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2016年05月05日

3モデル インプレッション Vol.15/DE ROSA編 プロローグ

3モデル インプレッション VOL.15 / DE ROSA

◆3モデル インプレッションの定義◆

エアロロード、ノーマル、エンデュランスロードと3つのカテゴリーを有するブランドをセレクトし、この3カテゴリーの代表モデルを各1台、合計3台インプレッションするというもの。ブランドのイメージ、それぞれのカテゴリーに特化したバイクの評価、3モデルを総合した印象と比較など3人のライダーが多角的にレポートします。

第15回はデローザ。ピュアレーシングブランドとしてのイメージが強い中、近年ではノスタルジーを感じさせるコミューターバイクまで幅広く洗練したラインナップを展開している。さて、今回はピュアレーシングモデルを中心にテストライドを行っている。レースモデルといえばキングやプロトスといったハイスペックのカーボンフレームがまず想像されるが、あらたに登場したSKにも注目だろう。ピニンファリーナと共同開発された最新鋭のエアロロードバイクで、今回はエアロロードモデルとしてテストライドを行なった。スタンダードモデルとしてはスカンジウムアルミ合金を用いたスカンジウムを、エンデュランスモデルとしてはラグレスのフィレット溶接を用いたアジェである。

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SK■デローザとピニンファリーナのデザインが融合した結果がこのSKだ。カーボン素材とエアロダイナミクスの追求によりレース機材として最適なパフォーマンスを生み出すことができた。モノ作りの中に、本質と美しさを求めるイタリアンデザイン、そして自転車という機能美が融合した。エアロロードながらもスーパーキングよりも15%軽量化に成功していて、その上ヘッド周りやBBをはじめとした要所の剛性が上がり、耐久性も向上している。電子/電動式コンポーネントに対応したフレームで、シートチューブにカンパニョーロV2、シートポストにシマノDi2のバッテリーを内蔵可能としている。■フレーム:カーボン■フォーク:カーボン■試乗車のコンポーネント:カンパニョーロ・スーパーレコードEPS■ホイール:カンパニョーロ・ボーラ80(ピニンファリーナモデル)■完成車実測重量: 7.0kg(ペダルなし)■カラー:ブルーブラックグロッシー、ホワイトブラックグロッシー、ブルーゴールドグロッシー、ブラックレッドマット■サイズ:46、48、50、52、54、56■価格:348,000円(フレームセット)

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スカンジウム■このモデルはブラックラベルカテゴリー、すなわちデローザのカスタムメイド専用モデルだ。カスタムメイドのみで生産される完全なフルオーダーモデルである。チューブはかつて一世を風靡したスカンジウムアルミ合金を用いている。レース用として最適な優れた剛性と軽さを兼ね備える素材にデローザのパッションが加わりエンスージアストも満足させる性能である。■フレーム:スカンジウムアルミ合金(7000番系)■フォーク:カーボン■試乗車のコンポーネント:カンパニョーロ・コーラス■ホイール:カンパニョーロ・シャマル■完成車実測重量: 7.4kg(ペダルなし)■カラー:グレイホワイトマット■サイズ:オーダー■価格:460,000円(フレームセット)

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アジェ■ラグを使わずフィレット溶接でチューブ同士をジョイントしたスチールフレーム。滑らかな接合部分は独特の美しさをかもし出し、スチールの魅力を引き出している。デローザがもっている溶接技術とデザイン、そして時代の変化に応じた新しいジオメトリーを組み合わせた2016年のニューモデルである。メッキ塗装をほどこしたアジェ ラスターはアップチャージとなるが、別格の美しさである。■フレーム:スチール■フォーク:スチール■試乗車のコンポーネント:カンパニョーロ・コーラス■ホイール:カンパニョーロ・ゾンダ■完成車実測重量: 8.5kg(ペダルなし)■カラー:シャンパーニュ、ブルー、クローム(アジェ ラスター)■サイズ:48〜61cm(1cm刻み)、カスタムオーダー可能■価格:395,000円(フレームセット)、432,000円(ラスター フレームセット)

