオメトリーだからか、少しクイックさを感じた。上りは決して苦手としておらず、トルクを高めてダンシングで走ると小気味よい。シートチューブからシートステイにかけての造形など、見た目も美しい。

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マルチパーパスなバイク◆山本健一

ロードバイクに精通した人が見ればエンデュランスバイクだな、とわかり、あまり親しみがない人が見るとスタイリッシュなバイクに映る、そんなデザインのゼファー。個人的にはグラフィックも含めてよくまとまったデザインだと思う。ニールプライドの武器はこのグラフィックにも在ると思う。ロゴのフォントデザイン、カラーの案配などバイクの外観を決定づける要素の使い方が上手だ。さて、ゼファーはエンデュランスバイクとしての快適性を追求するために多くの機構を取り入れているというが、それを仰々しく主張していない(フォークの逆オフセットにはやや主張があるけれど)。それもあってか極端なコンフォート感はあまり感じられず、むしろよく走り、気持ちよく上ってくれるイメージだ。やや腰高に感じられたのはポジションが高いゆえだろうか。直進安定性が高く、悪路でも路面追従性にも優れる。路面の突き上げに対しては他の2台とくらべゆったりとした反応であることは確かだ。ペダリングへの反応もよくキビキビと走ってくれる。レーサーが乗っても意外といい仕事をするのでは? と思える質感であった。

 

(写真:和田やずか)


ニールプライドのお問い合わせ ジオライドジャパン

http://www.neilprydebikes.net/

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