NEW テストライダーの紹介

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芦田昌太郎さん

インプレッションライダーを務める菊地武洋、山本健一に加えて今回は芦田昌太郎さんが加わり、この3人でインプレションを行なった。俳優業の芦田さんは舞台や撮影の合間を縫ってサイクリングを楽しんでおり、FUNRiDEイベントのMCや、自身もレースや自転車イベントに参加するサイクリストだ。「一般ホビーサイクリスト目線のインプレッションがお届けできれば」とコメントしている。


デローザのイメージは……

山本:芦田さんはデローザにどんな印象をもっていますか?

芦田:ブランドイメージとしてはラグジュアリー感ですね。その上で今回セレクトした3車種からは硬さやレーシーさというのを感じます。

山本:バリバリのレーシングブランドなので、そのイメージですよね。デローザほどのブランドをとやかく言えるほどの者ではないですが、クロモリ、アルミ、カーボンと時代が移り変わっていったけど、デローザほどのブランドでもその速い流れに翻弄されているのだな、と。

菊地:そうだね。素材の世代によって大きくイメージの変わったブランドだね。僕がスポーツバイクに興味を持った頃は硬派なスチールだったけど、今やハートのマークで女性からカワイイと人気なんだもんねぇ……。

山本:ちょっと前まではそれが嫌だったんですが、今はそれも少し許せるかな。

菊地:くまモンにはちょっと驚いたけどね(笑)。あとはコカ・コーラとのコラボレーションとかね。

山本:ああ……。

菊地:今はイタリア車が全般的に少し押されている感じはするね。

山本:今回の3モデルではSKが鳴り物入りで登場していて、ブラックラベル(オーダー専用)としてのスカンジウム、そしてフィレット溶接のアジェ。

菊地:デローザがラグレスのスチールフレームを出すとは驚いた。

芦田:スカンジウムには興味がありますね。カーボンでもチタンでもなく、レアメタルを添加したアルミフレームということで、好奇心を刺激されています。中級ライダーからすると、デローザってシャレているよね、可愛いよねって。車でいうとアルファロメオような印象もあって。このデザイン(ハートマーク)に憧れていました。

菊地:オレ、高校のときの机にどれだけデローザのロゴを書いたかわからないね(笑)。初めてウーゴ・デローザに会ったときは感激したよ。

山本:第一世代ビルダーの迫力たるや。

菊地:すごいよね。ウーゴに名前を覚えてもらったときは、嬉しかったなぁ。

山本:スカンジウム、そしてアジェといい、カーボンフレームがあるのに、アルミやスチール、チタンにも積極的に取り組んでいて。自分たちにしかできないことをやっていきたい、脱却したいという気概を感じます。

菊地:アメリカ系メーカーとやりあうなら、会社規模を大きくして対抗する必要もあるし、次の手を模索している感じもする。

芦田:こうしてみると、趣味の自転車という意識が強いですね。

菊地:興味をもった人が、スッと最初に惹かれる何か(ロゴやイメージとか雰囲気や…)があるよね。

芦田:ネーミングといいカラーリングといい、すごく色気がありますね。

山本:ラインナップの陣営の数も増えましたけど、どうかな、数的にちょうどいいのかな? この今の規模感がなんとなくしっくりくる。デローザとしては売りたいだろうけど、街にあふれてほしくない(笑)。

菊地:オレも正直規模を凝縮してほしいな。こんなにモデル数はいらない。松竹梅みたいな、それでいいんじゃないかな。選手用としてエアロとかTTバイクとかあってもいいけど、市販モデルは3機種だけ。

山本:スチールのときはチューブの種類だけでしたから。

菊地:SL、SLXと廉価版みたいなところしかないもんね(笑)。

芦田:やっぱりカンパニョーロがよく似合いますね。

山本:シンパシーを感じますね。

菊地:イタリアメーカーはコアにやってほしいな。それだけで輝けるもんね。

 

(写真/和田やずか)


デローザのお問い合わせ 日直商会 http://www.derosa.jp/

 

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